2020年3月25日に東証マザーズ市場へ上場する「ヴィス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ヴィスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
ヴィス |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
5071 |
事業内容 |
オフィス空間の設計デザイン・施工を行うデザイナーズオフィス事業等 |
所在地 |
大阪府大阪市 |
設立 |
1998年 |
従業員 |
186名 |
会社HP |
https://vis-produce.com/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年3月25日(水) |
主幹事 |
大和証券 |
BB期間 |
2020年3月9日(月)~2020年3月13日(金) |
価格決定日 |
2020年3月16日(月) |
購入申込期間 |
2020年3月17日(火)~2020年3月23日(月) |
同社はオフィス空間のデザイン設計・施工を行う建設会社です。
働き方改革を進める企業が多い中、デザイン性のあるオフィス環境づくりに努める企業が増えており、同社はコンサルティングを含めオフィス内装施工を行っています。人気化のしにくい建設業からの上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://designers-office.jp/concept/index.php)
同社は1999年に創業者で現代表取締役社長の中村勇人氏によって設立された会社です。創業当初は商業施設のデザイン業務に取り組んできましたが、デザイン性を求める企業が増えてきたこともあり、2004年からデザイナーズオフィス業務に事業目的を変更し今日に至ります。
主にデザイナーズオフィス事業とは、顧客のオフィス移転や改装のニーズに対して、空間設計デザインから施工までをワンストップで提供する事業で、移転および改装において発生する様々なタスクを同社が一手に引き受ける形を取ることで、顧客が安心してオフィス改装ができる形を構築しています。
その上で、移転にかかるコンサルティングや物件探索、設計やレイアウトの提案からインテリア等の選定、そして施工・引っ越しといった一連を一括で請け負い、顧客負担を減らしています。
特にデザイン業務でスタートしたこともあり、コーポレートアイデンティティを基にしたオフィス設計を行うことで、統一感のあるオフィスデザインを行っています。
またオフィスデザインの他、顧客のWebデザインに関してもサポートしており、オフィスデザインと一体感のあるHP作りのサポートを行っております。
この他、スタートアップ企業向けのテナント賃貸やレンタルオフィスを自社で提供する「VISビル事業」を開始し、自社保有のビルの建設を行っています。
同社のクライアントには、Makuakeやビズリーチ、スマートニュースといったベンチャー企業が多く、成長著しい企業に対して快適なオフィス空間の提供ができています。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
3,894 |
4,603 |
5,861 |
7,173 |
8,670 |
経常利益(百万円) |
366 |
308 |
525 |
654 |
915 |
当期純利益(百万円) |
232 |
213 |
360 |
451 |
626 |
純資産額 (百万円) |
570 |
739 |
1,056 |
1,435 |
1,970 |
BPS(円) |
12,480 |
16,178 |
463 |
209 |
288 |
EPS(円) |
5,083 |
4,654 |
158 |
66 |
91 |
自己資本比率(%) |
48.4 |
49.5 |
44.8 |
41.8 |
46.4 |
ROE(%) |
49.9 |
32.5 |
40.1 |
36.2 |
36.8 |
配当性向(%) |
18.8 |
20 |
20.1 |
20.3 |
20.1 |
業績は拡大傾向にあります。売上高・経常利益共に順調に伸ばしている状況です。尚、2020年3月期3Q(2019年12月末)の売上高は6,666百万円、経常利益は622百万円と進捗率ベースでは前期並みで、前期数字をにらんだ業績が予想されます。
配当はこれまでも出しており、2019年3月期は1株55円の配当を出しています。配当性向は20.1%で、上場後も配当性向20%を基準に配当を出していく方針です。
公募株数 |
総数1,950,000株 (内、公募1,300,000株、売出650,000株) |
OA分 |
292,500株 |
発行済み株数 |
8,152,300株 |
想定価格 |
820円(100株単位:8万円) |
仮条件 |
820円~900円 |
初値予想 |
700円~850円 |
想定PER |
約11倍 |
想定PBR |
約2.3倍 |
配当利回り |
1.9% |
想定時価総額 |
67億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は18億円で、時価総額が67億円と東証マザーズ上場銘柄としては中規模案件です。人気化しずらい建設業案件であるため公募割れリスクが高いでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
㈱クレド |
50.92% |
90日間or1.5倍 |
中村 勇人 |
40.68% |
90日間or1.5倍 |
大滝 仁実 |
2.26% |
90日間or1.5倍 |
金谷 智浩 |
2.26% |
90日間or1.5倍 |
ヴィス従業員持株会 |
1.68% |
90日間or1.5倍 |
矢原 裕一郎 |
0.06% |
|
浜本 亜実 |
0.06% |
|
宇都宮 則夫 |
0.06% |
|
小川 金郎 |
0.06% |
|
村岡 由隆 |
0.06% |
|
同社の大株主は、中村社長の資産管理会社「㈱クレド」で同社株の約51%を保有しています。中村社長個人では41%を保有しているため、株式全体の9割を中村社長が有する格好です。その他従業員・役員で株式を保有している形で、ファンドは特段入っていません。
今回の売出は中村社長と資産管理会社で、65万株の売出です。
公募によって9.7億円の資金調達を実施し、VISビル事業にかかる建設費用や借入金の返済、業務管理システムの導入費用に充てる予定です。大株主には90日もしくは公募価格1.5倍のロックアップ制限がかかっています。ファンドが入っていないため、目先のエグジットリスクは低いでしょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、VISビル事業への資金投入が目的となります。初値高騰は難しく、公募割れも覚悟しましょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ヴィス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
大和証券 |
91.30% |
2,047,500株 |
幹事 |
みずほ証券 |
1.74% |
39,000株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
1.74% |
39,000株 |
|
SBI証券 |
1.74% |
39,000株 |
|
エース証券 |
0.87% |
19,500株 |
|
SMBC日興証券 |
0.87% |
19,500株 |
|
マネックス証券 |
0.87% |
19,500株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.87% |
19,500株 |
今回の主幹事は大和証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
直近、近い業界のドラフトが上場しましたが、初値は公募価格の22.7%マイナスといった結果でした。地合いが悪いとは言え人気化する可能性が低いため、冷静な判断の上投資を行っていきたいものです。