2018年12月13日に東証2部市場へ上場する「オーウエル」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
オーウエルの上場日は!?期待度は?
企業名 | オーウエル |
上場市場 | 東証2部市場 |
銘柄コード | 7670 |
事業内容 | 塗料、表面処理剤、塗装関連機器・設備、意匠・保護フィルムなどの販売および電気・電子部品などの販売ならびに、それらに関連する各種工事の請負および設計・監理 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
設立 | 1943年 |
従業員 | 603名 |
会社HP | http://www.owell.co.jp/ |
監査法人 | あずさ |
上場日 | 2018年12月13日(木) |
主幹事 | 大和証券 |
BB期間 | 2018年11月28日(水)~2018年12月4日(火) |
価格決定日 | 2018年12月5日(水) |
購入申込期間 | 2018年12月6日(木)~2018年12月11日(火) |
同社は塗料や表面活性剤の設計・開発・販売、塗装工事の請負、電子部品の開発を行う会社です。
社歴が長く業種としても地味な案件であり、市場での評価はあまり高くない案件と言えます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:http://www.owell.co.jp/)
同社は1943年に3人の事業主がそれぞれ行っていた塗装販売事業を法人化させて誕生しました。
現在連結子会社16社、持分法適用関連会社4社を有していますが、メインは創業以来行っている塗料関連事業です。
塗料や表面活性剤の自社開発を行い、主に自動車や船舶向けの塗料の開発に強みを持っています。
また塗装の請負事業も行うなど塗装関係を一貫してサポートしています。
その他自動車向けセンサーやLED照明製品の開発・製造を行っており、事業領域の拡大を図っています。
売上や成長性は?
2014年3月期 | 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | |
売上高(百万円) | 54,376 | 55,287 | 54,394 | 63,457 | 63,750 |
経常利益(百万円) | 996 | 1,043 | 938 | 1,265 | 1,337 |
当期純利益(百万円) | 529 | 556 | 611 | 770 | 823 |
純資産額 (百万円) | 9,260 | 11,753 | 11,463 | 14,965 | 16,373 |
BPS(円) | 963 | 1,363 | 1,329 | 1,727 | 1,887 |
EPS(円) | 55 | 60 | 71 | 89 | 95 |
自己資本比率(%) | 28 | 32 | 32 | 36 | 36 |
ROE(%) | 6 | 5 | 5 | 5.6 | 5.3 |
配当性向(%) | 15 | 13 | 11 | 14 | 14 |
同社の業績はまずまずな様相です。2017年3月期から連結決算となっていますが、売上高、利益共に微増で成長はしていますが、爆発的な業容拡大とは言えません。配当政策については現状出しており、配当性向が15%前後実施しています。前期実績は期末配当12円でした。
公募株数 | 総数1,628,000株 (内、公募1,628,000株、売出0株) |
OA分 | 244,200株 |
発行済み株数 | 10,500,000株 |
想定価格 | 700円(1株単位・7万円) |
仮条件 | 700円~750円 |
初値予想 | 850円~1,200円 |
想定PER | 約9倍 |
想定PBR | 約0.4倍 |
配当利回り | 1.7%程度 |
想定時価総額 | 74億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は13億円で、時価総額は74億円と中規模サイズです。売出がなく公募のみのIPOです。東証2部に直接上場という不人気案件というのが少々ネックですが、公開価格が3桁台であるため打診買いがなされる可能性が高いです。PERは10倍割れ、PBRは1倍を大きく割れているという点から割安投資家が入ってくる可能性が高いです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
オーウエル従業員持株会 | 16.27% | 90日間or1.5倍 |
日本ペイント(株) | 10.43% | 90日間or1.5倍 |
関西ペイント(株) | 8.12% | 90日間or1.5倍 |
大日本塗料(株) | 6.38% | 90日間or1.5倍 |
㈱三菱UFJ銀行 | 4.87% | 90日間or1.5倍 |
日油(株) | 4.64% | 90日間or1.5倍 |
(株)三井住友銀行 | 3.48% | 90日間or1.5倍 |
(株)みずほ銀行 | 3.48% | 90日間or1.5倍 |
宮本 文義 | 3.01% | 90日間or1.5倍 |
神東塗料(株) | 2.90% | 90日間or1.5倍 |
大株主は、同社の従業員で構成される持株会で、全体の16%です。その他は大手ペイントメーカーやメガバンクが名を連ねています。大株主にいる宮本文義氏は同社の元社長です。
今回は売出がありません。
公募によって調達する10億円は塗装工程における現場管理システムのハード・ソフトの開発やロボットの更新等の設備投資、老朽化した営業所の修繕・移転、借入金の返済に充てられる予定です。
社歴が長く、株主構成が複雑であるため上場案件としては魅力が薄い一方、売出がないため上場後の上昇が見込めます。また大株主には90日もしくは公募価格1.5倍のロックアップがかかっているため1,000円前後までは大きな上昇が見込めそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「オーウエル」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 大和証券 | 91.32% | 1,709,600株 |
幹事 | 野村證券 | 2.61% | 48,800株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 2.17% | 40,700株 | |
SMBC日興証券 | 1.74% | 32,500株 | |
みずほ証券 | 1.74% | 32,500株 | |
SBI証券 | 0.43% | 8,100株 |
今回は大和証券が主幹事を務めています。その他大手証券会社が名を連ねています。株数はある程度あるため当選確率は高いです。
著者のまとめ
案件としては東証2部で塗料メーカーという人気のでにくい案件です。ただし、業容は安定しており、配当も出てくることを考えると株価の上昇は見込めるといえます。
またPERやPBRでは割安が出ているため、バリュエーションとして買われる可能性は大いにあります。12月上場企業の中では多少地味な会社ですが、割安投資家としては投資対象として最適なサイズ感であるため、上場後の値上がりが起きそうな感じを受けるため、値動きはウォッチしていきたいです。