2021年6月10日に東証マザーズ市場へ上場する「ワンダープラネット」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ワンダープラネットの上場日は!?期待度は?
同社はスマホゲームの企画・開発を手がける会社です。
いわゆる課金型のスマホゲームを世に送り出しており、国内外にて事業展開を行ってきました。更なる事業成長のためのIPOとなります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
| 企業名 | ワンダープラネット | 
| 上場市場 | 東証マザーズ | 
| 銘柄コード | 4199 | 
| 事業内容 | エンターテイメントサービス事業 | 
| 所在地 | 愛知県名古屋市 | 
| 設立 | 2012年 | 
| 従業員 | 195名 | 
| 会社HP | https://wonderpla.net/ | 
| 監査法人 | トーマツ | 
| 上場日 | 2021年6月10日(木) | 
| 主幹事 | 大和証券 | 
| BB期間 | 2021年5月25日(火)~ 2021年5月31日(月) | 
| 価格決定日 | 2021年6月1日(火) | 
| 購入申込期間 | 2021年6月2日(水)~ 2021年6月7日(月 ) | 
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://wonderpla.net/service/)
同社は2012年にベンチャー企業経営を行っていた常川友樹氏によって、愛知県名古屋市で設立された会社です。
創業来スマートフォン向けアプリの開発を手掛けており、スマホゲームをタイトルをこれまで複数生み出してきました。
同社の事業セグメントはエンターテイメントサービス事業の単一セグメントで、無料ダウンロードの上、アプリ内で課金を行うフリーミアムモデルにて事業運営を行っています。
現状運営中のゲームタイトルは5タイトルで、「クラッシュフィーバー」や「ジャンプチヒーローズ」等国内外で配信されているゲームタイトルを有しています。
自社内でゲームの企画・開発・運営を一貫してできる体制ができており、自社タイトルから他社IPを活用した自社開発タイトルなどゲームポートフォリオを構築できる体制が同社の強みです。
いち早く中国圏や英語圏向けにゲームタイトルを配信するために、東京スタジオをグローバルスタジオとして設置し、海外人材比率を57%とするなど特色のある体制を構築しています。その結果海外売上高は35%となっているなど、国内に止まらず市場拡大を狙っていく模様です。
上場を足掛かりに新たなタイトルを生み出すための成長投資を行っていく模様です。
| 2016年8月期 | 2017年8月期 | 2018年8月期 | 2019年8月期 | 2020年8月期 | |
| 売上高(百万円) | 1,824 | 2,669 | 2,665 | 2,856 | 3,435 | 
| 経常利益(百万円) | △331 | △610 | △793 | △137 | 312 | 
| 当期純利益(百万円) | △274 | △709 | △836 | 12 | 224 | 
| 純資産額 (百万円) | 407 | 698 | 107 | 819 | 1,044 | 
| BPS(円) | △96,578 | △184,696 | △2,829 | △2,814 | △2,536 | 
| EPS(円) | △20,324 | △46,070 | △460 | 6 | 111 | 
| 自己資本比率(%) | 21 | 50 | 8 | 47.1 | 43.9 | 
| ROE(%) | – | – | – | 2.6 | 24.1 | 
| 配当性向(%) | – | – | – | – | – | 
業績は着実に成長させている印象です。2020年8月期より連結決算となったため、トラックレコードが少ないですが、2020年8月期で黒字に転じているなど業容を着実に拡大させています。
尚、2021年8月期2Q(2021年2月)の売上高は1,881百万円、経常利益は142百万円と推移しており、折り返し時点では前期を上回る可能性が高いと言えます。
配当は創業来無配で、上場後も内部留保確保のため当面無配が予想されています。
| 公募株数 | 総数189,300株 (内、公募50,000株、売出139,300株)  | 
| OA分 | 28,300株 | 
| 発行済み株数 | 2,149,412株 | 
| 想定価格 | 2,410円(100株単位:24万円) | 
| 仮条件 | 2,410円 ~2,560円 | 
| 初値予想 | 3,800円 ~5,500円 | 
| 想定PER | 約23倍 | 
| 想定PBR | 約4倍 | 
| 配当利回り | なし | 
| 想定時価総額 | 52億円 | 
今回の上場にあたっての吸収金額は5.2億円で、時価総額が52億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。スマホゲームIPOは比較的評価が高いため、初値高騰に期待が持てます。
| 株主名 | 保有割合 | ロックアップ | 
| 常川 友樹 | 16.05% | 180日間 | 
| JAPAN VENTURES I L.P. | 11.93% | 180日間or1.5倍 | 
| (株)海外需要開拓支援機構 | 10.97% | 180日間or1.5倍 | 
| 石川 篤 | 9.63% | 180日間 | 
| グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合 | 8.39% | 180日間or1.5倍 | 
| ユナイテッド(株) | 8.30% | 180日間or1.5倍 | 
| ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 | 6.42% | 180日間or1.5倍 | 
| 久手堅 憲彦 | 4.54% | 180日間 | 
| 西條 晋一 | 4.28% | 180日間or1.5倍 | 
| LINE Ventures Japan有限責任事業組合 | 2.57% | 180日間or1.5倍 | 
同社の株主構成ですが、筆頭株主は代表取締役の常川氏で同社株の16%を保有していますが、極めて株主が分散している印象です。VCや協業パートナー、役員・従業員によって株式が保有されています。
今回の売出は株主2位のJAPAN VENTURESのみで、139,300株の売出です。常川社長は売出には参加しておらず、株主順位に大きな変動はありません。
今回は公募で1.1億円の資金調達を行い、調達資金は人件費や外注費への充当、借入金の返済に充てる予定です。
尚、大株主のうち経営陣には180日、VC等は180日もしくは公募価格1.5倍のロックアップがかかっております。初値高騰が見込まれているため上場後のエグジットリスクには注意が必要です。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件ですが、大株主が多く変動しないなど、引き続き株価上昇を狙ったものと考えられるため、上場後にも期待が持てる案件でしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ワンダープラネット」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
| 割当率 | 株数 | ||
| 主幹事 | 大和証券 | 91.50% | 199,100株 | 
| 幹事 | SBI証券 | 4.32% | 9,400株 | 
| 野村證券 | 1.70% | 3,700株 | |
| マネックス証券 | 0.83% | 1,800株 | |
| 楽天証券 | 0.83% | 1,800株 | |
| 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 0.41% | 900株 | |
| 東海東京証券 | 0.41% | 900株 | 
今回の主幹事は大和証券が主幹事を務めます。その他SBI証券を含めた6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日にテンダの上場も控えていますが、株式市場がやや陰りがある中、初値高騰が大いに見込めるでしょう。巣篭もりが増える中スマホゲームへの需要が高まっていることからもある程度強い株価動向を続けるでしょう。
