2021年4月5日に東証マザーズ市場へ上場する「オキサイド」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
オキサイドの上場日は!?期待度は?
同社はレーザ光源や光計測装置等の光学関連製品の製造会社です。
元独立行政法人物質・材料研究機構発のベンチャーとして、大手半導体製造装置メーカー向けに事業を拡大してきた会社の上場です。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | オキサイド |
上場市場 | 東証マザーズ |
銘柄コード | 6521 |
事業内容 | 光学分野における酸化物単結晶、光部品、レーザ光源、計測装置などの開発・製造・販売 |
所在地 | 山梨県北杜市 |
設立 | 2000年 |
従業員 | 155名 |
会社HP | https://www.opt-oxide.com/ |
監査法人 | 太陽 |
上場日 | 2021年4月5日(月) |
主幹事 | 野村證券 |
BB期間 | 2021年3月18日(木)~ 2021年3月24日(水) |
価格決定日 | 2021年3月25日(木) |
購入申込期間 | 2021年3月26日(金)~ 2021年3月31日(水 ) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.opt-oxide.com/)
同社は2000年に独立行政法人物質・材料研究機構発のベンチャーとして設立した会社です。研究者であった古川保典氏が、自身の研究した技術である光機能を持つ単結晶製造技術を用いて、光情報通信機器向けに利用できるようにするべく起業しました。
同社は単結晶の製造にノウハウを有しており、半導体やヘルスケアなど幅広い業界で使用される製品の「光学製品」に使われています。創業来ニコンやNTTグループ、日立ハイテクを始め、大手企業との取引を有しています。
そのような背景から、単結晶・光学関連の博士号を保有している技術者を多く抱えており、製品製造を行える会社として2014年に経済産業省の「グローバルニッチトップ100選」に選ばれるなど、国内外から注目を集めています。
事業セグメントは「光学事業」の単一セグメントですが、製品用途として「光計測・新領域事業」、「半導体事業」、「ヘルスケア事業」の3事業に区分されます。
光計測・新領域事業では、光学製品メーカーや大学等研究機関に対してレーザ光源や光学測定装置を開発・製造・販売を行っています。
また、半導体事業では、半導体ウエハ検査装置用の単結晶やレーザ装置を製造しており、ヘルスケア事業ではPET検査というがん検査に用いられるシンチレータ単結晶を製造しており、世界シェア20%を獲得しているものです。
上場後も引き続き製品開発を進めていき、グローバルニッチトップ企業として引き続き成長していく方針です。
2016年9月期 | 2017年9月期 | 2018年2月期 | 2019年2月期 | 2020年2月期 | |
売上高(百万円) | 1,286 | 1,775 | 608 | 2,609 | 3,065 |
経常利益(百万円) | △69 | 88 | △125 | 87 | 105 |
当期純利益(百万円) | △230 | 81 | △185 | 141 | 77 |
純資産額 (百万円) | 677 | 757 | 573 | 1,045 | 1,190 |
BPS(円) | 96892 | 108,453 | 81,995 | 280 | 315 |
EPS(円) | △36,179 | 11561 | △26,365 | 40 | 20 |
自己資本比率(%) | 20.2 | 21.1 | 17.2 | 20.1 | 20.9 |
ROE(%) | – | 11.3 | – | 17.4 | 6.9 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は拡大傾向にあります。2018年2月期に決算期の変更を行ったため、単純比較はできないものの、業績は概ね右肩上がりに推移しています。
なお、2021年2月期第3四半期(2020年11月)の売上高は2,288百万円で、経常利益は67百万円と、通期決算では前期決算を上回る公算です。
配当は創業来無配を続けており、上場後も内部留保や投資を優先するため当面無配が予想されます。
公募株数 | 総数1,082,900株 (内、公募750,000株、売出332,900株) |
OA分 | 162,400株 |
発行済み株数 | 4,531,500株 |
想定価格 | 2,480円(100株単位:25万円) |
仮条件 | 2,480円 ~ 2,800円 |
初値予想 | 3,800円 ~ 5,500円 |
想定PER | 約146倍 |
想定PBR | 約4倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 112億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は31億円で、時価総額が112億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。銘柄としては注目されているものの、初値はある程度の推移で落ち着きそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
古川 保典 | 19.71% | 90日間 |
エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ(株) | 7.21% | 90日間 |
(株)日立ハイテク | 6.03% | 90日間 |
NTTファイナンス(株) | 5.38% | 90日間or1.5倍 |
KLA-TENCOR(SINGPORE)PTE,LTD | 4.41% | 90日間 |
ティー・ハンズオン1号投資事業有限責任組合 | 4.31% | 90日間or1.5倍 |
KT VENTURE GROUPⅡ,L.L.C | 2.70% | 90日間 |
(株)ニコン | 2.69% | 90日間 |
レーザーテック(株) | 2.69% | 90日間 |
山梨中銀経営コンサルティング(株) | 2.64% | 90日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は創業社長である古川氏で、同社株の20%を保有しています。その他は取引先やVCをはじめとした多くの企業が名を連ねています。
今回の売出は古川社長を含めた9者で、332,900株の売出です。
今回は公募で17億円の資金調達を行い、調達資金は設備投資資金と借入金返済に充てる予定です。
尚、大株主には90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっております。VCや取引先を中心にエグジットリスクがある点は注意が必要です。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、設備投資資金を目的としてIPOであることが明らかですので、その点評価を受けた買いを集めそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「オキサイド」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 野村證券 | 88.00% | 953,000株 |
幹事 | 大和証券 | 7.00% | 75,800株 |
SMBC日興証券 | 2.00% | 21,700株 | |
楽天証券 | 1.00% | 10,800株 | |
マネックス証券 | 1.00% | 10,800株 | |
極東証券 | 0.25% | 2,700株 | |
水戸証券 | 0.25% | 2,700株 | |
SBI証券 | 0.25% | 2,700株 | |
岡三証券 | 0.13% | 1,400株 | |
岩井コスモ証券 | 0.12% | 1,400株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他大和証券を含めた9社が幹事を務めます。
著者のまとめ
4月一発目のIPOとなりますが、半導体製造装置関連と何かと注目業界であるため、上場後の値動きに注目したいところです。初値がある程度の着地であれば要投資チャンスです。