2018年12月11日に東証マザーズ市場へ上場する「アルー」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
アルーの上場日は!?期待度は?
企業名 | アルー |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 7043 |
事業内容 | 人材育成データ及び機械学習技術等を活用した、社会人向け教育サービスの提供 |
所在地 | 東京都千代田区 |
設立 | 2003年 |
従業員 | 160名 |
会社HP | https://www.alue.co.jp/ |
監査法人 | あずさ |
上場日 | 2018年12月11日(火) |
主幹事 | 野村證券 |
BB期間 | 2018年11月22日(木)~2018年11月29日(木) |
価格決定日 | 2018年11月30日(金) |
購入申込期間 | 2018年12月3日(月)~2018年12月6日(木) |
同社は企業向けの人材研修を請け負っている企業です。
働き方改革など従業員向けの福利厚生を充実させている企業が多い中、自社内だけでは難しいマナー研修や語学研修を代行するビジネスで同社は拡大させています。株式市場でも注目されそうな銘柄です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.alue.co.jp/recruit/members/about.html)
同社は2003年、大手コンサル会社ボストンコンサルティングで経験を積んだ現代表取締役社長の落合文四郎氏と現取締役で同じくコンサル会社、A.T.カーニー出身の池田祐輔氏によって設立された会社です。
同社は法人向けに人材育成事業を行っており、特に企業単体では難しいビジネスマナー研修やマインド研修、語学研修を請け負うことで企業より対価を得ています。
またただ研修を行うだけではなく、研修後の効果や感想を企業側にフィードバックする体制を構築しており、継続した取引関係を作り出しています。
近年は語学研修に力を入れており、法人顧客向けに英会話サービス「ALUGO」を提供しています。このサービスは携帯電話だけでネイティブスピーカーとの語学レッスンを行うことができるサービスで、今後は個人向けにも拡大をしていく方針です。
福利厚生を高めている企業が多い中、人材研修の充実さを図ろうとしている企業が多く、同社への引き合いが強くなる可能性が高いです。
売上や成長性は?
2013年12月期 | 2014年12月期 | 2015年12月期 | 2016年12月期 | 2017年12月期 | |
売上高(百万円) | 1,290 | 1,362 | 1,578 | 1,788 | 1,913 |
経常利益(百万円) | 89 | 26 | 71 | 68 | 129 |
当期純利益(百万円) | 32 | 8 | △14 | 48 | 76 |
純資産額 (百万円) | 310 | 318 | 304 | 340 | 420 |
BPS(円) | 14,574 | 14,967 | 14,286 | 157 | 194 |
EPS(円) | 1,524 | 393 | △681 | 22 | 35 |
自己資本比率(%) | 39 | 27 | 30 | 35 | 43 |
ROE(%) | 11 | 3 | – | 15.1 | 20 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
同社の業績は着実にあります。2013年12月期から直前期までの5期連続で増収となっています。利益面は当期純利益が2015年12月期に赤字ではあったものの、着実な成長を見せています。配当政策については、企業成長を優先するため無配を予定しています。
公募株数 | 総数587,500株 (内、公募300,000株、売出287,500株) |
OA分 | 88,100株 |
発行済み株数 | 2,466,300株 |
想定価格 | 1,300円(1株単位・13万円) |
仮条件 | 1,300円~1,370円 |
初値予想 | 2,000円~3,000円 |
想定PER | 約42倍 |
想定PBR | 約4倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 33億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は9億円で、時価総額は33億円と小ぶり案件です。発行株数が少なく、需給面ではタイトな印象を受けますので大幅上昇が見込めそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
落合 文四郎 | 43.68% | 90日間 |
(株)フォーティーシクサーズ | 19.67% | 90日間 |
(株)ドリームインキュベータ | 16.68% | 90日間or1.5倍 |
池田 祐輔 | 8.72% | 90日間 |
稲村 大悟 | 4.93% | 90日間 |
アルー社員持株会 | 3.81% | 90日間 |
田中 英範 | 1.33% | 90日間 |
村田 直人 | 0.26% | |
齋藤 俊輔 | 0.25% | |
中村 俊介 | 0.24% |
大株主は、現代表取締役社長の落合文四郎氏で、同社株の44%を保有しています。また20%を有する(株)フォーティーシクサーズは落合社長の資産管理会社であるため、実質的過半数以上を有するオーナー会社です。
3位の(株)ドリームインキュベータはベンチャーへの投資を中心に行っていることもあり、上場後エグジットする可能性はありますが、その他VCが入っている様子はないため需給面で分があります。
売出は落合社長と池田取締役の2名で287,500株です。大株主の数名に90日ロックアップがかかっていますので上場後のエグジットによる値下がりはあまりなさそうです。ただし、ドリームインキュベータ社は90日もしくは公募価格の1.5倍ロックアップであるため、こちらによるエグジットリスクは認識しておく必要があります。
公募によって調達する3.5億円は、人材採用費やALUGOサービスの拡充への投資、オフィス移転に伴う借入金の返済に充てられる予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「アルー」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 野村證券 | 89.64% | 605,600株 |
幹事 | SMBC日興証券 | 3.03% | 20,500株 |
大和証券 | 3.03% | 20,500株 | |
岡三証券 | 0.86% | 5,800株 | |
いちよし証券 | 0.86% | 5,800株 | |
エース証券 | 0.86% | 5,800株 | |
水戸証券 | 0.86% | 5,800株 | |
SBI証券 | 0.43% | 2,900株 | |
マネックス証券 | 0.43% | 2,900株 |
今回は野村證券が主幹事を務めています。大手証券会社が名を連らねられており、厳しい審査を潜り抜けた会社であることがわかります。従って上場後も期待できる会社と言えそうです。
著者のまとめ
人材育成のための研修を法人向けに行う同社のビジネスモデルは他の上場会社と比べても独自性のあるモデルであるといえます。
人件費が高騰している中、企業は優秀な人材を確保するために四苦八苦しているのが現状で、福利厚生や研修制度を整えている企業も増えています。同社は上場によって社会的信用度を高め、より業績への寄与が大きくなるものであると考えられます。
非常に面白い上場案件です。