2020年9月29日に東証マザーズ市場へ上場する「ヘッドウォータース」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ヘッドウォータースの上場日は!?期待度は?
企業名 |
ヘッドウォータース |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4011 |
事業内容 |
AIソリューション事業 |
所在地 |
東京都新宿区 |
設立 |
2005年 |
従業員 |
74名 |
会社HP |
https://www.headwaters.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年9月29日(火) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2020年9月9日(水)~ 2020年9月15日(火) |
価格決定日 |
2020年9月16日(水) |
購入申込期間 |
2020年9月17日(木)~ 2020年9月24日(木) |
同社は企業向けにAI活用やDX推進のためのシステム開発を行う企業です。
企業でも導入の流れが進んでいるDXやAIに特化した事業モデルで拡大している会社で、上場後の値動きが楽しみな先です。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.headwaters.co.jp/service/ai/platform.html)
同社は2005年に篠田庸介氏によって設立されました。創業来システム開発を手掛けてきた会社で、着実な成長を遂げてきました。
現在の事業領域としては、システム開発の中でもAIシステムやDX関連事業が軸となっています。AIに関しては自社でAI開発を手掛けており、画像認識や言語分析、機械学習等データを活用したAIソリューションを開発しており、複数の企業向けにシステム開発を行っています。
顧客ごとに合わせコンサルティングを行い、最適なAIシステムの開発やDX関連システムの提供を行うことで顧客ニーズに応えています。
現状の業績は、DX関連が全体の50%以上を占めている状況ですが、約30%を占めるAIシステム事業の拡大が今後の同社の成長につながると言えます。直近ではロボットアプリ製作に強みを有しており、引き続き拡大が見込めそうです。
|
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
1,005 |
831 |
922 |
934 |
1,068 |
経常利益(百万円) |
△91 |
△129 |
20 |
51 |
121 |
当期純利益(百万円) |
△106 |
△130 |
17 |
43 |
100 |
純資産額 (百万円) |
△39 |
22 |
239 |
282 |
383 |
BPS(円) |
△13,676 |
6,010 |
58,087 |
343 |
465 |
EPS(円) |
△37,739 |
△41,323 |
4,771 |
53 |
122 |
自己資本比率(%) |
△15.9 |
7.80 |
56.1 |
58.9 |
68.3 |
ROE(%) |
– |
– |
13.2 |
16.7 |
30.1 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は現状横ばいです。しかし、5期前の売上高にようやく戻ってきた印象で、利益に関しては3期前より黒字化となってきており、今後の動向が楽しみな状況です。
尚、2020年12月期2Q(2020年6月末)の売上高は589百万円、経常利益は132百万円とすでに前期を上回る可能性が高い状況です。AIやDXなど新型コロナウイルスによって注目が集まっており、同社のビジネスには追い風となっています。
配当はこれまで無配で、上場後も当面は無配を続ける方針です。
公募株数 |
総数100,000株 (内、公募100,000株、売出0株) |
OA分 |
15,000株 |
発行済み株数 |
922,800株 |
想定価格 |
2,240円(100株単位:22万円) |
仮条件 |
2,240円~2,400円 |
初値予想 |
5,000円~9,000円 |
想定PER |
約21倍 |
想定PBR |
約4倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
21億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は2.6億円で、時価総額が20.6億円と東証マザーズ上場銘柄としては小規模案件です。創業10年以上を経過する会社のため、やや成熟した感のある会社ですが、AIというテーマを提げて株価向上を狙う模様です。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
篠田 庸介 |
59.98% |
180日間 |
プライムロック2 号投資事業有限責任組合 |
9.60% |
90日間or1.5倍 |
プライムロック1号投資事業有限責任組合 |
8.44% |
90日間or1.5倍 |
(株)ベクトル |
6.75% |
90日間or1.5倍 |
トリプルワン投資事業組合 |
2.28% |
90日間or1.5倍 |
(株)チェンジ |
1.73% |
180日間 |
疋田 正人 |
1.58% |
|
萱沼 武広 |
1.58% |
|
(株)IBJ |
1.12% |
90日間or1.5倍 |
畠山 奨二 |
0.95% |
|
同社の株主構成ですが、創業者である篠田庸介社長が筆頭株主で、同社株の約60%を保有するオーナーです。2位と3位はVCのプライムロック・インベストメントが運営するファンドが入っており、18%程度を有しています。その他上場会社であるベクトルやチェンジなども名を連ねています。
今回は売出を行わず新規株式の発行のみ実行する予定です。上場後も篠田社長が引き続き筆頭株主となる予定です。
公募によって2.0億円の資金調達を実施し、AIソリューションの拡大に向けた人材採用費に充てる予定です。
大株主には180日もしくは90日および公募価格1.5倍のロックアップがかかっており、VCをはじめ上場後エグジットリスクに晒される可能性があります。
今回は公募のみの資金調達案件で、事業拡大のための資金調達と上場することで得られる信用度によって優秀な人材の採用を行っていきたいという思惑が感じられます。大株主が売出に参加していないため、今後の株価上昇を大いに狙っているといえます。初値高騰に期待できます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ヘッドウォータース」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
91.30% |
105,000株 |
幹事 |
SBI証券 |
2.61% |
3,000株 |
大和証券 |
1.74% |
2,000株 |
|
楽天証券 |
0.87% |
1,000株 |
|
松井証券 |
0.87% |
1,000株 |
|
東海東京証券 |
0.87% |
1,000株 |
|
極東証券 |
0.87% |
1,000株 |
|
あかつき証券 |
0.87% |
1,000株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他SBI証券を含む7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
AIやDXといった市場で注目を集める事業を手がける同社ですが、実際のところ事業としてはシステム開発を行う会社であるため、今後優秀なエンジニアの確保によって顧客層を拡大できるかが鍵となります。公募による調達資金はこれらのエンジニア採用に充てられるようなので、どれだけステップを踏めるか楽しみです。