2019年2月22日に東証マザーズ市場へ上場する「識学」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
識学の上場日は!?期待度は?
企業名 | 識学 |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 7049 |
事業内容 | 識学を使った経営、組織コンサルティングおよび従業員向け研修、webサービスの開発・提供 |
所在地 | 東京都品川区 |
設立 | 2015年 |
従業員 | 40名 |
会社HP | https://corp.shikigaku.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2019年2月22日(金) |
主幹事 | SMBC日興証券 |
BB期間 | 2019年2月6日(水)~2019年2月13日(水) |
価格決定日 | 2019年2月14日(木) |
購入申込期間 | 2019年2月15日(金)~2019年2月20日(水) |
同社はビジネスコンサルティングを行う新興企業です。
独自の理論「識学」を活用した組織コンサルを行い、法人向けの従業員教育や、識学を活用したプラットフォームを提供しています。
2019年の事業会社で1番目の上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://corp.shikigaku.jp/introduction)
同社は2015年に現社長の安藤広大氏が創業した会社です。同社は組織運営に活用できる独自理論「識学」を活用した組織マネジメント及びコンサルティングを事業として行っています。
識学は、人の意識構造を分析し、行動を阻害する誤解や錯覚の発生原因を研究した理論です。同社はこの識学を独自開発し、企業の従業員トレーニングに活用することで、組織のビルドアップに努めてきました。
同社のビジネスは識学を活用したマネジメントコンサルティングと、識学を習得するためにトレーニング等を行うことができる「識学クラウド」の提供を行うプラットフォームサービスを行っています。
現在プラットフォームサービスを利用している会社は2018年11月末現在で122社となっており、今後も伸びることが想定されます。
上場によって資金調達を行い、全国展開や大手企業への導入促進、スポーツチーム等での活用や個人の方が通えるビジネススクールの開設を目論んでいます。
売上や成長性は?
2016年2月期 | 2017年2月期 | 2018年2月期 | |
売上高(百万円) | 120 | 318 | 755 |
経常利益(百万円) | 3 | △8 | 69 |
当期純利益(百万円) | 2 | △7 | 42 |
純資産額 (百万円) | 2 | 46 | 77 |
BPS(円) | 238,030 | 21 | 36 |
EPS(円) | 188,030 | △3 | 19 |
自己資本比率(%) | 8.1 | 26.5 | 20.8 |
ROE(%) | 130.6 | – | 68.9 |
配当性向(%) | ₋ | ₋ | ₋ |
同社は2015年に創業したばかりですので、業績を単純に比較することはできませんが、着実に成長させています。配当については内部留保優先のため無配が予想されています。
公募株数 | 総数330,000株 (内、公募240,000株、売出90,000株) |
OA分 | 49,500株 |
発行済み株数 | 2,440,000株 |
想定価格 | 1,640円(100株単位・16万円) |
仮条件 | 1,640円~1,800円 |
初値予想 | 3,000円~5,000円 |
想定PER | 約95倍 |
想定PBR | 約9倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 40億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は6億円と非常に小さいため、大幅な高騰が見込めそうです。コンサル業務という業務柄、利益率が比較的高いことが想定されるため、高PERではあるものの大きく上昇する可能性を秘めています。また2019年事業会社1社目のIPOとなるため、ご祝儀相場も期待できます。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
安藤 広大 | 37.31% | 180日間 |
福冨 謙二 | 25.95% | 180日間 |
(株)ARS | 16.60% | 180日間 |
K&Pパートナーズ2号投資事業有限責任組合 | 10.48% | 90日間or1.5倍 |
梶山啓介 | 1.92% | 180日間 |
(株)ベクトル | 1.22% | |
Team Energy(株) | 0.96% | 180日間 |
(株)五十畑 | 0.96% | 180日間 |
REGAIN GROUP(株) | 0.96% | 180日間 |
(株)チェンジ | 0.96% | 180日間 |
同社の大株主は社長の安藤広大氏が筆頭株主で、資産管理会社を含めると過半数を有しています。また上場会社やVC等を含め複数社が同社に出資しています。
売出は安藤社長と株主2位の福冨氏の2名となっており、9万株の売出です。大株主の大半には上場後180日のロックアップがかかっており、VCには90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっているため、50%以上の上昇まではファンドの売りはないといえます。
ただし今回の公募価格を踏まえると5,000円近くの株価がつく可能性があるため、エグジットによる株価影響は少ないかもしれません。
公募によって調達する3.6億円は識学の認知度を高めるためのウェブマーケティングや、TVCM等の広告宣伝費、優秀な人材の確保に向けた採用費に充てられる予定です。事業拡大のための資金としての用途のため、健全なIPOといえましょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「識学」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SMBC日興証券 | 91.30% | 346,500株 |
幹事 | SBI証券 | 2.61% | 9,900株 |
マネックス証券 | 1.74% | 6,600株 | |
楽天証券 | 1.74% | 6,600株 | |
松井証券 | 0.87% | 3,300株 | |
いちよし証券 | 0.87% | 3,300株 | |
エース証券 | 0.87% | 3,300株 |
今回はSMBC日興証券が主幹事を務めます。その他はネット証券が多く名を連ねます。他のIPOに比較すると個人が獲得しやすい案件ですが、獲得確率は低いでしょう。
著者のまとめ
2019年第一弾の事業会社IPOとなります。創業3年程の同社ですが、独自性の高い「識学」を生かしたビジネスコンサルティングを行っているなど、他社との差別化が図れています。
世界的には株式市場が混とんとしていますが、IPO市場においては引き続き注目が集まっているため、同社の上場には大いに注目が集まることでしょう。
またご祝儀相場となる様相がありますので、初値に関しては問題なく上昇することが想定されます。