2017年10月30日に東証インフラファンド市場へ上場する「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の上場日は!?期待度は?どんな会社なの?
企業名 |
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 |
上場市場 |
東証インフラファンド市場 |
銘柄コード |
9284 |
事業内容 |
太陽光発電 |
所在地 |
東京都新宿区 |
設立 |
2017年 |
従業員 |
不明 |
会社HP |
https://canadiansolar.co.jp/ |
監査法人 |
太陽光発電 |
上場日 |
2017年10月30日(月) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2017年10月13日(金)~2017年10月19日(木) |
価格決定日 |
2017年10月20日(金) |
購入申込期間 |
2017年10月23日(月)~2017年10月26日(木) |
2015年4月に「太陽光発電施設および港湾施設等のインフラを対象とする投資法人」を上場対象とする東証インフラファンド市場が開設されました。
従来インフラ施設などはインフラ企業を中心に行政が維持・更新・新規投資を行ってきましたが、財政上の理由で不十分な事態が起きておりました。しかしながらインフラビジネスは政府・行政より安定した収益を獲得することができるという「安定的な収益確保」が可能であるという側面もあります。
そこで不動産投資のREITと同様の形で「インフラ」に着目したものが「インフラファンド」となります。同社はインフラファンドとして4番目の上場となります。
インフラファンドはREITと同様にその投資対象を管理する「投資法人」を有しておりますが、インフラファンドの場合には実際にインフラを運営する「オペレーター」によってインフラの収益獲得を依頼するという形態を取っております。従って運営するインフラ企業のオペレーション次第では収益が多少上下する可能性もあります。
同投資法人はアメリカ・ナスダック市場に上場している太陽電池の専業メーカーである「米・カナディアン・ソーラー」の日本法人である「カナディアン・ソーラー・ジャパン」が運営する太陽光発電所が投資対象となります。
日本国内13箇所のカナディアン・ソーラー・ジャパンが運営している太陽光発電所を同投資法人が投資し、収益を年2回の配当として払い出す形を取ります。太陽光発電ですので日射時間の問題等もありますが、電力会社等に発電した電気を比較的一定額で買取してもらえるため、ある程度見込む売電収入を獲得し続けることができるので、非常に安定した配当収入を得られる可能性が高いです。
インフラファンドは株式のように売買できるため需給で金額が決まってしまいますが、このように比較的安定的な収益を獲得できることが想定されるので長期投資には向いているでしょう。
どんなことをしている会社なの?
同投資法人は上記のような関係図となっており、メインスポンサーとなる「カナディアン・ソーラー・ジャパン」の子会社である「カナディアン・ソーラー・プロジェクト」がオペレーターとなり、太陽光発電所の運営を行っていきます。
太陽光発電によって発電された電気を電力会社等に売電することによって収益を得られます。太陽光発電においては設置に当たってのコストやメンテナンス等の費用は掛かるものの、費用面で考えれば比較的固定費の割合が多いため安定的な収益を見込めるビジネスと言えましょう。
同投資法人の親会社に当たる「カナディアン・ソーラー」は、2001年にカナダで設立後アメリカ・ナスダック市場に上場を果たしている「太陽電池メーカー」です。
2016年現在、太陽光パネル提供メーカーとして世界1位を獲得しているなど、世界の太陽光発電を支えている企業です。
日本法人は2009年に設立され、2017年現在日本市場での太陽光パネルシェアは第3位に位置しております。
日本で設立した時期は「再生可能エネルギー」への注目が集まっており、当時の民主党政権時に太陽光発電の売電が始まっていった時期でもありました。カナディアン・ソーラーは自社パネルを原材料のシリコンから完成まで全て自社で賄っており、日本における同社が運営する太陽光発電所は自社パネル100%で運用されております。2017年現在に開発中の13箇所を含めて35箇所の太陽光発電所を運営しております。
運営している発電所は基本的に電力会社向けに固定価格で売電しているため、天候によっては左右してしまいますが、比較的安定収益が見込めます。
今回同投資法人が取得する予定の発電所はカナディアン・ソーラー・ジャパンが保有している13発電所となっております。地域は比較的日照時間が長い九州・沖縄が9割を占めております。
中でも上記の写真にある「CS益城町発電所」は全体の投資比率の65%ほどを占めておりますが、2016年に起きた熊本大地震で一番被害が大きかった上益城郡に所在しており、同発電所の維持のために雇用を生みながらも運営をしていくという形を取っておりますので、震災復興の支援にもなるといえましょう。
今回は100%公募となるため、元々の大株主はおりません。
売上や成長性は?
業績については同投資法人が事業会社ではないため表記する情報はありません。
太陽光発電が主なため、太陽光発電による発電によって収入が上下します。配当については上記のように利益からの配当と利益超過分を配当として払い出します。同投資法人の場合の配当利回りは未定となっておりますが、すでに上場しているインフラファンド3社は6%超の配当利回りを出しているため、同投資法人も同程度を見込めるでしょう。
上場会社の場合4%の配当利回りを出せば高いと言われているので非常に高い配当利回りが期待できます。
公募株数 |
総数177,800株 (内、公募177,800株、売出0株) |
OA分 |
8,990株 |
発行済み株数 |
179,300株(上場後) |
想定価格 |
100,000円(1口単位・10万円) |
仮条件 |
98,000円~102,000円 |
公募価格 |
100,000円 |
初値予想 |
98,000円~105,000円 |
想定PER |
なし |
想定PBR |
なし |
配当利回り |
未定 |
想定時価総額 |
179億円 |
今回のIPOによって市場より吸収される金額が178億円ほどであり、発行株数の全てが公募となります。流動性の観点で考えても中型の資金調達となるため初値高騰はあまり見込めないでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
証券会社名 |
割当率 |
口数 |
|
主幹事 |
みずほ証券 |
99% |
122,970口 |
幹事 |
SBI証券 |
1% |
1,242口 |
今回の発行口数のうち7割の124,212口が国内で、残り3割の53,588口は海外での売出と
なります。国内では主幹事みずほ証券が99%の引き受けを受けております。2017年10月25日現在配分等が終わってしまっていると思いますが、大規模な人気化はしていないと想定されます。
今後の情報はマネーボックスで確認することができます。新規上場銘柄の情報はここからチェックすることができカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の上場後10月30日以降はここ(9284 カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人)から日々の値動きを確認することができます。
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これから株投資をスタートする方や、投資をする方の情報収集にも役立ちますね!
著者のまとめ
原発の問題もあり再生可能エネルギーが必要となる日本において、太陽光発電は非常に有用な電気エネルギーであることは間違いありません。しかしながら電力会社からすれば太陽光発電の売電価格は他の発電方法に比べてコストが高いため、あまり好まれていないのも現実です。
しかしながら同投資法人は発電した電気を直接他の電力を必要としている事業者向けで相対の売電を徐々に進めており、今後は電力の供給方法が多彩になることが見込まれます。
売買するのに向いていないインフラファンドですが、長期投資家にとっては安定した収益をもたらしてくれる可能性が高い投資になることが想定されますので、上場後に狙っていきたい気持ちもあります。
まだ未定ですが配当利回りが6%超も考えられますので、ご自身のポートフォリオの一端に入れても問題ないと思います。
今後もインフラファンドの上場が出てくると思いますので、一般化する前に仕込んでおくのも投資ではないでしょうか。
本文中の画像参照先:http://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/ipo/201709222103.pdf