2021年3月24日に東証マザーズ市場へ上場する「Sharing Innovations[シェアリング イノベーションズ]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
Sharing Innovationsの上場日は!?期待度は?
同社はクラウドインテグレーションの開発を手がけるシステム開発会社です。
近年DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れから、クラウドベースのシステム導入が増えており、株式市場の中でもDX関連銘柄への注目度が高いなど非常に楽しみなIPOとなると言えます。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | Sharing Innovations[シェアリング イノベーションズ] |
上場市場 | 東証マザーズ |
銘柄コード | 4178 |
事業内容 | システム開発ならびにクラウドインテグレーション |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 2008年 |
従業員 | 227名 |
会社HP | https://sharing-innovations.com/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2021年3月24日(水) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2021年3月9日(火)~ 2021年3月15日(月) |
価格決定日 | 2021年3月16日(火) |
購入申込期間 | 2021年3月17日(水)~ 2021年3月22日(月) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://sharing-innovations.com/service/platform/)
同社は2008年にソフトウエア開発を目的に設立し、2017年に東証1部上場のデジタルマーケティング会社であるOrchestra Holdingsに買収されたのち、M&A等で事業拡大を図ってきました。
同社事業は主に「DX(デジタルトランスフォーメーション)事業」と「PF(プラットフォーム)事業」の2セグメントで運営されています。
DX事業ではクラウドサービスを用いたシステム開発を行っており、米国・Salesforce社のサービスを顧客向けに提供しています。在宅ワークなどが増える中、企業システムのクラウド化が大きく進んでおり、大きな需要を受け伸びている事業です。
クラウドサービスの他、JavaやRubyといったオープン系技術を用いたシステム開発を手掛けており、DX領域に関して幅広く対応できていると言えます。
また、PF事業では占いチャットアプリ「ウラーラ」といったアプリ開発を手掛けています。鑑定結果は114万件、平均月間利用者は8,400人を超える勢いで、占いアプリの中でも高い評価を受けています。
上場後は更なるDXへの需要を受け事業拡大が進むことが予想されています。
2015年12月期 | 2016年12月期 | 2017年12月期 | 2018年12月期 | 2019年12月期 | |
売上高(百万円) | 76 | 97 | 142 | 676 | 2,725 |
経常利益(百万円) | 0 | 1 | 16 | 59 | 151 |
当期純利益(百万円) | 0 | 0 | 11 | 62 | 74 |
純資産額 (百万円) | 4 | 5 | 106 | 388 | 866 |
BPS(円) | 70,675 | 76,893 | 110,491 | 123 | 236 |
EPS(円) | 3,583 | 6,218 | 70,967 | 30 | 23 |
自己資本比率(%) | 10.3 | 12.50 | 79.9 | 66.8 | 60.9 |
ROE(%) | 5.2 | 8.4 | 20.7 | 25 | 11.8 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は急拡大の途上にあります。2017年にOrchestra Holdingsに買収されたところより売上・利益共に急拡大しており、引き続き右肩上がりに成長することが予想されています。
尚、2020年12月期3Q(2020年9月)の売上高は2,749百万円、経常利益は169百万円となっており、既に前期を上回った業績を見せています。コロナ禍においてDX需要が高まっており、業績は非常に伸びている状況です。
配当は創業来無配となっており、上場後も内部留保を優先するため当面無配が予想されています。
公募株数 | 総数1,035,000株 (内、公募50,000株、売出985,000株) |
OA分 | 25,800株 |
発行済み株数 | 3,710,000株 |
想定価格 | 2,670円(100株単位:27万円) |
仮条件 | 2,670円 ~ 2,850円 |
初値予想 | 3,800円 ~ 7,000円 |
想定PER | 約134倍 |
想定PBR | 約10倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 99億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は28億円で、時価総額が99億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。注目業界であることもあり、初値高騰は見込めるでしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
(株)Orchestra Holdings | 87.21% | 180日間 |
有田 佳史 | 6.77% | |
飯田 啓之 | 2.30% | |
根本 崇司 | 2.30% | |
柳 径太 | 0.48% | |
女鹿 慎司 | 0.38% | |
中川 義則 | 0.24% | |
久田 友紀 | 0.08% | |
山下 祐介 | 0.08% | |
足立 研一郎 | 0.08% |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は親会社であるOrchestra Holdingsで87%を保有しています。その他役員及び従業員で株式が保有されています。今回は東証1部上場会社の子会社上場となる案件です。
今回の売出はOrchestra Holdingsのみで、985,000株の売出です。
今回は公募で1.1億円の資金調達を行い、調達資金はエンジニア採用のための人件費に充てる予定です。
尚、大株主にはOrchestra Holdings のみ180日のロックアップがかかっておりますが、上場後もOrchestra Holdingsの子会社として引き続き運営がなされるため、エグジットリスクはほぼないと言えます。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、Orchestra Holdingsによる一部保有分のエグジットが主旨の案件です。
積極的なM&Aを展開してきたOrchestra Holdingsにとっては、売出による資金によって更に投資を進めていき、同社としては上場会社としてビジネスを行うなど、大きな害のでないエグジット案件であることから初値高騰は一定は見込めるでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「Sharing Innovations」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 85.34% | 905,300株 |
幹事 | 野村證券 | 8.79% | 93,200株 |
みずほ証券 | 1.95% | 20,700株 | |
SMBC日興証券 | 0.98% | 10,400株 | |
エース証券 | 0.98% | 10,400株 | |
岩井コスモ証券 | 0.98% | 10,400株 | |
松井証券 | 0.98% | 10,400株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含めた6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日にはシキノハイテックが上場してきますが、同社への注目が高いため資金が集まり初値高騰が見込めるでしょう。DX関連銘柄の値上がりが目立っており、同社も同様に順調な株価が見込めるでしょう。
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