2020年3月6日に東証マザーズ市場へ上場する「きずなホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
きずなホールディングスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
きずなホールディングス |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7086 |
事業内容 |
葬儀施行および葬儀関連業務を提供する葬儀施行業など |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2017年 |
従業員 |
298名 |
会社HP |
https://www.kizuna-hd.co.jp/ |
監査法人 |
太陽 |
上場日 |
2020年3月6日(金) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2020年2月18日(火)~2020年2月25日(火) |
価格決定日 |
2020年2月26日(水) |
購入申込期間 |
2020年2月27日(木)~2020年3月3日(火) |
同社は葬儀事業を運営する会社です。
近年増えている家族葬に対応した葬儀ホールを展開しており、全国にて運営しています。高齢化に伴う葬儀ニーズに対応した事業展開を行う同社の上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.famille-kazokusou.com/)
同社は2017年に設立された持株会社ですが、元は1971年に設立した株式会社みやそう(が同社の源流です。吸収合併や新会社設立などを経て現在の形となっています。
同社は葬儀業界に特化した事業拡大を行ってきており、葬儀ホールを「直営」および「委託」の2モデルで運営しています。
同社ブランドは「家族葬のファミーユ」と「弔家の灯」、「イマージュ」といったブランドを展開しており、直営店は7道府県、79ホールとなっています。
また、委託モデルでは、直営では採算の取りにくいエリアにおいて、公営斎場を活用し、提携葬儀社への事業委託によって運営しています。2019年12月末現在で49社の業務委託先、4都県で運営されています。
基本的には葬儀施行による売上や提携葬儀社のネットマッチングによる仲介手数料収入で売上を形成しており、高齢化の流れに伴って増加している死亡者における葬儀需要をキャッチしています。
上場後も引き続き拡大を増加し、事業拡大を狙っていく方針です。
売上や成長性は?
|
2018年5月期 |
2019年5月期 |
売上高(百万円) |
6,417 |
7,194 |
経常利益(百万円) |
642 |
813 |
当期純利益(百万円) |
293 |
406 |
純資産額 (百万円) |
2,857 |
3,269 |
BPS(円) |
842 |
963 |
EPS(円) |
86 |
120 |
自己資本比率(%) |
18.5 |
19.6 |
ROE(%) |
10.8 |
13.3 |
配当性向(%) |
₋ |
₋ |
業績は着実に伸びています。2018年5月期に現法人格に変更し、会計基準がIFRSを導入しました。売上高・利益ともに葬儀需要の増加を受け増加傾向となっております。尚、2020年5月期2Q(2019年11月末)売上高は3,829百万円、営業利益は380百万円となっています。折り返し地点では過去最高業績に向かって動いています。配当はこれまで出しておらず、当面は事業拡大に向け、ホール開設やM&Aに取り組む予定で、当面無配方針です。
公募株数 |
総数1,747,200株 (内、公募50,000株、売出1,697,200株) |
OA分 |
262,000株 |
発行済み株数 |
3,444,235株 |
想定価格 |
2,200円(100株単位:22万円) |
仮条件 |
2,200円~2,320円 |
初値予想 |
2,400円~2,800円 |
想定PER |
約19倍 |
想定PBR |
約2倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
76億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は44億円で、時価総額が76億円と東証マザーズ上場案件としては小ぶりです。時価総額に対する吸収額が大きく、胃もたれ感のある上場案件です。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズV号 |
66.89% |
90日間or1.5倍 |
AP Cayman Partners III, L.P. |
22.87% |
90日間or1.5倍 |
Japan Fund V, L.P. |
5.91% |
90日間or1.5倍 |
アドバンテッジパートナーズ投資組合64号 |
1.97% |
90日間or1.5倍 |
中道 康彰 |
1.44% |
|
関本 彰大 |
0.72% |
|
岡崎 仁美 |
0.07% |
|
下田 啓明 |
0.01% |
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宮本 和信 |
0.01% |
|
高尾 幸雄 |
0.01% |
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同社の大株主は、国内系PEファンド会社であるアドバンテッジパートナーズが運営するファンドで全体の90%以上を保有しています。同社の代表取締役社長CEOの中道康彰氏を含め、その他役員および利害関係者によって株式が保有されています。
今回の売出はアドバンテッジパートナーズ系ファンドのみで、1,697,200株の売出です。
公募は1億円の資金調達で、出店予定の葬儀ホールへの設備投資資金に充当する予定です。アドバンテッジパートナーズ系ファンドには90日or1.5倍のロックアップが掛かっており、上場後の動きは公募価格の1.5倍までは概ね上昇する可能性はあります。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、実質9割以上を保有するアドバンテッジパートナーズ運営ファンドによる株式売出目的の上場です。業績が拡大しておりますが、ファンドエグジット案件はあまり印象が良くないため、初値には注意が必要でしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「きずなホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
–% |
–株 |
幹事 |
みずほ証券 |
–% |
–株 |
SBI証券 |
–% |
–株 |
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マネックス証券 |
–% |
–株 |
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楽天証券 |
–% |
–株 |
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いちよし証券 |
–% |
–株 |
今回の主幹事はいちよし証券野村證券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
積極的なM&Aを実施し、葬儀事業を拡大している同社の上場です。PEファンドによる事業承継M&Aによって取得した葬儀ホールを活用した事業展開について、拡大期待はあるものの、初値高騰にはなりにくい印象です。ただし、上場後落ち着いたタイミングでの価格上昇余地は業績面からも期待できるため注視しておきたいところです。