2020年12月22日に東証マザーズ市場へ上場する「ヤプリ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ヤプリの上場日は!?期待度は?
同社はアプリ開発プラットフォームを提供する会社です。
プログラミング知識を持たずしてスマートフォンアプリの開発ができるプラットフォーム「yappli」を提供しており、非常に注目を集める会社です。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
ヤプリ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4168 |
事業内容 |
スマホアプリの開発・運用・分析をノーコード(プログラミング不要)で提供するアプリプラットフォーム『Yappli』の運営 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2013年 |
従業員 |
170名 |
会社HP |
https://yappli.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年12月22日(火) |
主幹事 |
みずほ証券、大和証券 |
BB期間 |
2020年12月4日(金)~2020年12月10日(木) |
価格決定日 |
2020年12月11日(金) |
購入申込期間 |
2020年12月14日(月)~2020年12月17日(木) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://yapp.li/)
同社は2013年に設立した会社で、現代表取締役の庵原保文氏と取締役CTOの佐野将史氏、同じく取締役の黒田真澄氏によって設立されたクラウド型プラットフォーム運営会社です。
それぞれヤフー時代の同僚であり、経営の庵原氏、プログラマーの佐野氏、デザインの黒田氏と役割が分担された3人の経営陣によって運営されており、創業来プログラミングなしでアプリの開発が可能なアプリケーションの提供を行っています。
改めて同社についてみていきますと、セグメントは「アプリ運営プラットフォーム事業」の単一セグメントで、クラウド型のアプリ運営プラットフォーム「Yappliシステム」を顧客向けに提供しています。
スマートフォンアプリが一般的になった今日においては、アプリ開発の必要性に迫られている一方、プログラミングスキルが求められるため開発ができないと苦慮する顧客も多いのが事実です。
同社のYappliシステムは、プログラミングスキルのない方でも簡単にアプリ開発ができ、高度なスマートフォンアプリまでも開発できるノーコードプラットフォームとなっています。
スマートフォンアプリに関しては操作等共通化できる部分が多く、一から開発するスクラッチ開発にも劣らないアプリを開発できるプラットフォームを顧客に提供しています。
2020年9月末時点で527件の契約アプリがあり、累計6,500万ダウンロードと重要なアプリ開発プラットフォームに成長しており、今後も成長が望める分野です。
サブスクリプションモデルのビジネスであるため、安定した収益確保が可能なビジネスモデルで、市場からも注目されています。
|
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
2020年3月期 |
売上高(百万円) |
82 |
245 |
599 |
1,022 |
1,721 |
経常利益(百万円) |
△16 |
△156 |
△64 |
△162 |
△799 |
当期純利益(百万円) |
△16 |
△157 |
△74 |
△206 |
△790 |
純資産額 (百万円) |
332 |
175 |
495 |
289 |
930 |
BPS(円) |
△39 |
△6,345 |
△9,312 |
△59 |
△164 |
EPS(円) |
△660 |
△6,306 |
△2,967 |
△28 |
△106 |
自己資本比率(%) |
96.4 |
79.10 |
68.6 |
60 |
48.3 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は順調に伸ばしています。売上高は右肩上がりに拡大しており、利益はプロモーション強化やシステム開発への投資が先行しているため赤字となっています。しかし、順調に事業拡大が図れており、現時点での赤字は大きく気にしない投資家が多いでしょう。
尚、2020年12月期3Q(2020年9月)の売上高は1,701百万円、経常利益は395百万円の赤字となっており、順調な売り上げを見せているものの、引き続き赤字状態が続いています。
配当は赤字を続けているため創業来無配で、上場後も内部留保を優先するため当面無配が予想されています。
公募株数 |
総数4,845,400株 |
OA分 |
726,600株 |
発行済み株数 |
11,663,600株 |
想定価格 |
2,960円(100株単位:30万円) |
仮条件 |
2,960円 ~ 3,160円 |
初値予想 |
4,000円 ~ 5,500円 |
想定PER |
約-倍 |
想定PBR |
約18倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
345億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は164億円で、時価総額が345億円と東証マザーズ上場銘柄としては大型案件です。市場からの評価の高さが時価総額に現れており、初値高騰も期待できます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
庵原 保文 |
18.72% |
180日間 |
佐野 将史 |
18.72% |
180日間 |
YJ1号投資事業組合 |
16.76% |
180日間 or 1.5倍 |
Eight Roads Ventures Japan Ⅱ L.P. |
9.04% |
|
グロービス4号ファンド投資事業有限責任組合 |
8.87% |
180日間 or 1.5倍 |
黒田 真澄 |
6.61% |
180日間 |
原田 智法 |
5.98% |
|
Globis Fund Ⅳ, L.P. |
5.32% |
180日間 or 1.5倍 |
Salesforce.com, inc. |
3.35% |
|
テクノロジーベンチャーズ4号投資事業有限責任組合 |
1.43% |
180日間 or 1.5倍 |
同社の株主構成ですが、創業者である庵原社長と佐野CTOが同数である19%の株式を有する筆頭株主で、黒田氏が7%を有しています。その他はVCを中心に保有されていますが、庵原社長の古巣であるヤフー系VCや米国企業であるセールスフォースが出資をするなど注目度の高さが伺えます。
今回の売出は庵原社長やVCを含めた10者で、4,495,400株の売出です。
今回は公募にて9.3億円の資金調達を行い、調達資金は広告宣伝費や人材採用費に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは、180日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっています。初値高騰が期待されているため、上場後のエグジットリスクには注意が必要です。
今回は売出が公募を大きく上回るエグジット案件で、9割方エグジットとなるなど大株主が収益を獲得するイベントとなっています。ただし、事業成長性には期待感があるため、この水準でも安いと思われる可能性が高いです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ヤプリ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
共同主幹事 |
みずほ証券 |
82.61% |
4,603,100株 |
大和証券 |
14.78% |
823,700株 |
|
幹事 |
野村證券 |
1.30% |
72,600株 |
SBI証券 |
0.87% |
48,400株 |
|
マネックス証券 |
0.43% |
24,200株 |
今回の主幹事はみずほ証券と大和証券が共同で主幹事を務めます。その他野村證券を含めた3社が幹事を務めます。
著者のまとめ
12月22日は3社同時上場となりますが、期待感としては一番高い案件でしょう。スマートフォンアプリが必須となった今日においては今後も引き続き需要を集めそうです。積極的に行きたいところです。