2019年3月19日に東証2部市場へ上場する「KHC(ケイエイチシー)」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
KHCの上場日は!?期待度は?
企業名 | KHC(ケイエイチシー) |
上場市場 | 東証2部市場 |
銘柄コード | 1451 |
事業内容 | 事業子会社5社(戸建注文請負、土地仕入および販売、建売住宅の販売、建築物の設計・施工管理など)の経営管理をおこなう持ち株会社 |
所在地 | 兵庫県明石市 |
設立 | 1981年 |
従業員 | 147名 |
会社HP | https://www.khc-ltd.co.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2019年3月19日(火) |
主幹事 | 野村證券 |
BB期間 | 2019年3月1日(金)~2019年3月7日(木) |
価格決定日 | 2019年3月8日(金) |
購入申込期間 | 2019年3月11日(金)~2019年3月14日(木) |
同社は兵庫県を拠点とする住宅メーカーを傘下に有する持株会社です。
自社で複数ブランドを有した「マルチブランド戦略」によってグループとして拡大してきました。親会社は上場会社である日本アジアグループであり、今回は親子上場案件となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.khc-ltd.co.jp/)
同社は1981年に兵庫県明石市にて前田昭雄氏が設立した勝美住宅が起源です。創業来不動産仲介と住宅請負を事業の柱として行ってきており、兵庫県の播磨エリア(姫路、加古川、明石)中心に子会社を設立し拡大していきました。
2005年に上場会社の日本アジアグループに買収され、その後は日本アジアグループの一員として子会社を再編しながら成長してきました。
同社はグループ内で複数の住宅ブランドを持つ「マルチブランド戦略」を取っており、子会社の勝美住宅、受託の横綱大和建設、明石住建、パル建設、Laboの5社それぞれ独自ブランドを持っています。顧客のニーズに合わせたブランドを提供できるように体制づくりがなされています。
また設計と工事管理はLabo、土地仕入れは勝美住宅とグループ内で棲み分けと共有ができているため、ドミナント戦略に近い効果を発揮できる企業体質となっています。
今後は神戸より東の大阪エリアまで拡大していく予定です。
今回の上場は100%株主である日本アジアグループの売出がメインとなっているIPO案件です。
売上や成長性は?
2014年3月期 | 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | |
売上高(百万円) | 775 | 846 | 823 | 12,065 | 13,506 |
経常利益(百万円) | 374 | 478 | 453 | 723 | 800 |
当期純利益(百万円) | 342 | 443 | 417 | 466 | 504 |
純資産額 (百万円) | 5,155 | 5,200 | 5,219 | 4,723 | 4,825 |
BPS(円) | 13,766 | 13,886 | 13,937 | 1,274 | 1,302 |
EPS(円) | 912 | 1,183 | 1,114 | 126 | 136 |
自己資本比率(%) | 79 | 82.8 | 87.6 | 31.9 | 34.3 |
ROE(%) | 6.7 | 8.6 | 8 | 8.1 | 10.6 |
配当性向(%) | 118.4 | 87.9 | 115.8 | 533 | 39.3 |
業績については、2017年3月期より連結決算となっており、急激に売上高を伸ばしています。利益については2016年3月期のみ減益となっているものの、上昇方向にありますので心配はないでしょう。配当については100%株主であった日本アジアグループは投資が会社であるため配当利回りは高く運営されていたようです。上場後も高配当が見込めそうで、4%を超える配当利回りが期待できます。
公募株数 | 総数1,534,000株 (内、公募200,000株、売出1,334,000株) |
OA分 | 230,000株 |
発行済み株数 | 3,906,550株 |
想定価格 | 850円(100株単位・9万円) |
仮条件 | 800円~850円 |
初値予想 | 850円~900円 |
想定PER | 約7倍 |
想定PBR | 約0.7倍 |
配当利回り | 約4.6% |
想定時価総額 | 33億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は15億円で、時価総額が33億円と大きくありません。株価として割安感があるためある程度値崩れはしにくいイメージがありますが、大株主の売出がメインとなっているため、人気化は難しそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
日本アジアグループ(株) | 100.00% | 90日間 |
同社の大株主は上場企業の日本アジアグループで同社株100%を有する完全子会社でした。
売出は日本アジアグループで、133.4万株の売出です。大株主90日のロックアップがかかっていますので、3か月のエグジットの可能性は低いです。またその後も引き続き日本アジアグループが経営を担うことが予想されますので、株式比率は大きく変わらないでしょう。
公募は1.5億円の資金調達で、勝美住宅によって行われる土地の仕入れを行うための運転資金に充当される予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「KHC」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 野村證券 | 93.05% | 1,641,400株 |
幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 4.35% | 76,700株 |
SBI証券 | 1.73% | 30,600株 | |
藍澤證券 | 0.87% | 15,300株 |
今回は野村證券が主幹事を務めます。今回は幹事会社が少ないため獲得できる証券会社は限られますが、比較的獲得できる可能性は高いでしょう。
著者のまとめ
上場案件としては親子上場案件に関しては厳しくなることが想定されますが、今回の案件は「投資目的」を大きい日本アジアグループによるエグジットであるため、ファンドエグジットに近いIPOと言えます。
兵庫県をターゲットとしている住宅メーカーであり、エリアに特化している分収益性の高い経営ができているといえます。
近年は不動産関連銘柄に厳しい目があるものの、同社は比較的地方の住宅に特化しているため、そこまで心配はいらないでしょう。
高配当銘柄ではあるので期待して投資するのもよいでしょう。