2020年11月19日に東証マザーズ市場へ上場する「MITホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
MITホールディングスの上場日は!?期待度は?
同社はシステムインテグレーションサービスや認証・CADシステムの開発を行う会社です。
今後実用化のニーズが高まっている顔認証システムの開発等、システム開発が求められる今日において需要のある事業を行っている会社の1社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
MITホールディングス |
上場市場 |
東証ジャスダックスタンダード |
銘柄コード |
4016 |
事業内容 |
システムインテグレーションサービス(開発、運用保守、インフラ構築など)およびソリューションサービス |
所在地 |
千葉県千葉市 |
設立 |
2009年 |
従業員 |
296名 |
会社HP |
https://mit-hd.co.jp/ |
監査法人 |
A&Aパートナーズ |
上場日 |
2020年11月25日(水) |
主幹事 |
SBI証券 |
BB期間 |
2020年11月6日(金)~ 2020年11月12日(木) |
価格決定日 |
2020年11月13日(金) |
購入申込期間 |
2020年11月16日(月)~ 2020年11月19日(木) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://mit-hd.co.jp/company-group-introduction/business-contents/)
同社は2009年に設立された持株会社で、創業は1990年に設立した同社子会社の株式会社システムイオがスタートとなります。
同社は主にシステムインテグレーション事業とソフト開発のソリューション事業を行っており、子会社は地域毎に分かれて事業を行っています。
システムインテグレーション事業では、官公庁や大手企業の業務改善システムの構築に努めており、これまで中央省庁向け年金システムや地方自治体予算管理システム等の構築経験があります。
その他、金融機関向けシステムや携帯電話基地局のインフラ設計の実績を有しています。
またソリューション事業では、2次元汎用CAD「DynaCAD」といったパッケージソフトや、3D顔認証システムをはじめとした生体認証機器のコンサルティングを手掛けており、認証システムに関しては今後も伸びる分野として注目されています。
|
2015年11月期 |
2016年11月期 |
2017年11月期 |
2018年11月期 |
2019年11月期 |
売上高(百万円) |
270 |
290 |
340 |
3,827 |
3,845 |
経常利益(百万円) |
12 |
16 |
46 |
112 |
113 |
当期純利益(百万円) |
△19 |
8 |
31 |
58 |
60 |
純資産額 (百万円) |
317 |
326 |
357 |
235 |
315 |
BPS(円) |
40,795 |
41,974 |
45,978 |
152 |
181 |
EPS(円) |
△2,479 |
1,076 |
4,005 |
38 |
39 |
自己資本比率(%) |
44.6 |
42.20 |
41.7 |
19.4 |
25.3 |
ROE(%) |
– |
2.6 |
9.1 |
28.4 |
22 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
28.5 |
業績はまずまずの状況です。2018年11月期より連結決算となっているので、数字面で比較にしくいところですが、売上高・利益ともに微増となっています。
尚、2020年11月期3Q(2020年8月)の売上高は2,837百万円、経常利益は74百万円となっており、売上高、利益共に前期を下回る可能性が高い見通しです。
配当は前期より配当を出しており、上場後も内部留保の確保を優先しつつも配当を出していく方針です。尚、配当利回りは前期で0.7%で、今期も同程度が予想されます。
公募株数 |
総数550,000株 (内、公募250,000株、売出300,000株) |
OA分 |
0株 |
発行済み株数 |
1,991,600株 |
想定価格 |
610円(100株単位:6万円) |
仮条件 |
630円~690円 |
初値予想 |
1,800円~3,000円 |
想定PER |
約20倍 |
想定PBR |
約3倍 |
配当利回り |
0.7% |
想定時価総額 |
12億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は3億円で、時価総額が12億円と東証ジャスダックスタンダード上場銘柄としては小規模案件です。業種としては同様に上場企業が多いものの、非常に割安水準での上場となりますので初値への期待は持てます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
鈴木 浩 |
18.53% |
180日間 |
ちば新産業育成投資事業有限責任組合 |
12.96% |
|
7ベルティーピー(株) |
12.44% |
180日間 |
朝日生命保険相互会社 |
6.63% |
180日間 |
MITホールディングス従業員持株会 |
5.02% |
180日間 |
中森 将雄 |
4.54% |
180日間 |
増田 典久 |
4.26% |
180日間 |
沼倉 巧和 |
3.38% |
180日間 |
高梨 政彦 |
1.97% |
|
TDCソフト(株) |
1.87% |
180日間 |
同社の株主構成ですが、代表取締役社長であり創業者である鈴木社長が19%を保有しており、資産管理会社分を含めると約30%を有する筆頭株主です。役員・従業員を株主に含むものの、全体的には銀行系ファンドや保険会社、事業会社等が多く入っており、株主は分散している印象です。
今回の売出はちば新産業育成投資ファンドと鈴木社長を含めた4者で、30万株の売出です。
今回の公募によって調達する資金は1.3億円で、調達資金は社内システムの刷新や人材採用費及び人件費、3DCADのソフトウェア開発費用に充てられる予定です。
一部の大株主には180日のロックアップがかかっており、全体的に上場後のエグジットリスクは低い案件です。
今回は売出が公募をやや上回るエグジット案件ですが、ちば新産業育成投資ファンドが保有分を全てエグジットするためのイベントとして今回のIPOが使われているため、その他エグジットリスクを心配する必要はなく、初値高騰も期待できます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「MITホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SBI証券 |
85.00% |
467,500株 |
幹事 |
みずほ証券 |
3.00% |
16,500株 |
岡三証券 |
2.00% |
11,000株 |
|
ちばぎん証券 |
2.00% |
11,000株 |
|
東洋証券 |
1.00% |
5,500株 |
|
水戸証券 |
1.00% |
5,500株 |
|
岩井コスモ証券 |
1.00% |
5,500株 |
|
極東証券 |
1.00% |
5,500株 |
|
マネックス証券 |
1.00% |
5,500株 |
|
エース証券 |
1.00% |
5,500株 |
|
丸三証券 |
1.00% |
5,500株 |
|
楽天証券 |
1.00% |
5,500株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含む11社が幹事を務めます。
著者のまとめ
システムインテグレーション事業に対する需要は逼迫しており、同社への今後の需要は当面あると見られています。また、認証システムに関しては東京オリンピックを含め様々な場面での需要が想定されているため、割安かつ小規模案件として買いを集めるでしょう。