2018年12月17日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「田中建設工業」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
田中建設工業の上場日は!?期待度は?
企業名 | 田中建設工業 |
上場市場 | 東証ジャスダックスタンダード市場 |
銘柄コード | 1450 |
事業内容 | 建築構造物の解体工事ならびにそれに関連する各種工事の施工監理 |
所在地 | 東京都港区 |
設立 | 1982年 |
従業員 | 77名 |
会社HP | https://www.tanaken-1982.co.jp/ja/index.html |
監査法人 | ひびき |
上場日 | 2018年12月18日(火) |
主幹事 | 野村證券 |
BB期間 | 2018年11月30日(金)~2018年12月6日(木) |
価格決定日 | 2018年12月7日(金) |
購入申込期間 | 2018年12月10日(月)~2018年12月13日(木) |
同社は建築構造物の解体工事及び付随する各種工事を行う企業です。
大手ゼネコン等を取引先として、都市の再開発に向けた老朽化建造物の解体に特化した事業内容を有しており、2020年の東京オリンピックを含めた大規模開発において引き続き業容を伸ばしていくことが想定されます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.tanaken-1982.co.jp/ja/case.html)
同社は1982年に、創業者の田中俊昭氏が前職ののれん分けとして創業したことに始まります。
同社は創業以来建築構造物の解体工事に特化した工事会社であり、蓄積してきたノウハウを基に現況調査や工法の提案、解体までを一貫して行います。またただ解体するだけではなく、解体に伴う土壌改良や有毒物質の除去といった付随業務も行います。
主に日本の都心圏では再開発のため高層ビルの建て替えが始まっており、同社の活躍が進んでいます。またメインクライアントが大手ゼネコンであるため、安定して大規模な解体案件を獲得することが容易である点も同社の強みです。
近年での解体実績では、ホテルオークラ東京本館が大きな案件です。今後上場によって同社の知名度向上に寄与し、案件の拡大につなげていくことを目論んでいます。
売上や成長性は?
2014年9月期 | 2015年9月期 | 2016年9月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | |
売上高(百万円) | 3,617 | 4,022 | 5,559 | 2,758 | 7,862 |
経常利益(百万円) | 419 | 872 | 1,080 | 360 | 1,272 |
当期純利益(百万円) | 230 | 476 | 619 | 223 | 834 |
純資産額 (百万円) | 1,597 | 1,929 | 2,396 | 2,031 | 2,874 |
BPS(円) | 16,634 | 20,097 | 24,959 | 1,058 | 1,456 |
EPS(円) | 2,393 | 4,963 | 6,449 | 116 | 431 |
自己資本比率(%) | 47 | 43 | 55 | 53 | 61 |
ROE(%) | 15 | 27 | 29 | 10.1 | 34 |
配当性向(%) | 63 | 40 | 97 | 30 | 29 |
同社の業績は順調に伸びています。2017年3月期より決算期を変更しており、減収減益に見えますが、5期連続で通してみると売上利益共に順調に拡大しています。配当政策はこれまでも配当を出しており、直近期では配当性向29.4%でした。動きとしては引き続き配当を出していく方針で、年1回配当です。
公募株数 | 総数310,000株 (内、公募155,000株、売出155,000株) |
OA分 | 46,500株 |
発行済み株数 | 2,128,400株 |
想定価格 | 2,210円(1株単位・22万円) |
仮条件 | 2,210円~2,400円 |
初値予想 | 2,800円~3,200円 |
想定PER | 約6倍 |
想定PBR | 約1倍 |
配当利回り | 約5% |
想定時価総額 | 47億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は8億円で、時価総額は47億円と中規模サイズです。業種としては地味な印象を受けますが、引き続き業績向上要因である解体案件が増加することが見込まれるため隠れた優良業績銘柄になる可能性は大いに秘めています。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
スリーハンドレッドホールディングス(株) | 86.16% | 90日間 |
田中 俊昭 | 2.82% | 90日間 |
田中 俊恒 | 1.12% | 90日間 |
松野 洋子 | 1.12% | 90日間 |
鬼塚 麻紀子 | 1.12% | 90日間 |
富士倉庫運輸(株) | 0.95% | 6ヶ月間 |
釆澤 和義 | 0.57% | 90日間 |
TANAKEN従業員持株会 | 0.48% | 6ヶ月間 |
大栄不動産(株) | 0.44% | 6ヶ月間 |
小池 正晴 | 0.40% | 90日間or1.5倍 |
大株主は、創業社長の田中俊昭氏の資産管理会社「スリーハンドレッドホールディングス」で、個人としても第2位の株主です。合わせると全体の9割の株式を有する完全オーナー会社です。VCは入っていませんが、オーナー一族、同社の従業員と役職員、そして取引先が株主に名を連ねています。
今回の売出は筆頭株主のスリーハンドレッドホールディングスのみで15.5万株です。売却後も株主構成比は基本変わりません。
公募によって調達する3.1億円は人材採用費や現場での原価管理システムや現場職員の健康管理システム等の更新に充てられる予定です。その他大型解体案件の際に、協力会社向けの経費支払い資金としてプールする予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「田中建設工業」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 野村證券 | 90.46% | 322,500株 |
幹事 | むさし証券 | 3.03% | 10,800株 |
みずほ証券 | 2.16% | 7,700株 | |
ちばぎん証券 | 1.74% | 6,200株 | |
東海東京証券 | 0.87% | 3,100株 | |
岡三証券 | 0.87% | 3,100株 | |
極東証券 | 0.87% | 3,100株 |
今回は大手の野村證券が主幹事を務めています。株数は多くはないため取得は容易ではないと思いますが、12月のIPOラッシュのため思っている以上にIPO株の取得の可能性もありますのでチャレンジしてみてもいいでしょう。
著者のまとめ
解体工事業は印象として良くないものの、新築ビルの建造には必ず必要な事業であり、今後は印象も見直される可能性が高いです。
同社は長く解体工事を行ってきた実績から大手ゼネコンからの高い評価を受けています。従って日本の都市開発がなくならない限り同社のビジネスは拡大してくことが想定されます。日本は特に不動産のスクラップ&ビルドが多い国であるため同社への注目が集まる可能性が大いにあるでしょう。
初値に関してもある程度高い水準に上がってくる可能性がありますので注目していきましょう。