2018年12月12日に東証1部市場へ上場する「アルテリア・ネットワークス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
アルテリア・ネットワークスの上場日は!?期待度は?
企業名 | アルテリア・ネットワークス |
上場市場 | 東証1部市場 |
銘柄コード | 4423 |
事業内容 | インターネットサービス、ネットワークサービス、マンションインターネットサービス |
所在地 | 東京都港区 |
設立 | 2016年 |
従業員 | 711名 |
会社HP | https://www.arteria-net.com/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2018年12月12日(水) |
主幹事 | SMBC日興証券 |
BB期間 | 2018年11月28日(水)~2018年12月3日(月) |
価格決定日 | 2018年12月4日(火) |
購入申込期間 | 2018年12月5日(水)~2018年12月10日(月) |
同社は自社網を活用したインターネット接続サービスを提供する企業です。
丸紅グループのインターネット通信事業者として、マンション全戸一括型では業界首位のシェアを有しているなど強みがある一方、上場規模が大きいため初値高騰は見込みにくい案件と言えます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.arteria-net.com/mansion/)
同社は2016年に設立された若い会社ですが、元々は丸紅の情報通信サービスを担う会社として1997年に設立された「グローバルアクセス」が源流です。
同社は主に法人向けに特化したインターネット通信サービスを行っており、自社保有の光ファイバー網を活用し高速通信サービスを提供しています。
またマンションに光ファイバー網を引き、一戸一括でインターネット契約ができるサービス「UCOM光」や、任意で加入できる「e-mansion」のBtoBtoCモデルも行っており、国内トップシェアを誇ります。
また法人で求められるVPN接続サービスやIP電話サービスも行っています。
近年では電力会社から電気をまとめ買いし、法人向けに安い金額で電気を提供する電力サービスにも着手しており、幅広く事業展開を行う雰囲気が見られます。
上場後も丸紅グループのネットワークを生かし事業展開を図って行く予定です。
売上や成長性は?
2017年3月期 | 2018年3月期 | |
売上高(百万円) | 41,365 | 47,587 |
経常利益(百万円) | 5,926 | 7,549 |
当期純利益(百万円) | 4,142 | 4,610 |
純資産額 (百万円) | 6,239 | 11,872 |
BPS(円) | 125 | 237 |
EPS(円) | 83 | 92 |
自己資本比率(%) | 8 | 15 |
ROE(%) | 100 | 50.9 |
配当性向(%) | – | – |
同社の業績は右肩上がりです。設立が2016年からのため2期分の決算しか出ていませんが、売上高、利益ともに増収増益となっています。インターネット通信サービスは契約後月額料金を取るスタンスのため、安定的な収入が入ることが見込まれます。よって業績は安定していくことが容易に予想できます。配当政策については、年1回配当をしていく方針です。金額は未定です。
公募株数 | 総数17,500,000株 (内、公募0株、売出17,500,000株) |
OA分 | 2,625,000株 |
発行済み株数 | 50,000,000株 |
想定価格 | 1,400円(1株単位・14万円) |
仮条件 | 1,150円~1,500円 |
初値予想 | 1,000円~1,500円 |
想定PER | 約15倍 |
想定PBR | 約6倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 700億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は28億円で、時価総額は700億円と大規模案件です。1部直接上場でかつ売出のみという値上がりがあまり期待できない案件です。場合によっては初値割れの可能性も否めません。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
丸紅(株) | 50.00% | 180日間 |
Red Anchor Investments Limited | 50.00% | 90日間 |
大株主は、親会社である丸紅が50%、海外ファンドのRed Anchor Investments Limitedが50%の2社のみで、折半出資によって運営されています。
売出はRed Anchor Investments Limitedのみで、保有株の7割をエグジットします。
今IPOは公募による資金調達がありません。
上場後丸紅は180日、Red Anchor Investments Limitedが90日のロックアップ制限がかかっているため、当該期間のエグジットの心配はありませんが、今回の売出株はすべてファンドの持分を利確させるイベントであるため、企業の成長には全く影響がなく心象が悪いです。
丸紅に関しては事業参加をしているため50%を維持することが見込まれますが、Red Anchor Investments Limitedについては3か月後の売却の可能性は否めません。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「アルテリア・ネットワークス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
共同主幹事 | SMBC日興証券 | 47.82% | 4,812,300株 |
みずほ証券 | 26.09% | 2,625,000株 | |
UBS証券 | 6.96% | 700,000株 | |
幹事 | 大和証券 | 6.09% | 612,500株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 4.35% | 437,500株 | |
野村證券 | 4.35% | 437,500株 | |
SBI証券 | 1.74% | 175,000株 | |
マネックス証券 | 0.87% | 87,500株 | |
岡三証券 | 0.44% | 43,800株 | |
東海東京証券 | 0.44% | 43,800株 | |
岩井コスモ証券 | 0.44% | 43,800株 | |
水戸証券 | 0.44% | 43,800株 |
今回はSMBC日興証券、みずほ証券、UBS証券の3社が共同主幹事を務めています。主にUBS証券は海外売出を担います。株数が多いため当選の可能性は高いです。
著者のまとめ
2018年12月上場には過去最大級の上場規模を誇るソフトバンクが控えていますが、その次に規模が大きい案件が同社であり、初値高騰が見込めないという点が正直なところです。
1部直接、公募なし、ファンドエグジットといった案件はこれまでも公募割れを起こしている点は頭に入れておく必要があります。
ただし、事業モデルとしては堅調に推移するストックモデルであり、今後の配当を受け取る権利を考えると長期保有を検討するのであれば大いに魅力のある案件かもしれません。
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