2019年12月18日に東証マザーズ市場へ上場する「ユナイトアンドグロウ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ユナイトアンドグロウの上場日は!?期待度は?
企業名 |
ユナイトアンドグロウ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4486 |
事業内容 |
中堅・中小企業の情報システム部門を対象としたIT人材・知識のシェアリングサービスの提供とセキュリティコンサルティングサービスの提供、およびオープンナレッジサービス「Syszo」の運営等 |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
2005年 |
従業員 |
158名 |
会社HP |
https://www.ug-inc.net/ |
監査法人 |
トーマツ |
上場日 |
2019年12月18日(水) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2019年12月3日(火)~2019年12月9日(月) |
価格決定日 |
2019年12月10日(火) |
購入申込期間 |
2019年12月11日(水)~2019年12月16日(月) |
同社は中小企業の情報システム部向けにエンジニアサービスを提供する会社です。
「シェアード・エンジニアリング」と題し、企業の求めに応じたエンジニア派遣を行っている会社で、市場からも期待を持たれている案件となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.ug-inc.net/service/insourcing)
同社は2005年に東京都渋谷区で創業した会社です。創業来、中小企業の情報システム部門を支援するサービスを提供してきました。
メイン事業である「インソーシング事業」は、中堅・中小企業の情報システム部に対して、自社従業員のITエンジニアを派遣し、ITスキルと知識を提供しています。特に従業員50名から1,000名規模の会社がターゲットで、東京都23区内の企業向けに会員制サービスを提供しています。
同社では自社エンジニア社員のことを「シェアード社員」と呼んでおり、通常のエンジニア派遣ではなく、準委任契約を結んでおり、派遣先の指示を受けて業務を行うのではなく、あくまでも自社およびシェアード社員の意思の元、業務を遂行することができます。
上場時点で顧客企業数が446社となっており、約8割以上の顧客が継続利用しています。企業のITセキュリティ対策のためのコンサルティングや、オープンナレッジおよびクローズドナレッジによって、企業の情報システム担当者のスキルアップにも寄与しています。
同社は契約の上ポイント制で利用料を得る形で収益を上げています。継続的なシェアード社員の採用とスキルアップが求められます。
売上や成長性は?
|
2014年12月期 |
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
売上高(百万円) |
582 |
722 |
832 |
1,176 |
1,388 |
経常利益(百万円) |
61 |
65 |
14 |
104 |
176 |
当期純利益(百万円) |
82 |
42 |
10 |
68 |
123 |
純資産額 (百万円) |
253 |
251 |
261 |
337 |
492 |
BPS(円) |
17,236 |
17,999 |
18,743 |
242 |
340 |
EPS(円) |
5,609 |
2,874 |
744 |
49 |
88 |
自己資本比率(%) |
59.2 |
55.9 |
45.2 |
44.8 |
53.6 |
ROE(%) |
38.9 |
16.6 |
4.1 |
22.3 |
29.8 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
49.7 |
9.3 |
業績は右肩上がりに伸ばしています。2017年12月期から連結決算となりましたが、一時的な利益の落ち込みがあるものの順調に伸ばしています。なお 2019年12月期3Q(2019年9月末)売上高は1,186百万円、経常利益は157百万円で、今期は最高業績を記録する模様です。配当は2期前より出しており、上場後は毎期10%の配当性向を確保することを目標に配当を出す予定です。
公募株数 |
総数469,400株 (内、公募367,400株、売出102,000株) |
OA分 |
70,400株 |
発行済み株数 |
1,815,500株 |
想定価格 |
1,210円(100株単位・12万円) |
仮条件 |
1,210円~1,270円 |
初値予想 |
1,400円~2,000円 |
想定PER |
約18倍 |
想定PBR |
約3倍 |
配当利回り |
0.5% |
想定時価総額 |
22億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は7億円で、時価総額が22億円と東証マザーズ上場銘柄としては小ぶり案件です。サイズ感としては初値高騰が見込めそうですが、労働集約型ビジネスであるため人気化となるかは不明慮なところがあります。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
須田 騎一朗 |
36.37% |
180日間 |
エス・アセットマネジメント(株) |
30.33% |
180日間 |
横河レンタ・リース(株) |
4.85% |
180日間 |
ニッセイ・キャピタル5号投資事業有限責任組合 |
3.64% |
90日間or1.5倍 |
岡 美恵子 |
2.85% |
180日間 |
ユナイトアンドグロウ従業員持株会 |
1.93% |
180日間 |
須田 愛子 |
1.82% |
180日間 |
YSアセットマネジメント(株) |
1.66% |
180日間 |
藤森 肇 |
1.21% |
180日間 |
グローバル・タイガー・ファンド3号 投資事業有限責任組合 |
1.03% |
90日間or1.5倍 |
同社の大株主は、創業者である須田社長で同社株の36%を保有しています。資産管理会社である「エス・アセットマネジメント㈱」の保有分30%を含めると、66%の株式を保有することになります。その他役員や従業員が株式を保有していますが、VCを中心に株主を集めています。
今回の売出は須田社長や大株主の横河レンタ・リース㈱を含めた6者が実施し、102,000株の売出を行います。
公募は4億円の資金調達で、エンジニア人材採用のための採用費用や人件費、教育のための研修費、システム改修費や広告宣伝費等に充当する予定です。大半の大株主には180日もしくは、90日および公開価格1.5倍のロックアップ条項がついており、VCを中心に株価高騰時のエグジットリスクはありますが、大方エグジットリスクは少ない案件です。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件となり、市場からの印象は悪くないです。エンジニア人材の確保が不可欠な会社であるため、IPOによって企業の信用度を高め、人材採用を高めることが今回の背景でしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ユナイトアンドグロウ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
91.39% |
493,300株 |
幹事 |
SBI証券 |
1.72% |
9,300株 |
マネックス証券 |
1.72% |
9,300株 |
|
岩井コスモ証券 |
1.72% |
9,300株 |
|
丸三証券 |
1.72% |
9,300株 |
|
エース証券 |
1.72% |
9,300株 |
今回の主幹事はSMBC日興証券が主幹事を務めます。またSBI証券を含めた5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
中小企業を中心に情報システム部の強化が求められる一方、人材の確保が難しい状況が続いています。同社のビジネスはそのような悩みを持った企業へ役に立つためのものであり、初値高騰は難しいとは思う一方、将来的に伸びていくと思われます。初値買いへは積極的に行きたいものです。