2019年3月20日に東証マザーズ市場へ上場する「ギークス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ギークスの上場日は!?期待度は?
企業名 | ギークス |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 7060 |
事業内容 | ITフリーランス支援およびIT人材育成、ゲーム・メディア運営事業 |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 2007年 |
従業員 | 311名 |
会社HP | https://geechs.com/ |
監査法人 | トーマツ |
上場日 | 2019年3月20日(水) |
主幹事 | SMBC日興証券 |
BB期間 | 2019年3月5日(火)~2019年3月11日(月) |
価格決定日 | 2019年3月12日(火) |
購入申込期間 | 2019年3月13日(水)~2019年3月18日(月) |
同社はITフリーランスを活用したIT事業を展開する企業です。
慢性的なITエンジニア不足に喘がれている企業に対して、クラウドソーシングによってITサービスを提供するといった市場でも人気な業種です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://geechs.com/company/history/)
同社は2007年に創業した会社です。創業者であり現代表取締役社長である曽根原稔人氏は、上場会社のクルーズの共同創業者であり、同社は元々クルーズの子会社として設立され、2009年に曽根原社長によるMBOによって独立しました。
同社はITエンジニア不足によって悩んでいる顧客に対して、ITサービスを提供する企業です。その源泉としてITフリーランスを活用しており、両者をつなぐ事業を展開しています。
まずITフリーランスと企業をつなぐIT人材事業や、フィリピン・セブ島にてIT人材育成スクールを設立し教育を行うIT人材育成事業、その他ゲーム事業や動画事業、インターネット事業と事業領域は多岐に渡っています。
今回上場することによって総合インターネットカンパニーとしてより成長することが可能となります。
売上や成長性は?
2014年3月期 | 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | |
売上高(百万円) | 559 | 892 | 1,744 | 1,893 | 2,582 |
経常利益(百万円) | △46 | 95 | 111 | 1 | 379 |
当期純利益(百万円) | △30 | 70 | 50 | △22 | 278 |
純資産額 (百万円) | 121 | 192 | 662 | 715 | 1,044 |
BPS(円) | 68,110 | 1,076 | 3,217 | 174 | 251 |
EPS(円) | △16,917 | 395 | 268 | △5 | 67 |
自己資本比率(%) | 15.6 | 19.1 | 37.6 | 34.5 | 36.9 |
ROE(%) | – | 45 | 11.7 | – | 31.6 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績については、順調な成長を見せています。売上高は5期連続増収できれいな伸びを見せています。また利益については2017年3月期については減益となったものの、上昇傾向を維持しています。配当については内部留保を優先するため無配が予想されます。
公募株数 | 総数810,000株 (内、公募622,000株、売出188,000株) |
OA分 | 121,500株 |
発行済み株数 | 5,050,920株 |
想定価格 | 1,930円(100株単位・19万円) |
仮条件 | 1,800円~1,930円 |
初値予想 | 2,500円~3,500円 |
想定PER | 約35倍 |
想定PBR | 約5倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 97億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は18億円で、時価総額が97億円とマザーズとしては中規模の案件です。事業内容としてはITフリーランスを活用するなど働き方改革においても注目されている副業関連ですので、個人投資家中心に人気を集める可能性があります。ただし時価総額が大きいため、初値については大きくは見込めません。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
曽根原 稔人 | 38.38% | 180日間 |
合同会社ベインパートナーズ | 36.74% | 180日間 |
WMグロース3号投資事業有限責任組合 | 14.95% | 90日間or1.5倍 |
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 | 2.54% | 90日間or1.5倍 |
加賀電子(株) | 1.08% | 継続保有 |
丸山 大 | 0.86% | 180日間 |
(株)グッドスマイルカンパニー | 0.72% | 180日間 |
佐久間 大輔 | 0.57% | 継続保有 |
成末 千尋 | 0.37% | |
桜井 敦 | 0.37% |
同社の大株主は創業者の曽根原稔人社長で同社株の38%の株式を保有します。また株主2位の合同会社ベインパートナーズは曽根原社長の資産管理会社であり37%を有しているなど、曽根原社長が7割以上を保有するオーナー会社となります。また一部VCや事業会社も株主に名を連ねます。
売出はVCであるWMグロース3号ファンドのみで、18.8万株の売出です。大株主の大半には180日および継続保有のロックアップがかかっていますので、またVCには90日もしくは公募価格1.5倍のロックアップが掛かっているため、VCのエグジットは株価次第です。
公募は10.9億円の資金調達で、オフィス拡張のための設備資金やその他各事業に対しての運転資金および投資に充当される予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ギークス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SMBC日興証券 | 91.30% | 850,500株 |
幹事 | SBI証券 | 2.61% | 24,300株 |
東洋証券 | 1.74% | 16,200株 | |
エース証券 | 0.87% | 8,100株 | |
水戸証券 | 0.87% | 8,100株 | |
岩井コスモ証券 | 0.87% | 8,100株 | |
岡三証券 | 0.87% | 8,100株 | |
いちよし証券 | 0.87% | 8,100株 |
今回はSMBC日興証券務めます。その他ネット証券会社や中堅証券会社が幹事会社を務めています。株数は多くないため獲得は容易ではありません。
著者のまとめ
人材関連への株式物色は強く、かつITという人気の高い業種であるため、同社の上場は注目されます。
また同社の社長である曽根原社長はクルーズの共同創業者であったこともあり、業界でも知られた存在です。今後の事業展開についても期待されることが想定されます。
3月上場の銘柄が多くなっていますが、同社はサイズ感として数倍の初値が見込めません。ただし上場後に順調に株価を上げていくことが想定されますので期待したいところです。