2020年12月17日に東証マザーズ市場へ上場する「プレイド」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
プレイドの上場日は!?期待度は?
同社は顧客体験(CX)プラットフォーム「KARTE」を提供する会社です。
サイトやアプリの運営側が一番気になる顧客の嗜好や行動パターン等を分析することで、より顧客のニーズにあったサービスを提供するためのプラットフォームとして注目されています。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
プレイド |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4165 |
事業内容 |
クラウド型CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」の提供 |
所在地 |
東京都中央区 |
設立 |
2011年 |
従業員 |
190名 |
会社HP |
https://plaid.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年12月17日(木) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2020年12月1日(火)~2020年12月4日(金) |
価格決定日 |
2020年12月7日(月) |
購入申込期間 |
2020年12月8日(火)~2020年12月11日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://karte.io/product/simple-cx-survey/)
同社は2011年に楽天出身の倉橋健太氏によって設立された会社です。創業当初はECコンサルや飲食向けのスマホアプリ開発を手掛けていましたが、スタート後すぐに撤退し、その後スタートさせたのが顧客体験(CX)プラットフォームである「KARTE(カルテ)」です。
KARTEは自社サービスを利用するユーザーの行動傾向を含めたデータを分析し、ユーザーが求めているサービスや趣向を分析できるサービスとなっており、SaaSモデルにて提供されています。
EC事業者や美容関連、人材事業者など、様々な領域の業種に対応するサービスとなっており、顧客のプラットフォームに合わせたサービスを構築することができます。
近年ネットが主戦場となる企業が増えている中、競合が多く差別化を図れていない会社も多く、KARTEを使うことで、より顧客目線のサービスへの変更等ができるようになるといったことから注目が集まっています。
|
2015年9月期 |
2016年9月期 |
2017年9月期 |
2018年9月期 |
2019年9月期 |
売上高(百万円) |
38 |
299 |
811 |
1,595 |
2,937 |
経常利益(百万円) |
△194 |
△210 |
△49 |
△228 |
△679 |
当期純利益(百万円) |
△195 |
△218 |
△49 |
△230 |
△841 |
純資産額 (百万円) |
428 |
210 |
161 |
1,930 |
1,189 |
BPS(円) |
△7,482 |
△14,839 |
△16,498 |
△22 |
△46 |
EPS(円) |
△7,638 |
△7,357 |
△1,659 |
△7 |
△25 |
自己資本比率(%) |
86.2 |
69.10 |
37.5 |
65.2 |
54 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績はベンチャー特有の投資フェーズの状況です。売上高は利用顧客増加に伴い右肩上がりに成長しています。一方、利益についてはサービス拡大における投資拡大で赤字幅を強めています。サブスクリプションモデルですが、黒字化までは非常に時間がかかることが想定されています。
尚、2020年9月期3Q(2020年6月)の売上高は2,892百万円、経常利益は1,114百万円となっており、業績は急拡大中です。赤字幅は増加している点はやや気になるところです。
配当は創業来無配で、上場後も赤字が続くため当面は内部留保を確保するため無配が予定されています。
公募株数 |
総数14,339,000株 |
OA分 |
716,000株 |
発行済み株数 |
36,930,900株 |
想定価格 |
1,400円(100株単位:14万円) |
仮条件 |
1,400円 ~ 1,600円 |
初値予想 |
2,000円 ~ 3,500円 |
想定PER |
約-倍 |
想定PBR |
約28倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
517億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は210億円で、時価総額が517億円と東証マザーズ上場銘柄としては大型案件です。引き続き赤字が続くものの、ビジネスとしては高い評価を受けているため、株価は先行するでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
倉橋 健太 |
29.65% |
360日間 |
柴山 直樹 |
19.78% |
360日間 |
JAPAN VENTURES I L.P. |
15.89% |
180日間 |
フェムトグロースキャピタル投資事業有限責任組合 |
12.12% |
180日間 |
Google International LLC |
3.60% |
継続保有 |
フェムトグロースファンド2.0投資事業有限責任組合 |
2.78% |
180日間 |
牧野 祐己 |
1.52% |
180日間 |
清水 博之 |
1.52% |
|
三井物産(株) |
1.26% |
180日間 |
MSIVC2018V投資事業有限責任組合 |
1.26% |
180日間 |
同社の株主構成ですが、創業者の倉橋健太代表取締役社長が筆頭株主で、30%を保有しています。2位は同社CPOの柴山取締役で20%を保有しています。その他、役員・従業員が株主としていますが、VCや事業会社で株主が構成されています。株主の中にはGoogleがいるなど特徴的な株主構成です。
今回の売出は倉橋社長を含めた8社で、4,697,200株の売出です。。
今回は公募にて6.9億円の資金調達を行い、調達資金の用途はシステム開発におけるインフラ整備と、優秀なエンジニア採用費用に充てる予定です。
尚、大株主には360日および180日のロックアップがかかっており、既存株主によるエグジットはあるものの、大幅なエグジットリスクは低いでしょう。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、VCを中心に株式の売出を行う予定です。事業の将来性から期待感は高まっているものの、売出株数の多さはやや気になります。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「プレイド」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
共同主幹事 |
みずほ証券 |
84.29% |
2,814,100株 |
BofA証券(メリルリンチ日本証券) |
1.49% |
49,900株 |
|
幹事 |
野村證券 |
4.98% |
166,200株 |
SBI証券 |
2.13% |
71,200株 |
|
マネックス証券 |
2.13% |
71,200株 |
|
楽天証券 |
1.71% |
57,000株 |
|
クレディ・スイス証券 |
1.42% |
47,500株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.39% |
13,000株 |
|
岡三証券 |
0.39% |
13,000株 |
|
大和証券 |
0.39% |
13,000株 |
|
東海東京証券 |
0.39% |
13,000株 |
|
極東証券 |
0.14% |
4,700株 |
|
丸三証券 |
0.14% |
4,700株 |
今回の主幹事は国内外の売出が予定されており、国内はみずほ証券、海外はMerrill Lynch証券(Bank of America)が共同で主幹事を務めます。その他野村證券を含む11社が幹事を務めます。
著者のまとめ
12月17日には他4社同時上場となるなど資金分散が考えられますが、事業としては高い期待感があるため、初値はある程度見込める案件でしょう。上場後も動向を伺いたいところです。