2020年3月2日に東証マザーズ市場へ上場する「Kids Smile Holdings」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
Kids Smile Holdings[キッズスマイルホールディングス]の上場日は!?期待度は?
企業名 |
Kids Smile Holdings[キッズスマイルホールディングス] |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7084 |
事業内容 |
東京都、神奈川県、愛知県における認可保育所および認可外保育施設の運営、ならびに幼児教育に関する事業 |
所在地 |
東京都品川区 |
設立 |
2018年 |
従業員 |
789名 |
会社HP |
https://www.kidssmile-hd.co.jp/ |
監査法人 |
PwC京都 |
上場日 |
2020年3月4日(水) |
主幹事 |
いちよし証券 |
BB期間 |
2020年2月14日(金)~2020年2月20日(木) |
価格決定日 |
2020年2月21日(金) |
購入申込期間 |
2020年2月25日(火)~2020年2月28日(木) |
同社は首都圏中心に認可保育園を運営する会社です。
待機児童問題が各自治体で起きている中、民間として認可保育園を拡大しており、地域福祉に貢献しています。2019年より幼児教育無償化となり更なる事業需要が増している中での上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.kidssmile-hd.co.jp/)
同社は2018年に設立した会社ですが、元は2008年に設立した「㈱Kids Smile Project」が同社のスタートで、2018年に同社の完全子会社となりました。創業者は現社長で元博報堂出身の中西正文氏です。
主な事業は「認可保育園の運営」であり、2019年12月末現在で首都圏を中心に46の認可保育園を運営しています。6歳までに身に付けたい力や集団生活を行う上で重要な能力を鍛えるべく、「保育園に、教育を」の考えを基に幼児教育に積極的な保育園運営を行っています。
今後の未来には「AI時代」となり、情報システム化の流れが起きている中、幼児教育における「考える・生き抜く力」を養っておくことの重要性が求められています。同社は非認知能力を育成するオリジナル幼児教育プログラム「KID’S PREP.PROGRAM」を全園で提供し、入園児に対して教育を施しています。
その他、子供の教育で注目を集めている「モンテッソーリ教育」や英語教育を受けることができるプレスクール一体型保育所を4園、幼児教室を1園運営しており、在籍園児数は2,733名となっています。
2019年10月より幼児教育無償化がスタートし、認可保育園へのニーズが高まる可能性が高く、同社の事業拡大可能性が高まっています。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
526 |
1,134 |
1,815 |
3,078 |
5,327 |
経常利益(百万円) |
199 |
483 |
387 |
899 |
1,966 |
当期純利益(百万円) |
129 |
319 |
254 |
582 |
1,273 |
純資産額 (百万円) |
188 |
506 |
760 |
1,342 |
2,616 |
BPS(円) |
347,732 |
937,575 |
1,407,456 |
2,485,278 |
968 |
EPS(円) |
238,051 |
589,843 |
469,881 |
1,077,822 |
471 |
自己資本比率(%) |
29.1 |
33.9 |
27.4 |
19.7 |
28.8 |
ROE(%) |
104.1 |
91.8 |
40.1 |
55.4 |
64.3 |
配当性向(%) |
₋ |
₋ |
₋ |
₋ |
₋ |
業績は伸びています。2018年3月期に同社を設立し連結決算に移行しました。売上高・利益ともに概ね増加傾向となっております。尚、2020年3月期2Q(2019年9月末)売上高は3,439百万円、経常利益は1,770百万円となっています。配当はこれまで出しておらず、当面は内部留保確保のために無配方針です。
公募株数 |
総数800,000株 (内、公募450,000株、売出350,000株) |
OA分 |
120,000株 |
発行済み株数 |
3,150,000株 |
想定価格 |
2,260円(100株単位:23万円) |
仮条件 |
2,160円~2,260円 |
初値予想 |
2,260円~2,800円 |
想定PER |
約6倍 |
想定PBR |
約2倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
71億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は21億円で、時価総額が71億円と東証マザーズ上場案件としては小ぶりです。想定PERに対しての公募価格は割安で設定されているため、初値はある程度良好な動きをすることを想定しています。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)エーエムカンパニー |
52.71% |
180日間 |
中西 正文 |
42.17% |
180日間 |
土居 亜由美 |
2.64% |
180日間 |
田上 節朗 |
0.42% |
180日間 |
小柴 裕美 |
0.26% |
|
井上 雄介 |
0.25% |
180日間 |
下倉 里沙 |
0.12% |
|
菊田 義人 |
0.11% |
|
木村 文哉 |
0.11% |
|
小林 大輔 |
0.11% |
|
同社の大株主は、中西社長の資産管理会社である「㈱エーエムカンパニー」で、全体の53%を保有しています。中西社長は大株主2位で42%を保有しているため、実質同社株の95%を保有するオーナーです。また、取締役副社長である土居亜由美氏は中西社長の配偶者であり、2.6%を保有する株主です。その他従業員および役員で株式が保有されています。
今回の売出は中西社長のみで、35万株の売出です。
公募は9.3億円の資金調達で、開設予定の認可保育園10園の設備投資資金に全額充当する予定です。大株主には180日のロックアップが掛かっておりますので、エグジットリスクはほぼありません。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、実質9割以上を保有する中西社長の株式売り出によって株主数要項を満たす程度で、企業拡大に向けたIPOとなります。待機児童リスクが謳われる今日においては意義のある会社の上場と言えます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「Kids Smile Holdings」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
いちよし証券 |
78.26% |
720,000株 |
幹事 |
野村證券 |
10.43% |
96,000株 |
岩井コスモ証券 |
1.74% |
16,000株 |
|
エース証券 |
1.74% |
16,000株 |
|
極東証券 |
1.74% |
16,000株 |
|
東洋証券 |
1.74% |
16,000株 |
|
マネックス証券 |
1.74% |
16,000株 |
|
SBI証券 |
0.87% |
8,000株 |
|
岡三証券 |
0.87% |
8,000株 |
|
東海東京証券 |
0.87% |
8,000株 |
今回の主幹事はいちよし証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含めた9社が幹事を務めます。
著者のまとめ
認可保育園の需要に応えるために、民間として開園を行いつつ、教育レベルを高めた保育園運営など、預ける保護者にとって期待感の高い保育園として注目されています。初値としては大きな上昇は見込みにくい業種ですが、しっかりとした買いを集める可能性は高いでしょう。
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