2019年10月28日に東証マザーズ市場へ上場する「セルソース」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
セルソースの上場日は!?期待度は?
企業名 |
セルソース |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4880 |
事業内容 |
再生医療関連事業における、医療機関から脂肪・血液由来の組織・細胞の加工業務受託、医療機関向け法規対応サポート、医療機器販売およびコンシューマー事業における自社ブランド化粧品の販売 |
所在地 |
東京都渋谷区 |
設立 |
2015年 |
従業員 |
56名 |
会社HP |
https://www.cellsource.co.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2019年10月28日(月) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2019年10月8日(火)~2019年10月15日(火) |
価格決定日 |
2019年10月16日(水) |
購入申込期間 |
2019年10月17日(木)~2019年10月23日(水) |
同社は再生医療事業やコンシューマー向け化粧品販売を行う会社です。
赤字のバイオベンチャーが多い中、黒字経営の堅実な事業背景を武器に上場してきます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.cellsource.co.jp/service/adipose/)
同社は2015年に東京・西麻布で設立されました。創業者はかつて「聖心美容外科クリニック」を創設し、脂肪吸引技術など美容医療の世界で功績を残してきた山川雅之医師と、住友商事出身の裙本理人氏です。
2014年11月に施行された「再生医療等安全性確保法」を踏まえ、再生医療に関する事業を行っています。
まずは、脂肪・血液由来の組織細胞加工サービスは、医療機関より組織細胞を預り加工の上再度提供するというサービスです。法案施行により、医療機関は特定細胞加工物製造許可を取得した加工施設を有した外部企業に委託する必要が出てきたため、同社は自社で許可を取得した再生医療センターを持ち合わせ、対応できるようにしています。
その他、脂肪由来幹細胞の研究で培われたノウハウを基に、化粧品ブランド「シグナリフト」を立ち上げ、美容液やクリーム、洗顔ジェルなど一般コンシューマー向けに化粧品製造・販売を行っています。
2018年10月期の売上構成は、再生医療関連事業が775百万円、コンシューマー向け化粧品事業が436百万円と、創業4期目の会社ですが、1期目より黒字化と堅実な経営を行っています。
売上や成長性は?
|
2016年10月期 |
2017年10月期 |
2018年10月期 |
売上高(百万円) |
140 |
519 |
1,213 |
経常利益(百万円) |
8 |
159 |
295 |
当期純利益(百万円) |
6 |
111 |
193 |
純資産額 (百万円) |
96 |
208 |
401 |
BPS(円) |
53,582 |
144 |
279 |
EPS(円) |
3,582 |
77 |
134 |
自己資本比率(%) |
71.4 |
63.5 |
57.6 |
ROE(%) |
6.9 |
73.2 |
63.5 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
業績は右肩上がりに成長しています。創業4期目の会社ですが、1期目より最終黒字とバイオベンチャー企業の中でも稀有な存在です。なお、2019年10月期の3Q(2019年7月)時点で、売上高は1,172百万円、経常利益は223百万円で、今期も増収増益が見込めそうです。配当は当面内部留保優先で無配が予想されています。
公募株数 |
総数480,000株 (内、公募480,000株、売出0株) |
OA分 |
72,000株 |
発行済み株数 |
1,920,000株 |
想定価格 |
2,230円(100株単位・22万円) |
仮条件 |
2,180円~2,280円 |
初値予想 |
2,800円~4,000円 |
想定PER |
約22倍 |
想定PBR |
約3倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
43億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は12億円で、時価総額が43億円です。マザーズIPO銘柄としては小ぶり案件です。バイオベンチャー株に対する期待が入り混じる市場環境ですが、1期目より黒字経営ができている点からも初値高騰の可能性が高いです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
山川 雅之 |
60.97% |
180日間 |
裙本 理人 |
19.21% |
180日間 |
シリアルインキュベート(株) |
13.35% |
180日間 |
金島 秀人 |
1.26% |
継続保有 |
花木 博彦 |
0.51% |
継続保有 |
雨宮 猛 |
0.51% |
継続保有 |
野崎 正郎 |
0.28% |
継続保有 |
(株)GTM総研 |
0.25% |
継続保有 |
中村 憲正 |
0.25% |
継続保有 |
早川 宗一郎 |
0.20% |
継続保有 |
同社の大株主は、創業者の山川医師で、同社株の61%を保有しています。第3位のシリアルインキュベートも山川社長が経営する関連会社で、同社株74%を有しています。その他裙本社長をを始め、役員、従業員が同社株を有しています。
今回は売出を行いません。
公募は9.7億円の資金調達で、再生医療センターの新設や設備装置投資、本社内の内装および拡張、システム拡充費用、人件費、再生医療関連事業の学会運営費用および研究開発に充当する予定です。
今回は売出を行わず、公募のみの上場案件となります。バイオベンチャーにありがちなVCが全く入っておらず、創業者である山川医師のオーナー会社であるため、需給非常に需給がタイトの中好調な初値となりそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「セルソース」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
90.43% |
499,200株 |
幹事 |
野村證券 |
3.91% |
21,600株 |
SMBC日興証券 |
2.61% |
14,400株 |
|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
1.74% |
9,600株 |
|
SBI証券 |
1.30% |
7,200株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含めた4社が幹事を務めます。大手証券会社が名を連ねているなど同社に対する期待が高いといえます。
著者のまとめ
バイオベンチャーに対する期待と不安が入り混じる株式市場ですが、その要因が「大幅な赤字状況での上場」です。株式市場で資金調達を図ろうとする意図は理解できる一方、いつ収益化できるのか不明慮なバイオベンチャーが多いのが事実です。
同社は創業1期目より利益をだすなど堅実な経営を行っており、再生医療の中でも美容関連と評価はもちろん収益の見込みが立ちやすい分野を手掛けているなど評価できることが多いといえます。
公募価格も比較的割安に設定されているため、初値高騰が見込めそうです。