2020年12月15日に東証マザーズ市場へ上場する「スタメン」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
スタメンの上場日は!?期待度は?
同社はエンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」を運営するSaaS会社です。
コロナ禍で改めて企業内の組織運営の重要性が問われており、同社は社内の組織運営に寄り添ったプラットフォーム開発を手掛けているなど注目を集めています。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
スタメン |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4019 |
事業内容 |
エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」の開発及び提供等 |
所在地 |
愛知県名古屋市 |
設立 |
2016年 |
従業員 |
58名 |
会社HP |
https://stmn.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年12月15日(火) |
主幹事 |
大和証券 |
BB期間 |
2020年11月30日(月)~2020年12月4日(金) |
価格決定日 |
2020年12月7日(月) |
購入申込期間 |
2020年12月8日(火)~ 2020年12月11日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://stmn.co.jp/service#tunag)
同社は2016年に愛知県名古屋市で設立された比較的新しい会社で、中京テレビ出身で、その後転じた上場会社「エイチーム」では取締役を務めた加藤厚史氏によって設立された会社です。東海エリアを中心にビジネスを行ってきました。
同社は、「人と組織」にフォーカスした事業を手掛けており、具体的には企業の組織課題に対して、社内のコミュニケーションを促進するためのエンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」を軸に、事業を手掛けています。
主にSaaSモデルで事業運営を行っており、社内制度運用と従業員と会社とのエンゲージメントに寄与するためのシステムを開発しており、大手金融機関をはじめ利用顧客を伸ばしています。
今日、従業員の離職率に関する問題をはじめ、企業経営者においては従業員の定着が事業運営において非常に重要であると認識されており、同社がその経営者の課題に寄り添った格好となっています。
2020年5月からは、TUNAGの運営経験を生かしたサブスクファンサロンアプリ「FANTS」の運営を開始しており、プロスポーツ選手やタレントとファンを繋ぐエンゲージメントサービスをスタートさせています。
企業のみならず個人にも事業展開しており、今後も引き続き成長できる環境が整っています。
|
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
– |
7 |
113 |
396 |
経常利益(百万円) |
△9 |
△82 |
△144 |
△37 |
当期純利益(百万円) |
△9 |
△83 |
△145 |
△37 |
純資産額 (百万円) |
51 |
253 |
109 |
72 |
BPS(円) |
8,536 |
1,778 |
△18 |
△23 |
EPS(円) |
△2,634 |
△11,549 |
△19 |
△5 |
自己資本比率(%) |
54.1 |
79.70 |
42.8 |
20.2 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
業績は成長過渡期にある状況です。サブスクリプションモデルの同社としては、サービス利用社増加によって業績を伸ばしてきています。売上高は着実に成長しており、利益面も黒字化が見えている状況です。
尚、2020年12月期3Q(2020年9月)の売上高は444百万円、経常利益は86百万円となっており、既に前期を上回り、黒字化に転じています。
配当は無配で、上場後も当面は内部留保の確保を優先するため無配です。
公募株数 |
総数1,506,000株 |
OA分 |
225,900株 |
発行済み株数 |
5,675,000株 |
想定価格 |
910円(100株単位:9万円) |
仮条件 |
910円 ~1,000円 |
初値予想 |
1,000円 ~1,700円 |
想定PER |
約13倍 |
想定PBR |
約2倍 |
配当利回り |
0.9% |
想定時価総額 |
52億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は15億円で、時価総額が67億円と東証マザーズ上場銘柄としてはやや中規模案件です。事業成長が著しく今後が期待の会社ですので初値高騰は大いに望めます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
加藤 厚史 |
54.39% |
180日間 |
ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合 |
12.24% |
90日間or1.5倍 |
(株)スターフロンツ |
7.65% |
180日間 |
大西 泰平 |
5.80% |
180日間 |
(株)エイチーム |
5.10% |
90日間or1.5倍 |
ジャフコSV5スター投資事業有限責任組合 |
3.06% |
90日間or1.5倍 |
(株)ライフワーク |
2.55% |
180日間 |
中京テレビ放送(株) |
1.28% |
|
小林 一樹 |
1.28% |
180日間 |
満沢 将孝 |
1.28% |
180日間 |
同社の株主構成ですが、創業者であり代表取締役社長である加藤厚史氏が筆頭株主で、過半数越えの54%を保有しています。また資産管理会社でも8%を有しています、その他は役員及び従業員が株式を保有していますが、創業当初より同社を支援している大手VC・ジャフコをはじめ、加藤社長の出身である中京テレビやエイチームも株主に名を連ねています。
今回の売出は加藤社長と中京テレビの2者で、60万株の売出です。
今回の公募は7.2億円の資金調達を実施し、調達資金は広告宣伝費や人材採用費及び人件費、オフィス移転費用や借入金の返済に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっています。一部ジャフコ等のエグジットの可能性はありますが、極めてエグジットリスクは少ないと言えましょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、着実にビジネスを伸ばしている同社の資金調達であるため前向きなIPOと言えます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「スタメン」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
大和証券 |
93.04% |
1,712,000株 |
幹事 |
野村證券 |
2.61% |
48,000株 |
みずほ証券 |
0.87% |
16,000株 |
|
SMBC日興証券 |
0.87% |
16,000株 |
|
SBI証券 |
0.87% |
16,000株 |
|
マネックス証券 |
0.87% |
16,000株 |
|
東洋証券 |
0.87% |
16,000株 |
今回の主幹事は大和証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含む6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
東海エリアのベンチャー企業として評価が高まっている同社の上場は市場でも注目を集めています。2020年2月に、日本における「働きがいのある会社」ランキングで東海エリアトップに選出されたなど、組織を意識した事業柄従業員の働きがいのある会社であることがわかります。上場後も種々期待できそうな会社ですので注目していきたいところです。