2020年9月25日に東証マザーズ市場へ上場する「I-ne」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
I-neの上場日は!?期待度は?
企業名 |
I-ne(アイエヌイー) |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4933 |
事業内容 |
ヘアケア製品、美容家電、化粧品および健康食品関連のファブレスメーカー |
所在地 |
大阪府大阪市 |
設立 |
2007年 |
従業員 |
256名 |
会社HP |
https://i-ne.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年9月25日(金) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2020年9月8日(火)~ 2020年9月14日(月) |
価格決定日 |
2020年9月15日(火) |
購入申込期間 |
2020年9月16日(水)~ 2020年9月23日(水) |
同社は美容関連商品の企画販売を行うメーカーです。
女性を中心に人気を博した植物由来成分を生かしたシャンプーブランド「BOTANIST」を生み出した会社であり、美容業界でも注目を集める会社の上場となります。同社の状況を解説していきます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://i-ne.co.jp/)
同社は2007年に兵庫県宝塚市で設立した会社です。代表の大西洋平氏が2005年に個人事業としてスタートし、今日に至っています。
創業当初はモバイル通販事業やインターネット広告事業にて始まった同社ですが、2012年に提携会社にて企画販売を始めたヘアアイロン「SALONIA」がヒットし、今日までヘアアイロン市場でトップを獲得するヒット商品を生み出したことから「美容」分野への進出を行いました。
その後、2015年には、植物由来成分を使ったヘアケアブランド「BOTANIST」を発売したところヒットし、大手企業が名を連ねる中、ヘアケア市場でも上位に食い込むヒット商品を開発しています。
自社では工場を持たず、企画販売に特化したファブレスメーカーの強みを生かし、商品戦略に力を入れるとともに、Instagram等SNSを活用したマーケティングに力を入れています。
店頭はもちろんのこと、自社のECサイト等でダイレクトで販売する「DtoC」に真っ先に取り組んだ結果、安定した人気商品を生み出すこととなっており、業界からも一目置かれた存在となっています。
今後は海外売上の向上と、他社とのコラボ開発を通じて事業拡大を図っていく方針です。
|
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
6,607 |
15,584 |
20,647 |
20,571 |
21,206 |
経常利益(百万円) |
242 |
198 |
△24 |
273 |
649 |
当期純利益(百万円) |
121 |
62 |
△43 |
162 |
464 |
純資産額 (百万円) |
171 |
1,315 |
1,252 |
1,305 |
1,775 |
BPS(円) |
171,009 |
224,229 |
130,546 |
34 |
98 |
EPS(円) |
121,055 |
38,085 |
△93,683 |
13 |
58 |
自己資本比率(%) |
3.9 |
17.80 |
11.7 |
12.3 |
18.3 |
ROE(%) |
109.5 |
8.4 |
– |
12.9 |
30.7 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績はまずまずといったところです。2018年12月期より連結決算となったため単純比較はできませんが、売上高は横ばい状況です。利益に関しては直近より増益となってきており、今後の動向が気になるところです。
尚、2020年12月期2Q(2020年6月末)の売上高は10,527百万円、経常利益は369百万円と折り返し時点では前期を上回る可能性が高い状況です。ただし、新型コロナウイルスの影響で、製品の販売動向が例年と異なっている企業が多いため、不明瞭さは残ります。
配当はこれまで無配で、上場後も当面は無配を続ける方針です。
公募株数 |
総数2,142,000株 (内、公募1,713,600株、売出428,400株) |
OA分 |
321,300株 |
発行済み株数 |
8,313,600株 |
想定価格 |
2,470円(100株単位:25万円) |
仮条件 |
2,580円~2,890円 |
初値予想 |
2,700円~3,500円 |
想定PER |
約44倍 |
想定PBR |
約4倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
205億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は60.8億円で、時価総額が205億円と東証マザーズ上場銘柄としては大きめの案件です。製品の知名度が高いため、業績次第ですが上場後一定時期を経た後に株価が高騰していくことが予想されます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
YBO(株) |
52.82% |
180日間 |
大西 洋平 |
41.02% |
180日間 |
SMBC事業開発3号投資事業有限責任組合 |
1.27% |
|
伊藤 翔哉 |
1.00% |
180日間 |
今井 新 |
1.00% |
180日間 |
杉元 将二 |
1.00% |
180日間 |
藤岡 礼記 |
1.00% |
180日間 |
橋本 恒平 |
0.36% |
180日間 |
門河 充 |
0.07% |
継続保有 |
小松 悠 |
0.07% |
継続保有 |
同社の株主構成ですが、同社社長の大西社長の資産管理会社である「YBO(株)」が過半数超の53%の株式を有しています。大西社長個人でも41%を保有しており、3分の2以上を有するオーナーです。
その他役員及び従業員が名を連ねていますが、1%程度SMBC系のVCが株主に名を連ねています。
今回の売出は大西社長のみで、保有株の15%となる428,400株の売出を予定しています。
公募によって39億円の資金調達を実施し、広告宣伝費や販促費、借入金の返済に充てる予定です。
大株主には180日のロックアップがかかっています。大西社長が過半数を保有していることから上場後のエグジットリスクは高くありません。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、有利子負債が約40億円近くあった同社としては自己資本を厚くすることが可能になるため、より積極的な事業展開ができる状況と言えます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「I-ne」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
86.53% |
2,131,400株 |
幹事 |
SBI証券 |
4.35% |
107,100株 |
みずほ証券 |
4.35% |
107,100株 |
|
大和証券 |
1.74% |
42,800株 |
|
楽天証券 |
1.74% |
42,800株 |
|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
0.87% |
21,400株 |
|
マネックス証券 |
0.43% |
10,700株 |
今回の主幹事はSMBC日興証券が主幹事を務めます。その他SBI証券を含む6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
BOTANISTをはじめ、人気を博する身近な美容商品を手掛けている同社の上場ですが、業績を含め新しい商品ブランドを拡大できるかが鍵となっています。上場にて得た資金をどのように活用して成長できるか見ものです。投資として株価動向に応じて投資を行う方が良いでしょう。
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