2019年12月20日に東証マザーズ市場へ上場する「INCLUSIVE[インクルーシブ]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
INCLUSIVEの上場日は!?期待度は?
企業名 |
INCLUSIVE(インクルーシブ) |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7078 |
事業内容 |
インターネットサービス運営・収益化支援、広告・プロモーション企画、アドネットワークサービスの提供、ブランディング・PRコンサルティング、ウェブエンジニアリングサービス |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2007年 |
従業員 |
68名 |
会社HP |
https://www.inclusive.co.jp/ |
監査法人 |
トーマツ |
上場日 |
2019年12月20日(金) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2019年12月4日(水)~2019年12月10日(火) |
価格決定日 |
2019年12月11日(水) |
購入申込期間 |
2019年12月12日(木)~2019年12月17日(火) |
同社はウェブメディアの運営支援を行う会社です。
大手出版社やテレビ局のウェブメディア運営を担うなど重要な役割を果たしており、今後の事業拡大に向けたIPOとなります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:http://pcfc.jp/)
同社は2007年に設立されました。創業者で現代表取締役社長である藤田誠氏は、元々広告代理店出身で、その後転職した旧ライブドアでは、営業部長として広告営業の面で成果を残した方です。
同社はウェブメディア側に立った広告代理店として、出版社や地方テレビ局等24社、35メディアのメディア運営支援を行っています。
広告代理店として広告の提供を行いつつ、ウェブメディア運営に慣れていない企業に寄り添い、メディア運営を支援しています。広告による収入を軸に、自社のアドネットワーク運用を活用した広告運営支援や企業PR支援によって収益を上げています。
2017年からは買収した企業によるエンジニアリングサービスを開始し、AIやIoT等のアプリ開発やウェブ開発等を請け負う事業によって、事業領域の拡大を図っています。
現在は、日刊ゲンダイやanan、ニューズウィーク日本版等のウェブメディアの運営支援を行っています。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
703 |
708 |
547 |
1,014 |
1,669 |
経常利益(百万円) |
190 |
50 |
△50 |
△21 |
308 |
当期純利益(百万円) |
136 |
33 |
△54 |
△36 |
154 |
純資産額 (百万円) |
267 |
299 |
251 |
442 |
596 |
BPS(円) |
13,235 |
14,784 |
12,470 |
205 |
277 |
EPS(円) |
6,668 |
1,632 |
△2,675 |
△17 |
71 |
自己資本比率(%) |
62.6 |
77.5 |
59.4 |
64.4 |
64.1 |
ROE(%) |
50 |
11 |
– |
– |
29.6 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は直近から伸びている状況です。売上高は2017年まで横ばいまたはやや下降気味でしたが、M&Aによって連結決算となってからは業績を向上させています。利益も2期3期前は赤字でしたが、直前期では最高益となっています。尚2020年3月期2Q(2019年9月末)売上高は770百万円、経常利益は176百万円と前年水準を伺う様子です。配当はこれまで無配で、将来的に出していく方針であるものの当面無配を予定しています。
公募株数 |
総数425,000株 (内、公募200,000株、売出225,000株) |
OA分 |
63,700株 |
発行済み株数 |
2,356,700株 |
想定価格 |
2,290円(100株単位・23万円) |
仮条件 |
2,010円~2,110円 |
初値予想 |
2,000円~2,500円 |
想定PER |
約35倍 |
想定PBR |
約5倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
54億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は11億円で、時価総額が54億円と東証マザーズ上場銘柄としては小・中規模案件です。そこまで大きい上場案件ではないですが、業績向上が見込みにくく初値高騰は難しそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
藤田 誠 |
70.81% |
180日間 |
アーキタイプ㈱ |
9.70% |
180日間 |
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱ |
4.36% |
180日間 |
安達 真 |
4.20% |
180日間 |
㈱カヤック |
2.82% |
180日間 |
後藤 健太郎 |
2.20% |
180日間 |
大向 一輝 |
0.99% |
180日間 |
㈱デルフィス |
0.87% |
|
原 直志 |
0.34% |
|
渡邊 淳一 |
0.27% |
|
同社の大株主は、創業者の藤田社長で同社株の71%を保有する大株主です。2位はスタートアップ企業の投資育成を行うアーキタイプで約10%を保有しています。その他博報堂系のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムや上場会社のカヤックなどが株式を有しています。その他は同社の役員および従業員が保有しています。
今回の売出はアーキタイプと藤田社長を含め6者で、22.5万株の売出を行います。
公募は4億円の資金調達で、オフィス移転及び統合費用やシステム開発費用、その他人材採用及び研修費用に充当する予定です。大半の大株主には180日のロックアップ条項がついています。大半が大株主である藤田社長が保有し上場後も3分の2をギリギリ割る66%を保有し続けるため、流動株は非常にタイトになります。
今回は売出が公募をやや上回るエグジット案件となります。藤田社長が3分の2以上を保有していたため、上場会社として許容できる66%以下にするための売出を行った結果となりますが、非常に人気は薄いです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「INCLUSIVE」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
87.01% |
425,200株 |
幹事 |
SBI証券 |
8.70% |
42,500株 |
岩井コスモ証券 |
0.86% |
4,200株 |
|
いちよし証券 |
0.86% |
4,200株 |
|
丸三証券 |
0.86% |
4,200株 |
|
楽天証券 |
0.86% |
4,200株 |
|
東海東京証券 |
0.43% |
2,100株 |
|
マネックス証券 |
0.43% |
2,100株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。またSBI証券を含めた7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
想定価格が2,290円でしたが、仮条件で条件が2,110円と下振れています。通常下振れ銘柄は公募割れを起こす可能性が高いため気を付けていきたいところですが、事業モデルとして特定企業のウェブメディア運営を支援できるなど事業の深堀りを行いやすいビジネスモデルであるため、徐々に業績が伸びれば将来的な株価高騰も見込めるといえます。
いずれにせよ様子見で行きたいところです。
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