2020年12月21日に東証マザーズ市場へ上場する「いつも」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
いつもの上場日は!?期待度は?
同社はECの運営支援事業を展開する会社です。
コロナ禍によって更に需要が増したECですが、大手企業を中心に長くEC支援を行ってきた実績のある会社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
いつも |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7694 |
事業内容 |
EC総合支援 |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
2007年 |
従業員 |
166名 |
会社HP |
https://itsumo365.co.jp/ |
監査法人 |
太陽 |
上場日 |
2020年12月21日(月) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2020年12月3日(木)~2020年12月9日(水) |
価格決定日 |
2020年12月10日(木) |
購入申込期間 |
2020年12月11日(金)~2020年12月16日(水) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://itsumo365.co.jp/service/ec/ecconsulting.html)
同社は2007年に船井総合研究所出身の坂本守氏と望月智之氏によって設立されたECコンサルティング会社です。当時より拡大していたEコマース領域に対して支援を行うビジネスを創業来続けています。
セグメントは「ECワンプラットフォーム」単一事業であり、大きく分けて「ECマーケットプレイスサービス」と「ECマーケティングサービス」の2サービスで運営されています。
ECマーケットプレイスサービスは創業来のビジネスであり、EC事業への参入を希望するクライアントやEC領域の成長を望むクライアントに対して戦略を立案するものです。
主に、市場調査や競合分析を踏まえて、サイト制作や更新、広告運用から注文・出荷・棚卸までを一貫してサポートしており、クライアントのニーズに合わせてサービスの提供を行っています。
また自社サイトによるDtoC支援から、Amazonや楽天等のECプラットフォームへの出店支援と幅広く手がけており、同社が委託する物流会社16社の物流網を提供することで、物流におけるサポートも可能としております。
ECマーケットサービスはEC戦略に応じたコンサルティングやマーケティング、ビッグデータの提供を行うサービスで、EC導入の有無に関わらずサービスを提供しております。
これまで、吉野家や東急ハンズなど大手企業と取引が多く、上場後も引き続き取引クライアントの拡大や越境EC領域の拡大に努めていく模様です。
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
売上高(百万円) |
842 |
1,055 |
2,283 |
4,404 |
5,262 |
経常利益(百万円) |
10 |
△18 |
21 |
81 |
198 |
当期純利益(百万円) |
△4 |
△19 |
4 |
70 |
144 |
純資産額 (百万円) |
△24 |
△43 |
△37 |
32 |
176 |
BPS(円) |
△120,783 |
△213,480 |
△161,916 |
7 |
38 |
EPS(円) |
△21,789 |
△92,697 |
19,680 |
15 |
31 |
自己資本比率(%) |
△4.2 |
△4.7 |
△3.4 |
2 |
7.8 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
137.8 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は順調に伸ばしています。売上高は5期連続増収となっており、利益も3期連続で増益となっています。
尚、2021年3月期2Q(2020年9月)の売上高は4,557百万円、経常利益は359百万円となっており、コロナ禍においても順調な業績を叩き出しており、今期も最高業績が期待できます。また、コロナ禍によるEC需要の高まりに乗じて更なる成長が見込めそうです。
配当は創業来無配で、財務面の健全化を図るためにも内部留保を優先し引き続き無配が予定されています。
公募株数 |
総数1,400,000株 |
OA分 |
210,000株 |
発行済み株数 |
5,400,000株 |
想定価格 |
1,440円(100株単位:14万円) |
仮条件 |
1,440円 ~ 1,540円 |
初値予想 |
2,200円 ~ 4,000円 |
想定PER |
約54倍 |
想定PBR |
約6倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
78億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は23億円で、時価総額が78億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。規模感としては数倍の初値は期待できないものの、順調な業績を背景に今後への成長期待からある程度楽しみな初値がつくことが想定されます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)つづく |
48.03% |
180日間 |
(株)望月智之事務所 |
24.02% |
180日間 |
坂本 守 |
12.01% |
180日間 |
望月 智之 |
8.00% |
180日間 |
高木 修 |
0.52% |
継続保有 |
関 豊 |
0.52% |
継続保有 |
立川 哲夫 |
0.44% |
継続保有 |
義家 聖太郎 |
0.44% |
継続保有 |
本多 正史 |
0.44% |
継続保有 |
杉浦 通之 |
0.44% |
継続保有 |
同社の株主構成ですが、代表取締役である坂本守氏がの資産管理会社が筆頭株主で、同社株の48%を保有しています。個人分を合わせると60%を有するオーナーです。また次点には共同創業者であり副社長の望月智之氏の資産管理会社で24%、個人分を合わせると36%を有し、合わせると同社株の96%を有する格好となります。
その他役員・従業員が株式を保有しており、外部のVCや事業会社はいない模様です。
今回の売出は坂本社長と望月副社長のみで、60万株の売出です。
今回は公募にて10.5億円の資金調達を行い、調達資金の運転資金やシステム投資、借入金返済費用に充てる予定です。
尚、大株主には180日のロックアップがかかっており、エグジットリスクは極めて低い案件です。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業拡大のための資金調達となります。VC等がいない案件であり、健全な資金調達のためのIPOであるため評価できるでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「いつも」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
85.22% |
1,372,000株 |
幹事 |
野村證券 |
10.43% |
168,000株 |
岩井コスモ証券 |
1.74% |
28,000株 |
|
松井証券 |
0.87% |
14,000株 |
|
極東証券 |
0.87% |
14,000株 |
|
SBI証券 |
0.43% |
7,000株 |
|
楽天証券 |
0.43% |
7,000株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含めた6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
12月21日にはポピンズホールディングスが上場してきますが、同社への注目が集まりそうです。順調な業績と事業としての成長性に期待を集めそうです。