2021年6月24日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「アルマード」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
アルマードの上場日は!?期待度は?
同社は卵殻膜を活用した食品・化粧品の製造販売を行っている会社です。
近年、卵殻膜が美容や健康に効果があると科学的に証明されており、卵殻膜を活用した商品開発に強みのある会社として初の上場会社となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | アルマード |
上場市場 | 東証JQスタンダード市場 |
銘柄コード | 4932 |
事業内容 | 卵殻膜を配合した食品、化粧品の企画・開発・販売 |
所在地 | 東京都中央区 |
設立 | 2000年 |
従業員 | 36名 |
会社HP | https://www.almado.co.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2021年6月24日(木) |
主幹事 | 野村證券 |
BB期間 | 2021年6月9日(水)~ 2021年6月14日(月) |
価格決定日 | 2021年6月15日(火) |
購入申込期間 | 2021年6月16日(水)~ 2021年6月21日(月) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.almado.co.jp/business/)
同社は2000年に長谷部由紀夫氏によって設立された会社です。長谷部氏が自身の肌について悩んだ経験を有し、その問題解決につながるものとして注目したのが「卵殻膜」でした。卵殻膜の成分を配合した美容化粧品開発を同社で手がけ、2001年に商品化に成功しました。
その後、テレビショッピングにて化粧品や健康食品の販売を行い、事業拡大してきました。
同社は卵殻膜ヘルスケア事業のみの単一セグメントです。現在は、公式通販ブランド「CELLULAシリーズ」、TV通販ブランド「Odeシリーズ」、全身美容サプリメントやドリンクの販売を行なっています。
販売網としては、①TVショッピング販売、②外部間接販売(外販)、③自社直接販売(直販)の3つの販売網を持っています。TVショッピング販売では、QVCテレビショッピングにてOdeシリーズの販売を行なっています。
2つ目の外板では、OEM製品の販売やドラッグストア等向けに卸販売を手掛けています。
3つ目の直販では、自社ECサイトを通じて「CELLULAシリーズ」を定期購入の形で販売しています。
直近では直販ECの売上比率が大きくなってきており、ストック型の販売ルートの構築で事業拡大を行なっています。
IPOによって更なる安定顧客を獲得するための信用度向上につながるため、更なる事業拡大が見込めそうです。
2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
売上高(百万円) | 1,956 | 2,754 | 3,789 | 5,796 | 4,548 |
経常利益(百万円) | 138 | 563 | 457 | 983 | 537 |
当期純利益(百万円) | 101 | 205 | 334 | 652 | 368 |
純資産額 (百万円) | 708 | 1,417 | 1,298 | 1,949 | 2,317 |
BPS(円) | 943,059 | 1,413,061 | 129 | 194 | 231 |
EPS(円) | 134,184 | 233,690 | 33 | 65 | 37 |
自己資本比率(%) | 57 | 61 | 63 | 69.1 | 77.6 |
ROE(%) | 15.3 | 19.3 | 24.6 | 40.1 | 17.3 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は概ね順調に推移しています。売上高は2018年3月期より着実に伸ばしており、利益面では2019年3月期こそ減益に転じたものの右肩上がりに推移してきました。
尚、2021年3月期の売上高は4,548百万円、経常利益は587百万円と前期よりも数字を押し下げた格好です。コロナ禍によって購買意欲が押し下げた格好です。
配当はこれまで無配でしたが、上場後も内部留保を確保しつつも配当を出していく方針です。尚、いつ配当を出していくかは不明です。
公募株数 | 総数5,300,000株 (内、公募50,000株、売出5,250,000株) |
OA分 | 795,000株 |
発行済み株数 | 10,394,000株 |
想定価格 | 840円(100株単位:8万円) |
仮条件 | 840円 ~880円 |
初値予想 | 850円 ~1,000円 |
想定PER | 約24倍 |
想定PBR | 約4倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 87億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は51.1億円で、時価総額が87.3億円と東証ジャスダックスタンダード上場銘柄としては中型案件です。足元業績が押し下げられていることから初値にはあまり期待できないでしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
アント・ブリッジ4号A投資事業有限責任組合 | 66.42% | 90日間or1.5倍 |
(株)DALMA | 14.89% | 90日間 |
鈴江 由美 | 4.83% | 90日間 |
グリーンコア(株) | 4.83% | 90日間 |
CBC(株) | 1.93% | 90日間 |
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 | 1.45% | |
(株)ヒト・コミュニケーションズ | 0.97% | 90日間 |
大幸薬品(株) | 0.97% | |
保科 史朗 | 0.97% | 90日間 |
長谷部 裕二 | 0.97% | 90日間 |
同社の株主構成ですが、投資ファンドであるアント・キャピタル系ファンドが筆頭株主で、同社株の66%を有しています。その他、VCや取引先や役員・従業員が株主として名を連ねています。
今回の売出は、アント・キャピタル系ファンドと前代表取締役社長の鈴江由美氏を含めた5者で、計5,250,000株の売出を行います。
今回は公募で0.3億円の資金調達を行い、調達資金は全額ブランディング費用に充てる予定です。
尚、大株主には90日のロックアップもしくは90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっています。特に株価高騰後に起きる可能性の高い大株主のVCによるエグジットリスクは注意が必要でしょう。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、VCによるエグジットイベントとなるため、高い初値が着く可能性は極めて低いでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「アルマード」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 野村證券 | 91.31% | 5,565,200株 |
幹事 | みずほ証券 | 2.61% | 159,000株 |
SMBC日興証券 | 1.30% | 79,500株 | |
SBI証券 | 1.09% | 66,200株 | |
マネックス証券 | 0.87% | 53,000株 | |
岡三証券 | 0.87% | 53,000株 | |
いちよし証券 | 0.65% | 39,700株 | |
東海東京証券 | 0.65% | 39,700株 | |
楽天証券 | 0.65% | 39,700株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた8社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日に他3社上場してくるため、投資資金は分散することが予想されますが、中でも同社への期待感は低いでしょう。事業的には将来性があるものの、足元の業績の悪化、ファンドのエグジットイベントなど公募割れリスクが高まっています。