2020年3月2日に東証1部市場へ上場する「カーブスホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
カーブスホールディングスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
カーブスホールディングス |
上場市場 |
東証1部 |
銘柄コード |
7085 |
事業内容 |
女性向けフィットネス施設「カーブス」の運営等 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2008年 |
従業員 |
487名 |
会社HP |
https://www.curvesholdings.co.jp/ |
監査法人 |
ひびき |
上場日 |
2020年3月2日(月) |
主幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
BB期間 |
2020年2月13日(木)~2020年2月19日(水) |
価格決定日 |
2020年2月20日(木) |
購入申込期間 |
2020年2月21日(金)~2020年2月27日(水) |
同社は女性専用のフィットネスクラブ「カーブス」を運営する会社です。
上場会社で同社の親会社であるコシダカホールディングスより「スピンオフ」によってこの度上場する運びとなりました。日本では2017年に税制整備がなされてから初めての「株式分配型スピンオフ」案件となることから注目を集めています。
どんなことをしている会社なの?
同社は2005年に「㈱カーブスジャパン」として設立し、1992年にアメリカで誕生した「カーブス」の日本におけるマスターライセンス会社としてスタートしました。2008年に現会社のコシダカホールディングスの子会社となり、今日までコシダカホールディングスの主力事業の一端を担ってきました。
女性専用のフィットネスで、スタッフも女性のみのコンセプトで50代の女性をターゲットに顧客数を伸ばしてきました。2019年11月末時点でFC店を含め2,008店舗、会員数86万人まで拡大しています。
できる限り生活圏内で短時間でも気軽に通えるモデルとなっており、47都道府県で展開しています。2018年に本家アメリカの「カーブスインターナショナル」を買収し、カーブスのオーナーとして世界展開を進めています。2019年には欧州事業会社を買収するなど積極的な事業拡大を行っています。
今回は2017年に日本の税制改正によって認められるようになった「スピンオフ税制」を活用した第1案件です。税制改正によって、親会社から株式を現物配当したものに対して課税されないため、全く違う事業を行うグループ会社の独立性を強めると共に、既存株主に対して同等の株式を無償で渡すことができるようになりました。
従って、コシダカホールディングスの株主は1株につき「カーブスホールディングス」の株を1株もらうことができます。これに伴いコシダカホールディングスの子会社ではなくなる形です。併せて、公募増資を行い資金調達を行うため今回のIPOとなりました。
売上や成長性は?
|
2015年8月期 |
2016年8月期 |
2017年8月期 |
2018年8月期 |
2019年8月期 |
売上高(百万円) |
1,442 |
1,760 |
1,472 |
27,937 |
28,036 |
経常利益(百万円) |
1,028 |
1,301 |
997 |
5,293 |
5,243 |
当期純利益(百万円) |
1,017 |
1,301 |
998 |
3,489 |
3,707 |
純資産額 (百万円) |
2,922 |
2,223 |
3,170 |
8,361 |
7,742 |
BPS(円) |
7,304,919 |
5,556,529 |
7,925,668 |
20,903,446 |
94 |
EPS(円) |
2,541,296 |
3,251,610 |
2,494,139 |
8,721,863 |
61 |
自己資本比率(%) |
56.5 |
50.8 |
59.5 |
22.4 |
22.6 |
ROE(%) |
29.8 |
50.6 |
37 |
41.6 |
46 |
配当性向(%) |
196.7 |
3.8 |
300.7 |
63.4 |
69.4 |
業績は横ばいです。2018年8月期より連結決算となっており、米国本社やお欧州事業会社の買収を行ったことから、売上高・利益共に連結べースで急拡大しています。ただし、利益ベースでは横ばいとなっているため強い成長は感じません。尚、2020年8月期1Q(2019年11月末)売上高は7,336百万円、経常利益は1,593百万円となっています。配当は年2回を予定しており、上場後は連結配当性向50%を目標に配当を出していく方針です。
公募株数 |
総数2,415,000株 (内、公募2,415,000株、売出0株) |
OA分 |
362,000株 |
発行済み株数 |
84,713,284株 |
想定価格 |
720円(100株単位:7万円) |
仮条件 |
720円~750円 |
初値予想 |
750円~900円 |
想定PER |
約16倍 |
想定PBR |
約7倍 |
配当利回り |
約4% |
想定時価総額 |
609億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は20億円で、時価総額が609億円と東証一部上場案件となるため、資金調達額はそこまで大きくありません。既に構築されたビジネスモデルであるためそこまで目新しさはありません。高配当銘柄となるため個人投資家を中心に買いが集まる可能性があります。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
㈱コシダカホールディングス |
90.00% |
180日間 |
増本 岳 |
5.50% |
180日間 |
坂本 眞樹 |
2.25% |
180日間 |
増本 陽子 |
2.25% |
180日間 |
同社の大株主は、親会社の㈱コシダカホールディングスで90%の同社株を保有していますが、スピンオフによって全株をコシダカホールディングスの株主に配分され、保有割合が0になる予定です。既存株主である増本社長はカーブスジャパンの創業者であり、他2名も創業メンバーであり取締役です。
今回の売出を行いません。
公募は15.7億円の資金調達で、カーブスの会員管理システムへの投資や、店舗拡大への投融資に充当する予定です。大株主には180日のロックアップが掛かっておりますが、コシダカ株主に現物配当された場合には大きく株主構成が変動する可能性もあります。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、売出を行う予定がありません。確立した事業モデルであるため市場の評価は分かれます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「カーブスホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
91.31% |
2,535,700株 |
幹事 |
野村證券 |
4.35% |
120,700株 |
SMBC日興証券 |
1.74% |
48,300株 |
|
いちよし証券 |
0.87% |
24,100株 |
|
丸三証券 |
0.87% |
24,100株 |
|
岡三証券 |
0.87% |
24,100株 |
今回の主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含めた5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
日本で初めて「スピンオフ税制」を活用した案件として注目を集めることは間違いありません。カーブスの知名度も高く、個人投資家中心に買いを集めそうです。高配当である点も一つ注目点です。
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