2021年3月18日に東証マザーズ市場へ上場する「i-plug[アイ プラグ]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
i-plugの上場日は!?期待度は?
同社は新卒向けのダイレクトリクルーティングサービスを提供している企業です。
コロナ禍によってオンラインによる就職活動を行う学生が増えており、ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」を提供する同社への注目が非常に高まっているところです。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | i-plug[アイ プラグ] |
上場市場 | 東証マザーズ |
銘柄コード | 4177 |
事業内容 | 新卒ダイレクトリクルーティングサービス『OfferBox』の運営 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
設立 | 2012年 |
従業員 | 166名 |
会社HP | https://i-plug.co.jp/ |
監査法人 | あずさ |
上場日 | 2021年3月18日(木) |
主幹事 | 大和証券 |
BB期間 | 2021年3月3日(水)~ 2021年3月9日(火) |
価格決定日 | 2021年3月10日(水) |
購入申込期間 | 2021年3月11日(木)~ 2021年3月16日(火) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://i-plug.co.jp/)
同社は2012年に中野智哉氏を中心に設立された会社です。元々学生向け求人広告会社で勤務をしていた中野氏が、学生と企業のマッチングするための人材紹介ビジネスを進めようとしたことが同社のきっかけとなっています。
同社は主に「新卒ダイレクトリクルーティングサービス」と「適性検査サービス」で事業運営しており、特に新卒ダイレクトリクルーティングサービスは年々利用者増となっています。
同社サービスである「OfferBox」は、新卒採用に特化したダイレクトリクルーティングサービスプラットフォームで、従来の学生からエントリーしてもらい採用する「エントリー型」ではなく、学生のプロフィールから企業側よりオファーを出すことができるモデルとなっています。
学生が売り手市場となった今日の新卒市場では、企業側が優秀な人材を獲得したくても、広告等にお金をかけることができる大手企業に学生が多く群がる傾向があり、人材マッチングが円滑に進んでいない状況があります。
OfferBoxでは、学生に登録してもらい、ご自身のプロフィール情報を掲示し、企業側は情報を閲覧の上で自社にマッチした人材であるかを見極めオファーを出すことができるというモデルを取っています。学生側から費用は取らず、採用が決まった企業より成功報酬として受け取る形となっています。
OfferBoxの2021年卒業予定の学生登録数は14.5万人、登録企業数は約8,000社と年々増加しており、引き続きの成長が見込めそうです。
また、適性検査「eF-1G」の提供を行っており、194個ある測定項目によって企業ニーズにあった人材採用ができるための適性検査となっています。
コロナ禍においてオンライン就職活動が増えている中、同社プラットフォームによる需要が高まっているため、非常に期待が高まっていると言えます。
2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
売上高(百万円) | 155 | 306 | 691 | 1,349 | 1,598 |
経常利益(百万円) | △72 | △133 | 35 | 88 | 26 |
当期純利益(百万円) | △73 | △133 | 48 | 73 | △40 |
純資産額 (百万円) | △130 | △263 | 135 | 245 | 233 |
BPS(円) | △43,396 | △877 | 393 | 62 | 51 |
EPS(円) | △24,245 | △443 | 160 | 21 | △12 |
自己資本比率(%) | △91.6 | △188.0 | 20.1 | 19.6 | 11.1 |
ROE(%) | – | – | – | 43 | – |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績については、右肩上がりに成長を続けています。売上高は5期連続増収で、利益に関しても先行投資によって大きな水準ではないものの黒字化に転じています。尚、配当については創業来無配で、当面は内部留保の充実を優先するため無配を予定しています。
公募株数 | 総数511,600株 (内、公募270,000株 、売出241,600株) |
OA分 | 76,700株 |
発行済み株数 | 3,732,500株 |
想定価格 | 2,470円(100株単位:25万円) |
仮条件 | 2,470円 ~ 2,620円 |
初値予想 | 4,000円 ~ 8,000円 |
想定PER | 約-倍 |
想定PBR | 約11倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 92億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は15億円で、時価総額が92億円とマザーズ上場銘柄としては中型案件です。売出を含めて需給がタイトのため初値高騰が見込めるでしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
中野 智哉 | 62.90% | 180日間 |
山田 正洋 | 10.62% | 180日間 |
ニッセイ・キャピタル8号投資事業有限責任組合無限責任組合員 ニッセイ・キャピタル(株) | 8.17% | 90日間or1.5倍 |
田中 伸明 | 5.72% | 180日間 |
直木 英訓 | 2.81% | 180日間 |
おおさか社会課題解決投資事業有限責任組合無限責任組合員 フューチャーベンチャーキャピタル(株) | 1.70% | 90日間or1.5倍 |
りそなキャピタル4号投資事業組合 業務執行組合員 りそなキャピタル(株) | 1.02% | 90日間or1.5倍 |
(株)シタシオンストラテジックパートナーズ | 1.02% | 180日間 |
阪田 貴郁 | 1.00% | |
青木 崇 | 0.88% | 180日間 |
同社の大株主は創業者であり代表取締役である中野智哉氏で、過半数越えの63%を有しています。その他経営陣や従業員の他VC等が名を連ねています。
売出は中野社長を含め4者で、241,600株の売出です。大株主の大半には上場後180日及び90日または公募価格1.5倍のロックアップがかかっていますので、初値高騰後のエグジットリスクには注意が必要です。
今回は売出が公募をやや上回るエグジット案件ですが、流動性の確保が必要であるため最低限のエグジットであると言えます。今後の期待感が非常に高いため、初値高騰が大いに期待できそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「i-plug」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 大和証券 | 91.33% | 537,300株 |
幹事 | みずほ証券 | 4.33% | 25,500株 |
SBI証券 | 0.87% | 5,100株 | |
岡三証券 | 0.87% | 5,100株 | |
いちよし証券 | 0.87% | 5,100株 | |
マネックス証券 | 0.87% | 5,100株 | |
松井証券 | 0.87% | 5,100株 |
今回は大和証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含め6社が幹事として名を連ねます。
著者のまとめ
新卒の就職活動は毎年発生するイベントであり、その点に着目したビジネスとして非常に注目されている会社のIPOとなります。初値高騰は多いに見込めそうですので、上場後も注目していきたいところです。