2020年12月17日に東証マザーズ市場へ上場する「ビートレンド」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ビートレンドの上場日は!?期待度は?
同社はスマートCRMプラットフォーム「betrend」を提供する会社です。
主に飲食店等の顧客管理システムをスマートフォンで簡単に使えるサービスとしてシェアを伸ばしており、今後の成長が期待されています。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
ビートレンド |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4020 |
事業内容 |
飲食店・小売店等を展開する企業向け顧客情報管理CRMソフトウェアプラットフォーム「betrend」の提供・運営 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2000年 |
従業員 |
46名 |
会社HP |
https://www.betrend.com/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年12月17日(木) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2020年12月1日(火)~2020年12月7日(月) |
価格決定日 |
2020年12月8日(火) |
購入申込期間 |
2020年12月9日(水)~2020年12月14日(月) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.betrend.com/)
同社は2000年に日本オラクル出身の井上英昭氏によって設立された会社です。設立した時期はITバブル真っ盛りな時期で、携帯電話が普及し始めたことから、これからのモバイル時代に向けたBtoBtoC向けのサービスを提供する目的で同社を設立したようです。
設立当初はメールによる顧客マーケティングのASPサービスを行っており、今日までCRMプラットフォームの提供で事業を展開してきました。
同社のメインサービスは、スマートフォン向けCRMサービス「betrend」です。SaaSモデルで提供される当サービスは、一斉メール配信や会員管理システムをスマートフォン上で完結できるもので、飲食店やエステ店など小規模事業者を中心に2,500社、35,000店舗の利用ユーザーを抱えています。
同社の顧客は法人及び個人事業主となるため、個人相手のビジネスとは異なり解約率が低く、サブスクリプションモデルでのビジネスということもあり安定した業績が期待できます。
|
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
481 |
540 |
608 |
636 |
747 |
経常利益(百万円) |
51 |
61 |
49 |
17 |
54 |
当期純利益(百万円) |
19 |
39 |
34 |
9 |
38 |
純資産額 (百万円) |
124 |
162 |
221 |
230 |
268 |
BPS(円) |
14,390 |
18,852 |
23,425 |
244 |
284 |
EPS(円) |
2,261 |
4,483 |
3,944 |
10 |
40 |
自己資本比率(%) |
54.5 |
59.60 |
62.7 |
66.6 |
66.2 |
ROE(%) |
17 |
27 |
17.8 |
4.1 |
15.2 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は成長基調にあります。売上高は利用顧客増加に伴い右肩上がりに成長しています。一方、利益についてはサービスへの投資が必要であるものの、5期連続で黒字を維持しており、堅実な経営を行っていることがわかります。
尚、2020年12月期3Q(2020年9月)の売上高は629百万円、経常利益は81百万円となっており、前期決算は上回る模様です。
配当は創業来無配で、上場後も赤字が続くため当面は内部留保を確保するため無配が予定されています。
公募株数 |
総数164,500株 |
OA分 |
24,600株 |
発行済み株数 |
1,028,800株 |
想定価格 |
2,680円(100株単位:27万円) |
仮条件 |
2,680円 ~ 2,800円 |
初値予想 |
4,000円 ~ 7,500円 |
想定PER |
約73倍 |
想定PBR |
約6倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
28億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は6億円で、時価総額が28億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。引き続き成長余地があり、業績面でも黒字を維持しているところから、初値高騰に期待できます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
永山 隆昭 |
51.25% |
180日間 |
井上 英昭 |
22.05% |
180日間 |
富士フイルム(株) |
9.08% |
90日間 |
(株)USEN-NEXT HOLDINGS |
1.97% |
|
投資事業組合オリックス11号 |
1.97% |
|
須山 聖一 |
1.18% |
|
(株)エスネットワークス |
1.03% |
|
平川 雅隆 |
0.88% |
180日間 |
澤田 瑞樹 |
0.88% |
180日間 |
佐野 力 |
0.86% |
|
同社の株主構成ですが、取締役の永山隆昭氏が筆頭株主で、過半数越えの51%を保有しています。2位は創業者の井上英昭代表取締役社長で22%を保有しています。その他、役員・従業員が株主としていますが、富士フイルムやUSEN-NEXTHD等事業会社で株主が構成されています。一部ファンドも名を連ねています。
今回の売出は井上社長を含めた5者で、84,500株の売出です。
今回は公募にて1.9億円の資金調達を行い、調達資金の用途はシステムのバージョンアップと、人材採用費用等に充てる予定です。
尚、大株主には180日および90日のロックアップがかかっており、経営陣による保有割合が多いためエグジットリスクは低いでしょう。
今回は売出が公募をやや上回るエグジット案件ですが、事業成長のために株式を放出するため、ネガティヴなエグジット案件ではないでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ビートレンド」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
95.77% |
181,100株 |
幹事 |
丸三証券 |
0.85% |
1,600株 |
いちよし証券 |
0.85% |
1,600株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.85% |
1,600株 |
|
エース証券 |
0.85% |
1,600株 |
|
マネックス証券 |
0.85% |
1,600株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他丸三証券を含む5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
12月17日には他4社同時上場となりますが、上場規模を含めても初値高騰に一番期待できる案件でしょう。積極的に狙っていきたいところです。サブスクリプションモデルということもあり、今後の成長性にも十分に期待できます。