2020年10月13日に東証マザーズ市場へ上場する「日通システム」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
日通システムの上場日は!?期待度は?
同社は人事給与関連のシステムを中心に提供を行うシステム会社です。
法人の人事システムを提供し、事業拡大を図ってきた同社の上場となります。ビジネス向けのビジネスアプリ関連は高い評価を受けており、期待された会社の一つです。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
日通システム |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4013 |
事業内容 |
総合HRMソリューションの開発・販売・サポートまでの一貫したソリューションサービスの提供 |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
1981年 |
従業員 |
226名 |
会社HP |
https://www.nittsusystem.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年10月13日(火) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2020年9月25日(金)~ 2020年10月1日(木) |
価格決定日 |
2020年10月2日(金) |
購入申込期間 |
2020年10月5日(月)~ 2020年10月8日(木) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.nittsusystem.co.jp/)
同社は1981年に愛知県名古屋市で設立されたシステム開発会社です。顧客の立場に立った通信とコンピューターの最適ソリューションサービスを提供することを目的に設立され、コンピューターの普及より前から事業者向け就業管理・給与計算用のパッケージソフトの開発を行ってきました。
同社のビジネスセグメントは「HRM事業」と「その他事業」の2つで運営されており、事業の大半を締めるのが「HRM事業」です。現状は「クラウド事業」と「オンプレミス事業」に分かれていますが、同社のメインソリューションは統合ERPソフト「勤次郎Enterprise」です。
この勤次郎Enterpriseを導入することで、給与や人事作業、そしてメンタルヘルス等を横断的に網羅できるため、導入企業にとってシステムの統一化が図ることができます。長くオンプレミス型のニーズが高かったものの、近年のクラウドへの動きからクラウドによるリカーリングレベニューによるストック売上を伸ばしています。
現在1,187社がクラウドサービスを利用しており、利用者数は30万人に迫ります。上場後も引き続き契約者数を伸ばしていく模様です。
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
1,985 |
2,121 |
1,615 |
2,747 |
3,189 |
経常利益(百万円) |
285 |
211 |
59 |
324 |
460 |
当期純利益(百万円) |
214 |
159 |
39 |
237 |
332 |
純資産額 (百万円) |
927 |
1,072 |
1,109 |
1,277 |
1,587 |
BPS(円) |
6,488 |
750 |
776 |
179 |
222 |
EPS(円) |
1,497 |
111 |
27 |
33 |
46 |
自己資本比率(%) |
52.5 |
61.80 |
58.7 |
56 |
62.5 |
ROE(%) |
26 |
15.9 |
3.5 |
20.3 |
23.2 |
配当性向(%) |
6.7 |
9 |
37 |
10 |
7 |
業績は成長過程にある状況です。2017年12月期に決算期の変更がありましたが、総じて売上高、利益共に順調に上がっています。上場後はサブスクリプションモデルの事業柄右肩上がりの成長が見込めるでしょう。
尚、2020年12月期2Q(2020年6月末)の売上高は1,766百万円、経常利益は346百万円と前期を上回るペースで推移しています。
配当はこれまで出してきた会社で、上場後も内部留保の確保はしつつも配当を出す方針です。なお、前期は配当性向7%であったため、同程度以上の配当が予想されます。
公募株数 |
総数2,500,000株 (内、公募2,500,000株、売出0株) |
OA分 |
375,000株 |
発行済み株数 |
10,045,000株 |
想定価格 |
2,880円(100株単位:29万円) |
仮条件 |
2,880円 ~ 3,000円 |
初値予想 |
2,880円 ~ 5,000円 |
想定PER |
約87倍 |
想定PBR |
約4倍 |
配当利回り |
0.1% |
想定時価総額 |
289億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は83億円で、時価総額が289億円と東証マザーズ上場銘柄としては中規模案件です。吸収金額が少々重たいため、初値は高騰するかは不明瞭です。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
エヌイーシステムサービス(株) |
47.51% |
90日間 |
日通システム持株会 |
19.53% |
180日間 |
加村 稔 |
12.59% |
90日間 |
MK(株) |
7.29% |
90日間 |
三菱UFJキャピタル(株) |
5.96% |
90日間or1.5倍 |
國井 達哉 |
2.43% |
90日間 |
加村 光子 |
2.12% |
90日間 |
加村 光造 |
0.62% |
90日間 |
西垣 延夫 |
0.48% |
90日間 |
鷲尾 康史 |
0.33% |
90日間 |
同社の株主構成ですが、創業者の加村稔代表取締役社長の資産管理会社が筆頭株主で、48%を保有しています。加村社長個人ともう一社の資産管理会社の保有分を合わせると3分の2以上となる67%を保有しています。
今回は売出を行う予定はありません。
今回の公募によって調達する資金は66億円で、調達資金は設備投資や運転資金、借入金の返済に充てられる予定です。
大株主には180日もしくは90日または公募価格1.5倍のロックアップがかかっており、上場後のエグジットリスクは非常に少ない案件と言えます。売出がないものの、エグジットリスクがない点は評価を受けそうです。
資金調達を行うことを目的とした上場となりますが、調達金額が大きい点はやや気になるところです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「日通システム」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
92.17% |
2,650,000株 |
幹事 |
みずほ証券 |
1.74% |
50,000株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
1.74% |
50,000株 |
|
東海東京証券 |
0.87% |
25,000株 |
|
SBI証券 |
0.87% |
25,000株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.87% |
25,000株 |
|
エース証券 |
0.87% |
25,000株 |
|
豊証券 |
0.87% |
25,000株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含む7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
マザーズとして規模が大きめの上場となりますが、資金調達がメインのIPOであると考えるとは初値も期待できそうです。ビジネス向けシステム開発には前向きな声も多いため、上場後の動きにも注目したいです。