2021年6月29日に東証マザーズ市場へ上場する「BlueMeme(ブルーミーム)」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
BlueMemeの上場日は!?期待度は?
同社はシステム開発及びコンサルティングを行う会社です。
システム開発案件の上場会社が多いものの、ローコード技術とアジャイル手法を組み合わせた独自性の高いシステム開発や、付随したソフトウェアの提供を行なっており、注目されている会社の上場です。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | BlueMeme(ブルーミーム) |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4069 |
事業内容 | ローコードとアジャイルを活用したシステム受託開発・コンサルティングなどサービスの提供およびOutSystemsなどのソフトウェアライセンス販売」 |
所在地 | 東京都千代田区 |
設立 | 2006年 |
従業員 | 67名 |
会社HP | https://www.bluememe.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2021年6月29日(火) |
主幹事 | 東海東京証券 |
BB期間 | 2021年6月14日(月)~ 2021年6月18日(金) |
価格決定日 | 2021年6月21日(月) |
購入申込期間 | 2021年6月22日(火)~ 2021年6月25日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.bluememe.jp/development/)
同社は2006年に創業した会社で、創業来システム開発を手掛けてきました。
2009年より、アジャイル・ローコード事業を開始し、以後ローコード開発市場の第一線を走ってきました。
ローコード開発は、プログラマーの作業を自動化して開発を行う手法で、これまでエンジニアが設計した設計書に基づきプログラマーがプログラミングしてきた開発手法より先に進んだ開発方法です。
2012年にローコード開発基盤を有するOutSystemsの販売代理店契約を締結し、日本においてローコード開発ソフトウェアを提供できる体制となっています。
同社ではローコード開発とアジャイル手法に特化したシステム開発受託を行なっており、迅速なシステム開発のために独自プロジェクト管理手法『AGILE―DX』を用いて、クライアントのニーズに合わせたシステム開発を行なっています。
これまで様々な開発案件に携わっていますが、いずれも少人数チームで対応しており、最先端のシステム開発を少人数で行える体制を構築している点が同社の強みと言えます。
同社のエンジニアは、同業他社に比べプロフェッショナル人材が多いという特徴がありますが、一方で優秀なエンジニアを増加させる必要もあるため、今回の上場によって人材確保に寄与したいという意向が伺えます。
2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
売上高(百万円) | 419 | 691 | 765 | 1,497 | 1,800 |
経常利益(百万円) | 37 | △20 | 3 | 86 | 31 |
当期純利益(百万円) | 41 | △27 | 1 | 61 | 11 |
純資産額 (百万円) | 101 | 106 | 287 | 348 | 359 |
BPS(円) | △23,549 | △298 | △407 | △174 | △169 |
EPS(円) | 6,237 | △34 | 1 | 30 | 5 |
自己資本比率(%) | 29 | 28 | 39 | 34.2 | 28.2 |
ROE(%) | 53.7 | – | 0.5 | 19.3 | 3 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は成長過程にあると言えます。2019年3月期より連結決算となっており、単純比較はできませんが、売上高は右肩上がりに成長させています。一方で利益は上下しており、先行投資が影響しているものと推測できます。
尚、2021年3月期3Q(2020年12月)の売上高は1,508百万円、経常利益は90百万円となっており、既に利益面では前期を上回っています。
配当はこれまで無配で、上場後も内部留保を確保を優先するため無配方針です。
公募株数 | 総数856,000株 (内、公募450,000株、売出406,000株) |
OA分 | 128,400株 |
発行済み株数 | 3,199,946株 |
想定価格 | 2,510円(100株単位:25万円) |
仮条件 | 2,400円 ~2,820円 |
初値予想 | 2,820円 ~4,000円 |
想定PER | 約761倍 |
想定PBR | 約6倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 80億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は24.7億円で、時価総額が80.3億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。業界としては評価を受けるものの、株価水準が極めて割高であるため、初値高騰は見込めないでしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
インテック・アイティ2号投資事業有限責任組合 | 27.20% | 90日間or1.5倍 |
松岡 真功 | 14.90% | 180日間 |
BMトラスト(株) | 11.82% | 180日間 |
MICイノベーション4号投資事業有限責任組合 | 9.64% | 90日間or1.5倍 |
辻口 真理子 | 5.67% | 180日間 |
モバイルクリエイト(株) | 4.82% | 180日間 |
朱 未 | 3.89% | 180日間 |
市川 玲 | 3.17% | 180日間 |
情報技術開発(株) | 2.89% | 180日間 |
原田 実 | 1.93% |
同社の株主構成ですが、上場会社であるTISインテックグループのVCが筆頭株主で、同社株の27%を有しています。2番目は松岡社長で15%を有しています。その他は、役員・従業員のほか、事業会社やVCが大株主です。
今回の売出は、インテックVCを含め計6者で、計406,000株の売出を行います。
今回は公募で10億円の資金調達を行い、調達資金は優秀なエンジニアの確保のための人材採用費・人件費等社内体制構築に充てる予定です。
尚、大株主の大半には180日のロックアップがかかっていますが、VCには90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっているため、初値高騰後のエグジットには注意が必要です。
今回は公募が売出をやや上回る資金調達案件です。事業柄人材採用に力を入れる必要があるため、必要な投資として評価を受けるでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「BlueMeme」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 東海東京証券 | 88.68% | 873,000株 |
幹事 | 野村證券 | 4.35% | 42,800株 |
大和証券 | 2.61% | 25,700株 | |
みずほ証券 | 2.61% | 25,700株 | |
SBI証券 | 0.87% | 8,600株 | |
東洋証券 | 0.44% | 4,300株 | |
水戸証券 | 0.44% | 4,300株 |
今回の主幹事は東海東京証券が主幹事を務めます。その他を野村證券含めた6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日に他2社の上場を控えているため、資金が分散することを想定すると初値高騰は難しいと思われます。一方で、事業としては独自性を有しているため、上場後の値動きには期待できそうです。