2020年10月2日に東証マザーズ市場へ上場する「タスキ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
タスキの上場日は!?期待度は?
同社は不動産販売を手がける会社です。
風向きがやや厳しくなってきている投資用不動産ですが、東京23区を中心に事業を行うなど成長の可能性は秘めています。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
タスキ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
2987 |
事業内容 |
新築投資用IoTレジデンスの企画、開発、販売およびコンサルティングなど |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2013年 |
従業員 |
19名 |
会社HP |
https://tasukicorp.co.jp/ |
監査法人 |
仰星 |
上場日 |
2020年10月2日(金) |
主幹事 |
SBI証券 |
BB期間 |
2020年9月14日(月)~ 2020年9月18日(金) |
価格決定日 |
2020年9月23日(水) |
購入申込期間 |
2020年9月25日(金)~ 2020年9月30日(水) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://tasukicorp.co.jp/about)
同社は2013年に上場会社の新日本建物の子会社として設立されました。その後、資本関係を解消し独立し今日に至ります。尚、同社の会長は新日本建物の元社長であり、引き続き関係性はある模様です。
同社は当初はリフォーム再販等の不動産ビジネスを行ってきましたが、2019年に投資用不動産事業をスタートしてからは開発販売を中心に事業を行っています。企画力やデザイン力を生かし、東京23区を中心にIoTを活用したマンションを開発しており、「LiveMana(リブマナ)」ブランドで、入居ニーズの高い単身用マンションを建設し、投資家に販売するビジネスで拡大してきました。
また直近ではレジデンス以外にもホテルや保育園等を建設し、同様に投資家向けに販売しています。
事業としてはLiveMana事業以外に、同社と取引がある企業をターゲットに求人募集率や定着率を狙ったFinTechを活用した給料前払いサービス「タスキDayPay」を提供しており、利用の企業の従業員が自身の都合で給料の前払いができるサービスを着実に伸ばしています。
今後はLiveMana事業とタスキDayPay事業を引き続き拡大していく方針です。様々な投資用マンションがある中、IoTを盛り込んだマンションへの評価が高まっており、引き続き成長が予想されます。
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2017年9月期 |
2018年9月期 |
2019年9月期 |
売上高(百万円) |
66 |
13 |
211 |
3,117 |
5,118 |
経常利益(百万円) |
4 |
2 |
4 |
108 |
330 |
当期純利益(百万円) |
4 |
1 |
2 |
73 |
222 |
純資産額 (百万円) |
11 |
12 |
305 |
478 |
700 |
BPS(円) |
56,583 |
62,166 |
51 |
149 |
219 |
EPS(円) |
19,541 |
5,583 |
7 |
25 |
69 |
自己資本比率(%) |
85.7 |
5.40 |
21.6 |
14.1 |
18.2 |
ROE(%) |
41.7 |
9.4 |
1.4 |
18.7 |
37.7 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は急激な成長過程にあります。2017年9月期より決算期が変更されている他、LiveMana事業が2019年以降にスタートしているため、業績の横比較は難しい状況です。そんな中、売上高は増収傾向で、利益に関しても持ち上がっており、上場後は更なる成長が見込める可能性が高いでしょう。
尚、2020年9月期3Q(2020年6月末)の売上高は5,007百万円、経常利益は319百万円とすでに前期を上回っており、コロナ禍でも好調な業績を出しています。テレワーク需要が高まる中、都心の駅近にある単身用マンションが好調で推移している点も追い風でしょう。
配当はこれまで無配で、上場後も当面は無配を続ける方針です。
公募株数 |
総数300,000株 (内、公募7300,000株、売出0株) |
OA分 |
45,000株 |
発行済み株数 |
5,300,000株 |
想定価格 |
630円(100株単位:6万円) |
仮条件 |
610円 ~670円 |
初値予想 |
1,200円~2,500円 |
想定PER |
約46倍 |
想定PBR |
約5倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
33億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は2.2億円で、時価総額が33.3億円と東証マザーズ上場銘柄としては小規模案件です。不動産業界への風向きが強くなっているものの、好業績で推移しているため、上場後も期待できるでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
村上 三郎 |
52.62% |
180日間 |
㈱東京ウエルズ |
7.90% |
継続保有 |
㈱ウェッジ |
7.18% |
180日間or1.5倍 |
京東㈱ |
5.74% |
継続保有 |
Sanyoホールディングス㈱ |
2.30% |
継続保有 |
渡邉 裕 |
2.30% |
継続保有 |
㈱ジープラン |
1.72% |
継続保有 |
村田 浩司 |
1.49% |
180日間 |
㈱ジェイ・エス・ビー |
1.44% |
継続保有 |
朝井 隆夫 |
1.44% |
継続保有 |
同社の株主構成ですが、同社の会長である村上三郎氏が筆頭株主で、同社株の53%を保有するオーナーです。2位以下は取引先を中心とした株主で占められています。
今回は売出を行わない予定です。
公募によって1.6億円の資金調達を実施し、LiveMana事業の新築投資用IoTレジデンスの開発資金等に充てる予定です。
大株主には180日もしくは継続保有のロックアップ制限がかかっています。一部の株主には公募価格1.5倍のロックアップがかかっているため、売出がない分エグジットリスクはあります。ただし、VCは入っていないため大きなリスクはないでしょう。
今回は公募のみの資金調達案件で、投資用マンション開発資金の調達と上場会社という信用獲得が目的と言えましょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「タスキ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SBI証券 |
93.04% |
321,000株 |
幹事 |
藍澤證券 |
0.87% |
3,000株 |
岩井コスモ証券 |
0.87% |
3,000株 |
|
エイチ・エス証券 |
0.87% |
3,000株 |
|
岡三証券 |
0.87% |
3,000株 |
|
極東証券 |
0.87% |
3,000株 |
|
東洋証券 |
0.87% |
3,000株 |
|
むさし証券 |
0.87% |
3,000株 |
|
水戸証券 |
0.87% |
3,000株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他藍澤証券を含む8社が幹事を務めます。
著者のまとめ
投資用不動産事業を展開する上場会社が多くいるマーケットの中に飛び込む同社への注目は、そこまで高くはないでしょう。しかし、ビジネスの内容を紐解けば成長性があるとも見れるため、初値高騰は十分に期待できます。業績が右肩上がりに推移するか否かを注視していきたいです。