【4489】ペイロール新規上場の株価とPTS株価&ADR株価

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2021年6月22日に東証マザーズ市場へ上場する「ペイロール」について概要と期待度を見ていきたいと思います。

ペイロールの上場日は!?期待度は?

同社は給与計算のアウトソーシング事業を行う会社です。

BPOといった中小企業の人手不足を解消するビジネスモデルを展開している会社で、給与や人事系の工数削減に寄与してきた実績を有しています。今回は大株主である投資ファンドによるエグジットイベントとなるIPOです。

今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。

企業名 ペイロール
上場市場 東証マザーズ
銘柄コード 4489
事業内容 給与計算業務等のアウトソーシング事業
所在地 東京都江東区
設立 2017年
従業員 569名
会社HP https://www.payroll.co.jp/
監査法人 あずさ
上場日 2021年6月22日(火)
主幹事 野村證券
BB期間 2021年6月3日(木)~ 2021年6月9日(金)
価格決定日 2021年6月10日(木)
購入申込期間 2021年6月14日(月)~ 2021年6月17日(木)

どんなことをしている会社なの?

(参照:https://service.payroll.co.jp/)

同社は2017年に設立された会社ですが、創業は1989年に遡ります。同社現社長である湯浅哲哉氏が個人事業主向けに記帳代行業務の受託を目的として設立した「有限会社コンフィデンスサービス」が同社の創業会社となります。

その後事業拡大した同社は、株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア)が親会社となり、パソナからさらに投資ファンドへと筆頭株主が変わっていき、今日に至っています。

同社の事業は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業の単一セグメントであり、給与計算業務のアウトソーシング事業に特化した事業展開を行っています。

働き方改革の提唱の一方で、長時間労働になることの多い事務方仕事に大きな課題を抱えている中小企業や大手企業が多い今日、同社がそれらの業務を請負うことで、双方にメリットのある環境を提供しています。

特に同社は「フルスコープ型アウトソーシング」と謳い、企業の人事部門に代わり、給与計算業務を請け負うことで、クライアントにおける業務過多を防ぐ役割を担っています。

同ビジネスはストック型ビジネスであり、クライアントが解約しない限り収益を獲得できることから、着実な事業成長を見込める可能性が高いです。

今回の上場は大株主にいる投資ファンドのエグジットがメインとなりますが、事業の成長性から上場を機に信用度の向上が見込まれるため、更なる事業成長につなげる見込みです。

2019年3月期 2020年3月期
売上高(百万円) 6,629 7,252
経常利益(百万円) 934 1,070
当期純利益(百万円) 649 728
純資産額 (百万円) 9,097 9,829
BPS(円) 521 562
EPS(円) 37 42
自己資本比率(%) 45 49
ROE(%) 7.4 7.7
配当性向(%)

業績は良好に推移しています。2017年に設立後、合併等実施しているためトラックレコードが少ないですが、2期とも増収増益となっています。

尚、2021年3月期3Q(2020年12月)の売上高は4,887百万円、税引前利益は634百万円と推移しており、前期業績を睨むような状況です。

配当は創業来無配で、上場後も内部留保確保を優先するため当面無配が予想されています。

公募株数 総数6,838,000株
(内、公募428,000株、売出6,410,000株)
OA分 1,025,700株
発行済み株数 17,906,100株
想定価格 1,380円(100株単位:14万円)
仮条件 1,280円 ~1,380円
初値予想 1,200円 ~1,500円
想定PER 約34倍
想定PBR 約2倍
配当利回り なし
想定時価総額 247億円

今回の上場にあたっての吸収金額は108億円で、時価総額が247億円と東証マザーズ上場銘柄としては大型案件です。投資ファンドによるエグジットイベントとなるため、初値には期待が持てません。

株主名 保有割合 ロックアップ
Pacific グロース投資事業有限責任組合 22.13% 90日間
Pacific戦略投資1号投資事業有限責任組合 21.11% 90日間
Pacific2号投資事業有限責任組合 14.05% 90日間
リサ・コーポレート・ソリューション・ファンド4号投資事業有限責任組合 14.01%
Pacific グロース3号投資事業有限責任組合 7.08% 90日間
Pacificプリンシパル投資事業有限責任組合 6.91% 90日間
(株)アイネット 5.53% 90日間
湯浅 哲哉 5.46% 90日間
ペイロール従業員持株会 2.30% 180日間
山﨑 雅敏 0.28% 90日間

同社の株主構成ですが、IPO志向の高い投資ファンドであるクレアシオン・キャピタル系ファンドが71%程度を保有しています。その他、リサ・パートナーズ系ファンドが14%有しており、創業者である湯浅哲哉社長も5%程度有している状況です。

今回の売出は、ファンド3本によって、計6,410,000株の売出となります。発行済み株式数の35%となり、ファンドの保有割合は減りますが、引き続き大株主として保有を続けます。

今回は公募で5.3億円の資金調達を行い、調達資金は基幹システム機能強化のための設備資金に充てる予定です。

尚、大株主には90日もしくは180日のロックアップがかかっており、既存株主によるエグジットリスクは低いでしょう。

今回は売出が公募を上回るエグジット案件であり、事業規模から初値には期待できません。場合によっては公募割れリスクもありますので、注意が必要でしょう。

どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?

今回の「ペイロール」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。

割当率 株数
主幹事 野村證券 91.31% 7,180,200株
幹事 SMBC日興証券 4.35% 341,900株
東海東京証券 1.74% 136,700株
岡地証券 0.87% 68,300株
SBI証券 0.87% 68,300株
いちよし証券 0.87% 68,300株

今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他SMBC日興証券を含めた5社が幹事を務めます。

著者のまとめ

投資ファンドによるエグジットIPOとなるため、公募割れへの懸念が高まっています。一方で事業体としては成長していることから、ある程度落ち着いたタイミングで株価は上昇していく可能性は高いでしょう。

ペイロール株価、PTS株価、ADR株価はこちら

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