2020年2月7日に東証マザーズ市場へ上場する「ジモティー」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ジモティーの上場日は!?期待度は?
企業名 |
ジモティー |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7082 |
事業内容 |
クラシファイドサイト『ジモティー』の企画・開発・運営 |
所在地 |
東京都品川区 |
設立 |
2011年 |
従業員 |
49名 |
会社HP |
https://jmty.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年2月7日(金) |
主幹事 |
大和証券 |
BB期間 |
2020年1月23日(木)~2020年1月29日(水) |
価格決定日 |
2020年1月30日(木) |
購入申込期間 |
2020年1月31日(金)~2020年2月5日(水) |
同社は地域コミュニティをつなぐマッチングサイト「ジモティー」を運営する会社です。
CM等により不用品のマッチングサイトとして有名になった同社の上場となります。2020年最初の上場案件で、東証JQに上場するコーユーレンティアと同日上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://jmty.co.jp/)
同社は2011年に創業した会社です。事業内容は「クラシファイドサービス」という、地域分類の募集広告や告知をインターネット上で行える形のサービスを創業来提供しています。
同社の社目である「ジモティー」は、地域の情報が投稿形式で掲載することができ、各都道府県、各市町村に区分けしたコミュニティサイトです。
ジモティーが提供しているカテゴリーは「不用品の売買・譲渡」、「メンバー募集」、「イベント集客」など地域コミュニティをつなぐものを中心に取り交わしています。
中でも、不用品の売買や譲渡については、地域のつながりを作るためのきっかけにも寄与しており、CM等の影響から利用者数を伸ばしています。
不用品の売買については、同社が間に入り資金決済を行わず、顧客同士がそれぞれサイト上で連絡を取り合い直接会って取引する形を取っているため、取引量の増減に業績が左右しにくい特徴があります。
また、同社のビジネスモデルはサイトおよびアプリ上に表示される広告のクリック収入や成果報酬をベースとしているため、利用者数の増加に伴い業績が向上するモデルとなっています。
上場後はメディア露出やCM等によって認知度を上げ、広告収入を増加させる方針です。
売上や成長性は?
|
2014年12月期 |
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
売上高(百万円) |
58 |
122 |
340 |
660 |
984 |
経常利益(百万円) |
△104 |
△327 |
△687 |
△381 |
7 |
当期純利益(百万円) |
△104 |
△327 |
△689 |
△412 |
19 |
純資産額 (百万円) |
179 |
451 |
863 |
255 |
274 |
BPS(円) |
64 |
△39 |
△161 |
△301 |
△297 |
EPS(円) |
△41 |
△89 |
△154 |
△82 |
4 |
自己資本比率(%) |
92.7 |
75.8 |
89.3 |
71.5 |
66.9 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
7.2 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績はまずまずの成長です。5期間で売上高は右肩上がりに伸び、利益面も前期末より黒字に転換しています。尚、2019年12月期3Q(2019年9月末)売上高は936百万円、経常利益は152百万円と、過去最高業績を記録しそうです。配当はこれまで無配で、内部留保を優先するため当面無配を予定しています。
公募株数 |
総数1,270,700株 (内、公募50,000株、売出1,220,700株) |
OA分 |
190,600株 |
発行済み株数 |
5,641,365株 |
想定価格 |
960円(100株単位:10万円) |
仮条件 |
960円~1,000円 |
初値予想 |
1,500円~2,800円 |
想定PER |
約286倍 |
想定PBR |
約17倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
54億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は14億円で、時価総額が54億円とマザーズ上場銘柄としては小ぶり規模案件です。ただし吸収額が小さくないため市場の評価は割れるでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)オプトホールディング |
30.68% |
90日間or1.5倍 |
(株)NTTドコモ |
16.22% |
90日間or1.5倍 |
(株)プロトコーポレーション |
10.71% |
90日間or1.5倍 |
IVP Fund Ⅱ A,L.P. |
9.32% |
90日間or1.5倍 |
加藤 貴博 |
8.71% |
180日間 |
EEIクリーンテック投資事業有限責任組合 |
5.49% |
90日間or1.5倍 |
IVP Fund Ⅱ B,L.P. |
4.91% |
90日間or1.5倍 |
(株)LIFULL |
4.29% |
90日間or1.5倍 |
EEIスマートエナジー投資事業有限責任組合 |
4.02% |
90日間or1.5倍 |
ジャパンベストレスキューシステム(株) |
2.14% |
90日間or1.5倍 |
同社の大株主は、2014年に資本参加した上場会社のオプトホールディングで同社株の30.7%を保有しています。代表取締役社長の加藤貴博氏は8.7%しか持っておらず、ほか大株主ではNTTドコモが16.2%、創業時から株主でもあるIVPファンドが14.2%、プロトコーポレーションが10.7%と株主は分散しています。
今回の売出はオプトホールディングとIVPファンド2本の3者で、1,220,700株の売出を行います。
公募は0.42億円の資金調達で、本社移転費用やシステム構築資金、サーバー費用、人材採用費等に充当する予定です。大株主の大半には90日もしくは1.5倍のロックアップが掛かっており、初値割れのリスクは低いでしょう。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、大株主の資金獲得の動きが大きく見て取れるため、あまり大きな期待は持てない案件です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ジモティー」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
大和証券 |
91.32% |
1,334,500株 |
幹事 |
みずほ証券 |
6.08% |
88,900株 |
SBI証券 |
0.87% |
12,700株 |
|
藍澤證券 |
0.43% |
6,300株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.43% |
6,300株 |
|
松井証券 |
0.43% |
6,300株 |
|
いちよし証券 |
0.43% |
6,300株 |
今回の主幹事は大和証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
2020年一発目のIPOは同社含め2社同時上場となります。コーユーレンティアに比べ、一般向けの知名度の高い同社ですが、収益性についてはまだ不安定要素が強く、大幅な初値が狙えるか心配です。公募価格の1.5倍以上のタイミングでの値動きに注意したいところです。