2021年4月7日に東証2部市場へ上場する「表示灯」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
表示灯の上場日は!?期待度は?
同社は地図広告「ナビタ」を中心とした交通広告を手がける会社です。
駅を中心に地図が掲載されているのを目にしている方も多いと思いますが、業界ではほぼ独占しているナビタを提供しているニッチトップの会社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | 表示灯 |
上場市場 | 東証2部 |
銘柄コード | 7368 |
事業内容 | 各駅周辺案内図の広告の設置、運営及び交通広告、屋外広告等を取り扱う一般広告代理店業務 |
所在地 | 愛知県名古屋市 |
設立 | 1967年 |
従業員 | 440名 |
会社HP | https://www.hyojito.co.jp/ |
監査法人 | 仰星 |
上場日 | 2021年4月7日(水) |
主幹事 | 野村證券 |
BB期間 | 2021年3月22日(月)~ 2021年3月26日(金) |
価格決定日 | 2021年3月29日(月) |
購入申込期間 | 2021年3月30日(火)~ 2021年4月2日(金 ) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.hyojito.co.jp/business/navita/station/)
同社は1967年に吉田大士氏と栗本肇の同級生によって設立した会社です。創業当初より公共の分野にて貢献できる事業を行うことを軸に、市バスのバス停に交通広告を出す事業からスタートしていきました。
同社の事業は3セグメントに分かれており、「ナビタ事業」、「アド・プロモーション事業」、「サイン事業」の3事業で構成されており、中でもナビタ事業が主力事業です。
「ナビタ事業」とは、駅や病院、公共機関において広告や情報を記載した広告媒体のことを指しており、例えば駅に設置してある地図広告等を指します。駅周辺の地図から、周辺企業の広告、避難場所等に記載があり、駅を訪れた方が一目でわかるような広告にしてあるのが特徴です。JRや私鉄を始め、全国2,504駅に設置されており、業界シェアは9割以上となっています。
近年はデジタル化の流れから、LEDや液晶モニタによるナビタを増やしており、時代の移り変わりがあっても高いシェアを誇っています。
その他、「アド・プロモーション事業」では駅や電車内広告のプランニングを支援しており、「サイン事業」では看板の設計施工を手掛けています。
駅を始め、病院や公共施設といった先でナビタを設置するところが多く、同社にとって前向きな事業展開を行っており、成熟した業界であると言われる一方で、着実な成長を遂げています。
今後はDX化の波に合わせた製品開発を手掛けていく模様です。
2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
売上高(百万円) | 9,728 | 10,416 | 11,003 | 12,116 | 13,065 |
経常利益(百万円) | 720 | 771 | 756 | 1,130 | 1,205 |
当期純利益(百万円) | 504 | 542 | 1,055 | 822 | 807 |
純資産額 (百万円) | 2,849 | 3,218 | 3,942 | 4,567 | 5,174 |
BPS(円) | 33069 | 37,224 | 5,071 | 1,175 | 1,331 |
EPS(円) | 5472 | 5702 | 1,337 | 211 | 208 |
自己資本比率(%) | 34.3 | 35.7 | 38.8 | 40.6 | 42.9 |
ROE(%) | 17.6 | 17.9 | 29.5 | 19.3 | 16.6 |
配当性向(%) | 27.4 | 35.1 | 18.7 | 23.7 | 16.9 |
業績は緩やかに拡大しています。売上高は5期連続の増収で、利益は直近3期間では増益基調となっています。
なお、2021年3月期第3四半期(2020年12月)の売上高は9,725百万円で、経常利益は983百万円と、まずまずの推移です。
配当はこれまでも出してきており、上場後も株主還元策として配当を出していく方針です。尚、前期の配当性向は16.9%で、配当利回りは1.9%でした。
公募株数 | 総数1,220,000株 (内、公募650,000株、売出570,000株) |
OA分 | 183,000株 |
発行済み株数 | 4,537,245株 |
想定価格 | 1,610円(100株単位:16万円) |
仮条件 | 1,800円 ~ 2,000円 |
初値予想 | 2,200円 ~ 3,000円 |
想定PER | 約9倍 |
想定PBR | 約1倍 |
配当利回り | 1.9% |
想定時価総額 | 73億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は23億円で、時価総額が73億円と東証2部上場銘柄としては中型案件です。事業の成熟性はある一方、独占的な市場シェアを有しているため、一定数の買いは集めるでしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
喜平会(株) | 26.34% | 90日間 |
TYシエル(株) | 12.96% | 90日間 |
HKO(株) | 12.86% | 90日間 |
YKT(株) | 12.86% | 90日間 |
栗本 肇 | 10.93% | 90日間 |
MKT(株) | 9.44% | 90日間 |
吉田 大士 | 8.63% | 90日間 |
栗本 勉 | 0.81% | 90日間 |
上田 正剛 | 0.51% | 90日間 |
栗本 ふみ枝 | 0.32% |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は創業者である吉田会長の資産管理会社2社で、同社株の約39%を保有しています。個人分を合わせると48%を保有しています。
続いて同じく創業者である栗本肇副会長で、資産管理会社3社合計35%、個人分を合わせると46%となっており、2者で9割以上を保有していることになります。その他は役員や従業員で保有されています。
今回の売出は吉田会長と資産管理会社、栗本副会長の3者で570,000株の売出です。尚、上場後も株主における順位は変わらない模様です。
今回は公募で9.6億円の資金調達を行い、調達資金はナビタ設置資金等に充てる予定です。
尚、大株主には90日のロックアップがかかっております。経営陣で保有されている部分が多いため、エグジットリスクは低いでしょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、調達資金の用途がナビタ設置費用と明確であることから、一定の評価は受けそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「表示灯」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 野村證券 | 91.30% | 1,281,000株 |
幹事 | 東海東京証券 | 6.09% | 85,400株 |
SBI証券 | 1.74% | 24,400株 | |
楽天証券 | 0.87% | 12,200株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他地元愛知が本拠地である東海東京証券を含めた3社が幹事を務めます。
著者のまとめ
ニッチトップの会社の上場となるため、投資ファンドを中心に株式取得の動きが見られそうです。成熟業界の上場ですが、着実な業績推移も期待が持てるポイントでしょう。値動きに注目です。