2021年7月6日に東証マザーズ市場へ上場する「BCC」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
BCC(ビーシーシー)の上場日は!?期待度は?
同社はIT業界向け営業アウトソーシングとヘルスケアビジネスを行う会社です。
アウトソーシングとヘルスケアの2本柱で運営されているなど特徴的な会社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | BCC(ビーシーシー) |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 7376 |
事業内容 | 大手IT企業への営業支援サービスの提供、ヘルスケア分野での市場調査やプロモーション支援の提供、ヘルスケア関連施設の運営受託 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
設立 | 2014年 |
従業員 | 151名 |
会社HP | https://www.e-bcc.jp/ |
監査法人 | あずさ |
上場日 | 2021年7月6日(火) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2021年6月18日(金)~ 2021年6月24日(木) |
価格決定日 | 2021年6月25日(金) |
購入申込期間 | 2021年6月28日(月)~ 2021年7月1日(木) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.e-bcc.jp/business/healthcare.html)
同社は2014年に設立された会社です。元々は2002年にNEC出身の伊藤一彦氏によって設立された「営業創造株式会社」がスタートとなっており、合併等によって現在の形となっています。
伊藤氏はNEC時代に営業職として勤務していたものの、IT技術者の採用ばかりが優先されて、IT活用を推進するための「IT営業人材」を育成する機関が極めて少ないと感じたことから、当社を設立した経緯があります。
同社は「IT営業アウトソーシング事業(営業創造カンパニー)」と「ヘルスケアビジネス事業(スマイル・プラスカンパニー)」の2本柱で事業運営されています。
IT営業アウトソーシング事業では、大手IT企業の営業部門向けに営業人材の派遣及び請負を行なっています。また、大手IT企業の代理店として中小企業向けにクラウドサービス等通信ネットワークの提供を行なっています。
また、ヘルスケアビジネス事業では、介護レクリエーションの普及を目指した介護業務を行なっています。伊藤社長が代表理事を務める「一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会」において、「レクリエーション介護士」資格の制度運営を行なっており、介護現場におけるレクリエーションの重要性の普及活動を行なっています。
自社で運営するWebサイト「介護レク広場」では、介護レクリエーションにおける素材を無償で提供しており、介護レクリエーションの普及に努めているほか、自治体からのヘルスケア関連施設の運営委託を受けるなど、介護関連事業を拡大しています。
両事業とも、独自性がある一方、普及までにはまだ一歩足りていない状況のため、IPOによって認知度を高めたいという意向が伺えます。
2016年9月期 | 2017年9月期 | 2018年9月期 | 2019年9月期 | 2020年9月期 | |
売上高(百万円) | 524 | 677 | 825 | 1,005 | 1,031 |
経常利益(百万円) | 18 | 6 | 14 | 42 | 45 |
当期純利益(百万円) | △74 | 4 | 34 | 51 | 31 |
純資産額 (百万円) | 89 | 93 | 127 | 179 | 210 |
BPS(円) | 6,232 | 6,515 | 8,881 | 208 | 243 |
EPS(円) | △13,245 | 283 | 2,366 | 60 | 36 |
自己資本比率(%) | 27 | 29 | 30 | 38.7 | 44.9 |
ROE(%) | – | 4.4 | 30.7 | 33.6 | 15.9 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は順調に成長している状況です。売上高は5期連続増収で、経常利益は4期連続増益となっています。
尚、2021年9月期2Q(2021年3月)の売上高は574百万円、経常利益は94百万円となっており、利益面では既に前期を大幅に上回っています。
配当はこれまで無配で、上場後も内部留保の確保を優先するため当面無配予想です。
公募株数 | 総数260,000株 (内、公募200,000株、売出60,000株) |
OA分 | 39,000株 |
発行済み株数 | 1,061,000株 |
想定価格 | 1,300円(100株単位:13万円) |
仮条件 | 1,180円 ~1,300円 |
初値予想 | 2,500円 ~4,000円 |
想定PER | 約42倍 |
想定PBR | 約3倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 13億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は4億円で、時価総額が13億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。小ぶり案件ですので初値高騰が期待できそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
伊藤 一彦 | 31.01% | 180日間 |
BCC社員持株会 | 11.01% | 180日間 |
伊藤 貴子 | 7.75% | 180日間 |
プラス(株) | 6.46% | 180日間 |
K&Pパートナーズ1号 投資事業有限責任組合 | 6.46% | 90日間or1.5倍 |
中山 保代 | 5.17% | 180日間 |
みずほ成長支援 投資事業有限責任組合 | 4.85% | 90日間or1.5倍 |
安原 弘之 | 4.59% | 180日間 |
岡林 靖朗 | 4.59% | 180日間 |
荒川 弘也 | 4.36% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、創業者である伊藤社長が筆頭株主で、同社株の31%を有しています。その他は事業会社やVC、その他役員・従業員が保有しています。
今回の売出は伊藤社長を含めた4者で、計60,000株の売出です。
今回は公募で2億円の資金調達を行い、調達資金は人件費及び広告宣伝費、基幹システム購入費用に充てる予定です。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業拡大に向けた資金調達がメインとなっています。サイズ感が極めて小さいため、初値には期待が持てそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「BCC」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 86.96% | 260,000株 |
幹事 | みずほ証券 | 4.35% | 13,000株 |
岩井コスモ証券 | 1.74% | 5,200株 | |
エイチ・エス証券 | 1.74% | 5,200株 | |
東洋証券 | 1.74% | 5,200株 | |
松井証券 | 1.74% | 5,200株 | |
岡三証券 | 0.87% | 2,600株 | |
東海東京証券 | 0.87% | 2,600株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他をみずほ証券含めた7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
IT営業アウトソーシングと介護レクリエーションといった全く異なる事業で構成されている同社ですが、上場規模も小さく流動性の観点から初値高騰が見込めます。事業としても成長している状況のため、今後の動向も気になるところです。