2019年12月18日に東証マザーズ市場へ上場する「JTOWER(ジェイタワー)」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
JTOWERの上場日は!?期待度は?
企業名 |
JTOWER(ジェイタワー) |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4485 |
事業内容 |
国内外における通信インフラシェアリングおよびその関連ソリューションの提供 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2012年 |
従業員 |
100名 |
会社HP |
https://www.jtower.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2019年12月18日(水) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2019年12月3日(火)~2019年12月9日(月) |
価格決定日 |
2019年12月10日(火) |
購入申込期間 |
2019年12月11日(水)~2019年12月16日(月) |
同社は携帯通信設備のインフラシェアリングを展開する会社です。
携帯キャリア向けビジネスで非常に重要な役割を担っている同社の上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.jtower.co.jp/service/indoor/)
同社は2012年に田中敦史現社長によって設立された会社です。田中社長はゴールドマンサックス証券出身で、現在ソフトバンクの子会社となった旧イー・アクセスの創業に参画し、その後イー・モバイル社のCFOとして活躍した経験をお持ちです。退職後すぐに同社を創業しました。
同社は「施設内の携帯インフラのシェアリング事業」を行っており、別名IBS(イン・ビルディング・ソリューション)事業と呼ばれている事業です。主に商業施設やオフィスビルなどの大型施設において、携帯インフラの設備を共用一本化し、携帯キャリアにシェアリングするという事業となっています。
通常携帯各キャリアは、自社の電波を発信するために自社設置のアンテナに投資を行い、エリアの拡大を行っていますが、大型施設の場合においては電波の入りが悪くなるため、解消すべくキャリアが各自自社アンテナ等の設置を行っていました。
しかしながら、それぞれ無駄な設備投資が必要となっているため、携帯キャリアの悩みの種でした。そこで同社が持ちだしたのが、共用設備を同社が設置し、携帯キャリアにシェアリングで貸し出す形です。設備投資が簡略化されるため、施設オーナーとしても消費電力削減に繋がり、携帯キャリアとしても無駄な設備投資が不要となる点から三方よしの事業となります。
携帯キャリア以外にもWi-Fi設備のシェアリングなどを行っています。売上ですが、国内が63%程ですが、ベトナムでの事業売上が33%と高い比率を有しており、海外での事業展開も引き続き進めているところです。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
56 |
59 |
166 |
757 |
1,378 |
経常利益(百万円) |
△141 |
△163 |
△260 |
△479 |
△167 |
当期純利益(百万円) |
△142 |
△164 |
△270 |
△578 |
△215 |
純資産額 (百万円) |
364 |
500 |
630 |
2,210 |
2,508 |
BPS(円) |
△10,375 |
△19,492 |
△345 |
△167 |
△209 |
EPS(円) |
△7,895 |
△9,117 |
△150 |
△80 |
△30 |
自己資本比率(%) |
92.8 |
80.6 |
44.4 |
24.1 |
21 |
ROE(%) |
△60.4 |
△37.9 |
△47.7 |
△50.3 |
△15.9 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は成長段階にあると言えます。直近2期で急激に業績を伸ばしていますが、設備投資を優先しているため黒字化の目途が立っていません。なお 2020年3月期2Q(2019年9月末)売上高は1,096百万円、経常利益は35百万円の赤字で、売上は今期も最高益を記録しそうです。配当は赤字状態が続いているため引き続き無配です。
公募株数 |
総数5,893,300株 (内、公募2,987,000株、売出2,906,300株) |
OA分 |
883,900株 |
発行済み株数 |
19,354,472株 |
想定価格 |
1,550円(100株単位・16万円) |
仮条件 |
1,550円~1,600円 |
初値予想 |
1,600円~2,000円 |
想定PER |
約-倍 |
想定PBR |
約4倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
299億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は105億円で、時価総額が299億円と東証マザーズ上場銘柄としては比較的大きめの案件です。事業の将来性は見える一方、同日上場のBuySell Technologiesやユナイトアンドグロウがあるなど初値で買いを集めにくいリスクが高まっています。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)カルティブ |
29.14% |
180日間 |
日本電信電話(株) |
21.21% |
180日間 |
田中 敦史 |
10.69% |
180日間 |
JA三井リース(株) |
6.85% |
180日間 |
三菱UFJキャピタル4号投資事業有限責任組合 |
5.33% |
90日間or1.5倍 |
日本郵政キャピタル(株) |
4.91% |
|
アイティーファーム・のぞみ投資事業有限責任組合 |
3.33% |
90日間or1.5倍 |
(株)INCJ |
2.70% |
|
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 |
2.66% |
90日間or1.5倍 |
SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合 |
2.66% |
90日間or1.5倍 |
同社の大株主は、田中社長の資産管理会社である㈱カルティブで同社株の29%を保有する大株主です。田中社長個人の11%を合算すると40%程度を保有する大株主です。その他は、NTT(日本電信電話)が21%を保有する大株主2位で、その他事業会社やファンドなど多くの投資家から買いを集めていました。
今回の売出は資産管理会社およびファンド等13者が実施し、2,906,300株の売出を行います。
公募は42億円の資金調達で、国内IBS事業拡大のための通信設備設置費用やタワー事業への設備投資、借入金の返済等に充当する予定です。大半の大株主には180日もしくは、90日および公開価格1.5倍のロックアップ条項がついています。大株主にファンドが多いため株価高騰時のエグジットリスクはあります。
今回は公募と売出が拮抗し、やや資金調達案件となります。事業拡大には通信設備の設置が必要不可欠であるため、資金調達を行うべくIPOをしてきた形です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「JTOWER」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
88.45% |
3,424,100株 |
大和証券 |
7.72% |
298,700株 |
|
幹事 |
みずほ証券 |
1.54% |
59,600株 |
野村證券 |
0.77% |
29,800株 |
|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
0.38% |
14,800株 |
|
SBI証券 |
0.38% |
14,800株 |
|
楽天証券 |
0.38% |
14,800株 |
|
マネックス証券 |
0.23% |
8,900株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.15% |
5,900株 |
今回の主幹事はSMBC日興証券と大和証券が共同主幹事を務めます。またみずほ証券を含めた7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
国内外で通信設備のシェアリング事業を行うなど独自性の強い事業展開を行うなど、非常に関心が高まっている案件です。ただし規模の点や、同日上場銘柄が他2銘柄あるなど、初値高騰は見込みにくいです。
5G関連銘柄ですのでようすを見つつ投資を行っていきたいものです。
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