2019年12月19日に東証マザーズ市場へ上場する「SREホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
SREホールディングスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
SREホールディングス |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
2980 |
事業内容 |
不動産事業、ITプラットフォーム事業、AIソリューション事業 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2014年 |
従業員 |
115名 |
会社HP |
https://sre-group.co.jp/ |
監査法人 |
PwCあらた |
上場日 |
2019年12月19日(木) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2019年12月4日(水)~2019年12月10日(火) |
価格決定日 |
2019年12月11日(水) |
購入申込期間 |
2019年12月12日(木)~2019年12月17日(火) |
同社は不動産仲介および不動産テック事業を行う会社です。
ソニーの子会社としてスタートした同社ですが、不動産テックの時流に乗っかった会社であり、また着実に業容を伸ばしています。今回は上場子会社の上場となります。
どんなことをしている会社なの?
同社は2014年にソニーの100%子会社「ソニー不動産」として設立しました。2015年にヤフー(現Zホールディングス)に対して第三者割当増資を行い、共同で事業拡大を図ってきました。
同社の事業は不動産事業を中心としており、ソニーが有するAI/ITテクノロジーとヤフーが持っている膨大なデータトラフィックを基盤に、「ITプラットフォーム事業」および「AIソリューション事業」と、不動産とITを組み合わせた独自な事業展開を行っています。
メインの不動産事業では、不動産仲介サービスとIoT製品搭載マンション「AIFLAT」の販売を行っています。また、ITプラットフォーム事業では不動産売買プラットフォーム「おうちダイレクト」を展開しており、AIソリューション事業では、不動産事業者を対象にAIクラウドの提供を行っています。
事業の特徴としては、AI技術を活用した不動産売買価格推定エンジン「不動産価格推定エンジン」を不動産仲介サービスにて提供、また不動産仲介事業では「エージェント制」を取ることで、不動産の売り手と買い手双方に立たずに片方の利益を追求することができるメリットを持っています。
その他ソニーグループのソリューションを活用することで付加価値の高いサービスを提供しています。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
227 |
1,168 |
2,067 |
2,597 |
2,896 |
経常利益(百万円) |
△312 |
△427 |
△90 |
196 |
435 |
当期純利益(百万円) |
△315 |
△485 |
△228 |
300 |
260 |
純資産額 (百万円) |
530 |
2,846 |
2,619 |
2,919 |
3,179 |
BPS(円) |
36,201 |
62,170 |
57,199 |
213 |
231 |
EPS(円) |
△30,064 |
△13,026 |
△4,972 |
22 |
19 |
自己資本比率(%) |
70 |
85.4 |
80.8 |
81.8 |
77.2 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
10.9 |
8.5 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は着実に伸ばしています。売上高は右肩上がりに伸ばしており、利益も3期前より黒字化に成功しています。尚2020年3月期2Q(2019年9月末)売上高は1,390百万円、経常利益は263百万円と前年値に比べ進捗が遅れています。配当はこれまで無配で、内部留保の拡充を図るため引き続き無配を予定しています。
公募株数 |
総数4,484,600株 (内、公募1,400,000株、売出3,084,600株) |
OA分 |
672,600株 |
発行済み株数 |
15,128,000株 |
想定価格 |
2,975円(100株単位・30万円) |
仮条件 |
2,550円~2,650円 |
初値予想 |
2,400円~2,700円 |
想定PER |
約173倍 |
想定PBR |
約6倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
450億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は153億円で、時価総額が450億円と東証マザーズ上場銘柄としては中規模案件です。吸収額が大きいため胃もたれ感のある上場銘柄となりそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
ソニー(株) |
53.01% |
180日間 |
Zホールディングス(株) |
41.16% |
180日間 |
西山 和良 |
2.61% |
180日間 |
角田 智弘 |
0.43% |
180日間 |
河合 通恵 |
0.35% |
|
青木 和大 |
0.29% |
180日間 |
喜志 武弘 |
0.22% |
180日間 |
清水 卓 |
0.21% |
180日間 |
上出 昇 |
0.21% |
180日間 |
久々湊 暁夫 |
0.12% |
|
同社の大株主は、ソニーで同社株の53%を保有する大株主です。2位は元ヤフーのZホールディングスで41%を保有しています。現時点ではソニーの連結子会社となりますが、上場企業2社が分け合って保有する形をとっています。その他は同社の役員および従業員です。
今回の売出はZホールディングスとソニーで、3,084,600株の売出を行います。
公募は38億円の資金調達で、AI技術のための研究開発費やソフトウェア開発費用、不動産ビジネスのための人材採用費や人件費、メディアを通じた広告宣伝費等に充当する予定です。大半の大株主には180日のロックアップ条項がついています。売出もソニーとZホールディングスのみで上場後のエグジットリスクはほぼありません。今回の販売株数の内、1,337,400株は欧州およびアジアの投資家向けに販売されます。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件となります。上場後はソニーの持ち株比率が44.5%、Zホールディングスが25.9%となり、ソニーの連結子会社から外れます。
流通株数を考えると初値高騰は見込みにくい案件です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「SREホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
83.53% |
3,190,700株 |
大和証券 |
9.06% |
346,100株 |
|
幹事 |
SBI証券 |
4.12% |
157,300株 |
野村證券 |
2.47% |
94,300株 |
|
マネックス証券 |
0.41% |
15,700株 |
|
楽天証券 |
0.41% |
15,700株 |
今回の主幹事はSMBC日興証券と大和証券が共同主幹事を務めます。またSBI証券を含めた4社が幹事を務めます。
著者のまとめ
ソニーの子会社として不動産とAIを絡めた事業展開を行ってきました。事業に対する面白みはあるものの、事業の成長性がやや鈍化している点は気になるところです。初値については公募割れリスクもあるサイズ感ですので、慎重に行きたいところです。