2019年12月10日に東証2部市場へ上場する「テクノフレックス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
テクノフレックスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
テクノフレックス |
上場市場 |
東証2部 |
銘柄コード |
3449 |
事業内容 |
金属製管継手および周辺部材の製造・販売、ならびに配管工事と介護事業 |
所在地 |
東京都台東区 |
設立 |
2001年 |
従業員 |
872名 |
会社HP |
https://www.technoflex.co.jp/ |
監査法人 |
三優 |
上場日 |
2019年12月10日(火) |
主幹事 |
大和証券 |
BB期間 |
2019年11月25日(月)~2019年11月29日(金) |
価格決定日 |
2019年12月2日(月) |
購入申込期間 |
2019年12月3日(火)~2019年12月6日(金) |
同社は管継手を始めとする金属加工事業を行う会社です。
鉄鋼や樹脂等のつなぎ目となる継手において強みを持ち、インフラや自動車など幅広く使われる製品を生み出している会社の上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.technoflex.co.jp/about/advantage/)
同社は創業1977年に東京フレックス工業として設立されました。創業来継手の製造および販売を行ってきました。これまでM&A等によって事業拡大を行い、現在法人格は2001年に設立されました。
同社は金属加工技術を駆使し、配管同士の接続部である「管継手」の製造を中心に事業を展開してきました。
ホース上に製品自身を曲げることができるフレキシブル継手や伸縮性のある伸縮管継手等の製造を行い、納入先は建築設備や製鉄所、プラント設備、造船、自動車、ガスなど幅広く対応しています。
その他の事業として要介護者向けの福祉用具のレンタルや介護用住宅改修などを行う介護事業も行っており、高齢化時代における事業も行っています。
連結子会社9社、持分法適用関連会社が1社で、海外拠点は中国とベトナムに工場を有しています。
売上や成長性は?
|
2014年12月期 |
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
売上高(百万円) |
9,227 |
9,115 |
9,366 |
18,692 |
19,859 |
経常利益(百万円) |
1,247 |
800 |
1,017 |
2,494 |
2,722 |
当期純利益(百万円) |
783 |
525 |
1,043 |
1,787 |
1,334 |
純資産額 (百万円) |
11,509 |
11,609 |
12,142 |
16,714 |
17,334 |
BPS(円) |
622 |
626 |
677 |
916 |
952 |
EPS(円) |
41 |
28 |
57 |
100 |
74 |
自己資本比率(%) |
59.7 |
56.9 |
59.4 |
58.6 |
59.2 |
ROE(%) |
6.8 |
4.5 |
8.8 |
11.3 |
8 |
配当性向(%) |
43.4 |
38.8 |
26.5 |
93.3 |
39.3 |
業績はまずまずの成長です。2017年12月期より連結決算となりましたが、売上高は直前期で19,859百万円、経常利益は2,722百万円でした。なお、2019年12月期の3Q(2019年9月)時点で、売上高は14,432百万円、経常利益は1,992百万円となっており、前年ど同程度が予想されます。
配当はこれまでも出してきており当面は配当性向40%以上を目標に年2回の配当を予想しています。
公募株数 |
総数2,350,000株 (内、公募200,000株、売出2,150,000株) |
OA分 |
350,000株 |
発行済み株数 |
21,360,000株 |
想定価格 |
870円(100株単位・9万円) |
仮条件 |
870円~900円 |
初値予想 |
860円~950円 |
想定PER |
約14倍 |
想定PBR |
約1.1倍 |
配当利回り |
約3% |
想定時価総額 |
185億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は23.4億円で、時価総額が185億円です。東証2部上場銘柄のため、市場からの期待感は高くありません。事業内容もニッチ分野のため初値高騰は見込めませんが、上場後には買いが集まる可能性もあります。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)ティーエムアセット |
59.02% |
180日間 |
前島 崇志 |
8.79% |
180日間 |
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 |
3.85% |
90日間or1.5倍 |
東京中小企業投資育成(株) |
3.30% |
90日間or1.5倍 |
SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合 |
2.20% |
90日間or1.5倍 |
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 |
2.20% |
90日間or1.5倍 |
(株)ドリームインキュベータ |
2.20% |
90日間or1.5倍 |
テクノフレックスグループ従業員持株会 |
1.89% |
90日間or1.5倍 |
前島 岳 |
1.67% |
180日間 |
加藤 伸哉 |
0.68% |
90日間or1.5倍 |
同社の大株主は、前島学社長を含めた創業家の資産管理会社「ティーエムアセット」で、同社株の59%を保有しています。2位は創業者である前島前社長で9%を保有します。その他前島社長を始め従業員や役員が株式を保有します。
中にはみずほ系やSMBC系のVCを始めファンドがいくつか出資しています。
今回の売出は前島前社長やVCおよびPEファンドを含め14者で215万株の売出です。
公募は1.6億円の資金調達で、全額をベトナム子会社の投融資に充当する予定です。大株主には180日、ファンド等には90日および公募価格1.5倍のロックアップ条項がついています。
今回は売出が公募よりも大きいエグジット案件となりますが、前社長の持株を減らすなど事業承継の様相も一部垣間見れる上場となります。事業年数が長い割にVC等の出資を受けているなど少々特徴的な上場となります。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「テクノフレックス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
大和証券 |
–% |
–株 |
幹事 |
野村證券 |
–% |
–株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
–% |
–株 |
|
みずほ証券 |
–% |
–株 |
|
SMBC日興証券 |
–% |
–株 |
今回の主幹事は大和証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含めた4社が幹事を務めます。
著者のまとめ
東証2部上場であり、比較的ニッチ分野の上場案件となります。ただし、事業活動の上では無くてはならない部品の製造を担うなど存在意義の高い会社です。
ファンドの保有が多く、上場直後の初値は公募割れのリスクもはらんでいます。ただし、事業柄はニッチトップの銘柄となるためある程度値動きが落ち着いたタイミングで上昇する可能性は十分にあります。