2019年10月9日に東証JQスタンダード市場へ上場する「アンビスホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
アンビスホールディングスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
アンビスホールディングス |
上場市場 |
東証JQスタンダード市場 |
銘柄コード |
7071 |
事業内容 |
住宅型有料老人ホーム「医心館」施設内における訪問看護、訪問介護、居宅介護支援および障碍者支援などの各種サービスの提供、医療施設型ホスピス事業 |
所在地 |
東京都中央区 |
設立 |
2016年 |
従業員 |
529名 |
会社HP |
https://www.amvis.co.jp/ |
監査法人 |
PwCあらた |
上場日 |
2019年10月9日(水) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2019年9月20日(金)~2019年9月27日(金) |
価格決定日 |
2019年9月30日(月) |
購入申込期間 |
2019年10月1日(火)~2019年10月4日(金) |
同社は医療施設型ホスピス事業の運営を行う子会社と子会社の経営コンサルを行う持株会社です。
医療の多様性が謳われる中、人工呼吸器管理など医療を施さなければ生存が難しい状態など医療依存度が高い方向けに運営を行うホスピスに特化した事業展開を行っています。高齢化社会銘柄として注目を受けています。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.amvis.co.jp/service/)
同社は2016年に設立された持株会社です。元々は2013年に三重県桑名市で設立した株式会社アンビス(現子会社)が同社の源流です。
創業者の柴原慶一社長は、医者としてJR東海総合病院やイーハトーブ病院名誉院長を務めた他、研究者として生命科学分野を長く研究してきました。研究の第一線を退いてから、災害支援や医療過疎地での支援活動を行う中、「超高齢化社会に対応する医療活動」を行いたいと考え、当社の設立に至りました。
かつて医院であった病床を回収し、在宅型の病床モデルのホスピス「医心館」として設立し、2019年9月時点で1都9県19施設のホスピスを運営しています。
同社のモデルは「在宅ホスピス」の中で、施設型ホスピスであり、住宅型有料老人ホームとして入居者を受け入れております。入居対象者は人工呼吸器管理や経管栄養など医療を施さなければ生存が難しい方や延命治療を行わない方など、医療依存度の高い方であり、看護ケアを提供した住宅提供を行っています。
地域の医療機関の医師や薬剤師と連携し、入居者に合わせたケアを提供しています。事業として保険報酬からの安定収益とその他食費や家賃等の「ホテルコスト」で収益を獲得しており、比較的安定した収益性を保っています。
今後は、医心館の出店拡大や入居対象者を高齢者や重度障害者のみから、重症心身障害児や医療的ケア児へと対象年齢を広げていく方針です。
売上や成長性は?
|
2017年9月期 |
2018年9月期 |
売上高(百万円) |
1,863 |
3,104 |
経常利益(百万円) |
200 |
412 |
当期純利益(百万円) |
127 |
287 |
純資産額 (百万円) |
180 |
468 |
BPS(円) |
18 |
47 |
EPS(円) |
13 |
29 |
自己資本比率(%) |
8.4 |
14 |
ROE(%) |
70.4 |
88.7 |
配当性向(%) |
– |
– |
業績は2016年に持株会社化したこともあり2期分の決算しかありません。売上高は2期連続増収で、経常利益も2期連続増益です。なお、2019年9月期の3Q(2019年6月)時点で、売上高は3,710百万円、経常利益は576百万円と前期を上回っています。配当はこれまでも無配でしたが、引き続き内部留保の拡充のため無配を予定しています。
公募株数 |
総数1,100,000株 (内、公募1,000,000株、売出100,000株) |
OA分 |
165,000株 |
発行済み株数 |
11,000,000株 |
想定価格 |
2,610円(100株単位・26万円) |
仮条件 |
2,610円~2,800円 |
初値予想 |
2,700円~3,000円 |
想定PER |
約100倍 |
想定PBR |
約10倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
287億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は33億円で、時価総額が287億円です。IPO銘柄としては中規模の銘柄です。業種としては初値高騰が見込みにくいですが、堅調な業績を見せているため期待が持てそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
㈱IDEA.Inc |
66.89% |
90日間 |
柴原 慶一 |
28.67% |
90日間 |
三橋 秀一 |
0.38% |
継続保有 |
前田 早知子 |
0.29% |
90日間 |
鈴木 しのぶ |
0.29% |
90日間 |
西久保 千賀 |
0.23% |
90日間 |
荒井 亮二 |
0.19% |
継続保有 |
吉村 政二郎 |
0.19% |
継続保有 |
瀧上 真悟 |
0.19% |
継続保有 |
渡邉 裕之 |
0.19% |
継続保有 |
同社の大株主は柴原社長の資産管理会社である㈱IDEA Incで同社株を約67%保有しています。個人で29%を保有しているため、同社株全体の約95%を保有するオーナーです。その他は役員および従業員に株式が割り当てられています。
今回の売出は㈱IDEA.Incと柴原社長の2者で、10万株の売出です。
公募は24億円の資金調達で、ホスピス開設費用や、ホスピス運営における従業員採用費、グループ内のネットワークシステムの構築および長期債務返済に充当する予定です。
今回は売出株よりも公募株が大きく上回っており、資金調達をメインな案件です。ファンドも入っておらずエグジットリスクが極めて低い案件です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「アンビスホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
91.30% |
1,155,000株 |
幹事 |
SBI証券 |
8.70% |
110,000株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他SBI証券が幹事を務めます。
著者のまとめ
医療関連銘柄として、長期的な資金を運用するファンド等が資金を入れそうな銘柄の上場です。超高齢化社会になっている日本において、医療費高騰が喫緊の問題である一方、医療依存の高い方に対する医療の在り方を検討されている状況もあります。
同社のビジネスは、公的で支えきれない部分を担う存在として上場後堅調な業績を見せてくれそうです。
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