2020年11月27日に東証マザーズ市場へ上場する「クリーマ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
クリーマの上場日は!?期待度は?
同社はハンドメイド商品のマーケットプレイス「Creema」を運営する会社です。
同業企業に既に上場しているGMOペパボがありますが、ハンドメイドマーケットプレイスでは先行企業であり、満を持しての上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
| 企業名 | クリーマ | 
| 上場市場 | 東証マザーズ | 
| 銘柄コード | 4017 | 
| 事業内容 | ハンドメイドマーケットプレイス『Creema』の運営、およびクリエイターのエンパワーメントを目的とする各種サービスの提供 | 
| 所在地 | 東京都港区 | 
| 設立 | 2009年 | 
| 従業員 | 70名 | 
| 会社HP | https://www.creema.co.jp/ | 
| 監査法人 | トーマツ | 
| 上場日 | 2020年11月27日(金) | 
| 主幹事 | SBI証券 | 
| BB期間 | 2020年11月11日(水)~2020年11月17日(火) | 
| 価格決定日 | 2020年11月18日(水) | 
| 購入申込期間 | 2020年11月19日(木)~ 2020年11月25日(水) | 
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.creema.co.jp/service/index.html)
同社は2009年に現代表取締役の丸林耕太郎氏によって設立された会社で、2010年より主力サービスである「Creema」をスタートし今日に至っています。
元々音楽活動をしていた丸林社長は、アーティストをはじめクリエイティブ活動を行う方々の商品を販売できるマーケットプレイスを生み出そうと考え、業界で最も早く立ち上げました。
2020年8月時点で登録作品数1,019万点、累計アプリダウンロード数1,049万回、流通金額は約80億円と、業界では既に上場しているGMOペパボが運営する「minne」に次ぐ規模のハンドメイドマーケットプレイス運営会社となっています。
同社の売上は、販売した商品代金の約1割を受領するモデルとなっており、取引数が伸びれば伸びるほど業績が上がるモデルとなっています。
特にコロナ禍においては巣ごもり需要が発生したことで、ハンドメイド商品への需要が高まった背景もあり、例えハンドメイドであっても良い商品は売れる市場環境となっているため、同社にとっては追い風での上場となる見込みです。
| 
 | 2016年2月期 | 2017年2月期 | 2018年2月期 | 2019年2月期 | 2020年2月期 | 
| 売上高(百万円) | 442 | 813 | 891 | 1,150 | 1,518 | 
| 経常利益(百万円) | △410 | △453 | △346 | △373 | 46 | 
| 当期純利益(百万円) | △411 | △462 | △348 | △373 | △28 | 
| 純資産額 (百万円) | 20 | △62 | △59 | △130 | 39 | 
| BPS(円) | △102,938 | △227,704 | △321,691 | △422 | △430 | 
| EPS(円) | △110,950 | △124,766 | △93,987 | △101 | △8 | 
| 自己資本比率(%) | 2.2 | △4.7 | △4.4 | △8.0 | 1.9 | 
| ROE(%) | – | – | – | – | – | 
| 配当性向(%) | – | – | – | – | – | 
業績は成長過程にあります。2019年2月期より連結決算となっているので、数字面で比較にしくいところですが、売上高に関しては5期連続増収としてきました。一方利益面では赤字幅は縮小し、前期決算で黒字に転じました。
尚、2021年2月期2Q(2020年8月)の売上高は1,038百万円、経常利益は243百万円となっており、コロナ禍における特需を受け最高業績を叩き出す模様です。
配当はしばらく赤字であったため創業来無配で、上場後も内部留保の確保を優先するため無配が予想されています。
| 公募株数 | 総数1,672,700株 | 
| OA分 | 167,200株 | 
| 発行済み株数 | 6,089,000株 | 
| 想定価格 | 3,250円(100株単位:33万円) | 
| 仮条件 | 3,250円~3,570円 | 
| 初値予想 | 3,570円~5,000円 | 
| 想定PER | 約-倍 | 
| 想定PBR | 約53倍 | 
| 配当利回り | なし | 
| 想定時価総額 | 197億円 | 
今回の上場にあたっての吸収金額は60億円で、時価総額が197億円と東証マザーズ上場銘柄としてはやや中規模案件です。今後伸びる見込みがあるものの、吸収額が大きいため初値高騰は難しいことが想定されます。
| 株主名 | 保有割合 | ロックアップ | 
| 丸林 耕太郎 | 31.89% | 180日間 | 
| アニマリズムグループ(株) | 9.10% | 
 | 
| グロービス4号ファンド投資事業有限責任組合 | 8.57% | 90日間or1.5倍 | 
| グローバル・ブレイン6号投資事業有限責任組合 | 7.10% | 90日間or1.5倍 | 
| 大橋 優輝 | 6.92% | 180日間 | 
| KDDI新規事業育成2号投資事業有限責任組合 | 6.10% | 90日間or1.5倍 | 
| KDDI新規事業育成投資事業有限責任組合 | 5.80% | 90日間or1.5倍 | 
| Globis Fund IV, L.P. | 5.15% | 90日間or1.5倍 | 
| 日本郵政キャピタル(株) | 3.07% | 90日間or1.5倍 | 
| SBI AI& Blockchain投資事業有限責任組合 | 3.07% | 90日間or1.5倍 | 
同社の株主構成ですが、代表取締役社長であり創業者である丸林社長が筆頭株主で、32%を保有しています。資産管理会社分を含めると約41%を有しています。その他役員・従業員が株主に名を連ねていますが、目立つのがグロービス系ファンドを含めたVCの大群が名簿に連ねています。
今回の売出は丸林社長及び各VCを含めた14者で、1,559,700株の売出です。
今回の公募によって調達する資金は3.2億円で、調達資金はサービス拡充費用や運転資金に充てられる予定です。
一部の大株主には90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっていますが、VCの多さから上場後のエグジットリスクが非常に高いです。
今回は売出が公募を大きく上回るエグジット案件で、ファンドのエグジットイベント要素が鮮明なIPOとなります。公募割れリスクは少ないものの、初値高騰はそこまで期待できません。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「クリーマ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
| 
 | 
 | 割当率 | 株数 | 
| 主幹事 | SBI証券 | 86.37% | 1,589,100株 | 
| 幹事 | 大和証券 | 4.54% | 83,600株 | 
| みずほ証券 | 3.18% | 58,500株 | |
| SMBC日興証券 | 2.27% | 41,800株 | |
| エース証券 | 0.91% | 16,700株 | |
| 岩井コスモ証券 | 0.91% | 16,700株 | |
| 岡三証券 | 0.91% | 16,700株 | |
| 丸三証券 | 0.46% | 8,400株 | |
| 水戸証券 | 0.46% | 8,400株 | 
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他大和証券を含む8社が幹事を務めます。
著者のまとめ
コロナ禍の巣篭もりにおいて、ハンドメイド商品への注目が高まっていることから、同社もついに上場に踏み切ることになりました。事業規模としてはまだまだ小さいため、着実な業績向上が必要不可欠になるものの、上場後の動向は気になるところです。

 
						 
	        		             
	        		             
	        		             
	        		             
	        		             
	        		             
	        		            