2020年10月30日に東証マザーズ市場へ上場する「Retty(レッティ)」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
Rettyの上場日は!?期待度は?
同社は口コミグルメサイトを運営する会社です。
同業では口コミ等への信憑性が問われている中、SNSと連携を行い「実名登録」を基本にしているなど、上場前より知名度の高いグルメアプリの1つです。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
Retty(レッティ) |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7356 |
事業内容 |
グルメプラットフォーム『Retty』の運営など |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2010年 |
従業員 |
132名 |
会社HP |
https://corp.retty.me/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年10月30日(金) |
主幹事 |
大和証券 |
BB期間 |
2020年10月15日(木)~ 2020年10月21日(水) |
価格決定日 |
2020年10月22日(木) |
購入申込期間 |
2020年10月23日(金)~ 2020年10月28日(水) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://corp.retty.me/)
同社は2010年に現代表取締役社長の武田和也氏によって設立された会社です。その後2011年に同社のメイン事業である実名型グルメプラットフォーム「Retty」をリリースし、年を追って成長させてきました。
Rettyはユーザーによって飲食店の情報を蓄積していくグルメプラットフォームで、同業ですと食べログやぐるなび等があります。同業が運営するグルメアプリとRettyとの大きな違いは「実名」を重視した口コミサイトになっている点です。
リリース来SNSとの連携することで、実名による口コミであることが明確になるため、信憑性が求められるグルメプラットフォームとして成長をさせてきました。2019年5月時点で月間利用者4,814万人まで増加してきましたが、コロナ禍による飲食店休業の影響を受け、利用者は減少しました。
その後は回復を見せていますが、飲食店と共にあるビジネスであるため、今後の成長はコロナ禍の動向が気になるところです。
同社はユーザーに対して無料提供する一方で、飲食店に対して有料課金を行うことで売上を構成し、飲食店に対してユーザーの送客等を行うプラットフォームを構築しています。その他広告事業を展開しており、Retty内での広告配信枠を提供し収益を生み出しています。
|
2015年9月期 |
2016年9月期 |
2017年9月期 |
2018年9月期 |
2019年9月期 |
売上高(百万円) |
132 |
540 |
1,268 |
1,691 |
2,268 |
経常利益(百万円) |
△472 |
△594 |
△392 |
△221 |
100 |
当期純利益(百万円) |
△478 |
△596 |
△427 |
△230 |
156 |
純資産額 (百万円) |
701 |
1,186 |
759 |
537 |
693 |
BPS(円) |
△710 |
△1,135 |
△1,501 |
△138 |
△121 |
EPS(円) |
△508 |
△566 |
△366 |
△25 |
17 |
自己資本比率(%) |
89.8 |
87.80 |
76 |
67.6 |
64.7 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
25.8 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は順調に伸ばしてきました。売上高は5期連続増収で、利益も前期に黒字転換を果たしました。
尚、2020年9月期3Q(2020年6月末)の売上高は1,712百万円、経常利益は21百万円とコロナウイルスによる影響を受け成長にブレーキがかかってしまいました。感染者拡大によって、飲食店への休業要請が発生するとなると更に成長にはネガティヴ要素になります。
配当はこれまでも無配で、上場後も内部留保の確保を優先するため無配が予想されます。
公募株数 |
総数4,818,600株 (内、公募200,000株、売出4,618,600株) |
OA分 |
722,700株 |
発行済み株数 |
10,812,504株 |
想定価格 |
1,150円(100株単位:12万円) |
仮条件 |
1,150円 ~ 1,180円 |
初値予想 |
1,500円 ~2,000円 |
想定PER |
約80倍 |
想定PBR |
約14倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
124億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は64億円で、時価総額が124億円と東証マザーズ上場銘柄としてはやや中規模案件です。約半分の株式が売り出されるため、初値高騰は難しいでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
武田和也 |
29.40% |
180日間 |
YJ2号投資事業組合 |
13.12% |
180日間 |
JAPAN VENTURES I L.P. |
10.32% |
|
AT-Ⅰ投資事業有限責任組合 |
7.19% |
180日間or1.5倍 |
WiL Fund I, L.P. |
6.22% |
|
CA Startups Internet Fund 1号 投資事業有限責任組合 |
3.96% |
|
テクノロジーベンチャーズ3号投資事業有限責任組合 |
3.84% |
|
PC投資事業有限責任組合 |
3.35% |
180日間 |
NTTインベストメント・パートナーズファンド3号投資事業有限責任組合 |
3.30% |
|
長束鉄也 |
3.17% |
180日間 |
同社の株主構成ですが、創業者である武田社長が29%を保有する筆頭株主ですが、オーナーとなるほど株式は有していません。役員・従業員を株主に含むものの、VC等が多く入っており、資金調達を繰り返してきたことがわかります。
今回の売出は武田社長やVCを含めた13者で、4,618,600株の売出です。。
今回の公募によって調達する資金は2億円で、調達資金は人材採用費や運転資金に充てられる予定です。
一部の大株主には180日や公募価格1.5倍のロックアップがかかっていますが、ロックアップがかかっていないVCもいるため、上場後のエグジットリスクは高いです。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、これまで出資を行ってきたファンドのエグジットイベントに協力する格好になります。足元の飲食業界の状況改善がなければ高い成長性は見込めないといえます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「Retty」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
共同主幹事 |
大和証券 |
79.73% |
3,599,900株 |
SMBC日興証券 |
14.94% |
674,600株 |
|
幹事 |
SBI証券 |
2.67% |
120,400株 |
野村證券 |
1.07% |
48,100株 |
|
みずほ証券 |
0.53% |
24,000株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.43% |
19,200株 |
|
いちよし証券 |
0.43% |
19,200株 |
|
エース証券 |
0.21% |
9,600株 |
今回の主幹事は大和証券とSMBC日興証券が共同で主幹事を務めます。その他SBI證券を含む6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
高い成長を遂げてきた同社にとって、コロナ禍の影響は想定外のものであったと言えます。ただし、ビジネスの方向性は悪い訳ではないため、業績次第ですが一定の評価は受けそうです。