2020年10月27日に東証マザーズ市場へ上場する「カラダノート」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
カラダノートの上場日は!?期待度は?
同社は妊婦向けサービスを展開するベンチャー企業です。
妊娠から育児にかけて主に女性向けに作られたアプリによって着実に成長させてきた会社で、著名投資家からの出資を受けるなど注目を受けています。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
カラダノート |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4014 |
事業内容 |
妊娠育児ママ層向けのアプリ提供および家族向けサービスを展開する企業へのプロモーション支援事業 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2008年 |
従業員 |
29名 |
会社HP |
https://corp.karadanote.jp/ |
監査法人 |
トーマツ |
上場日 |
2020年10月27日(火) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2020年10月9日(金)~ 2020年10月15日(木) |
価格決定日 |
2020年10月16日(金) |
購入申込期間 |
2020年10月19日(月)~ 2020年10月22日(木) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://corp.karadanote.jp/service)
同社は2008年に現代表取締役社長の佐藤竜也氏によって設立された会社です。佐藤社長は慶應大学在学中よりインターン等によって事業運営に関わり、2007年にインターン先に入社後同社を立ち上げました。
同社のサービスはカラダに関する情報アプリの開発と提供を行ってきました。特に2011年にスタートした「ママびより(旧妊娠なう)」を筆頭に、ファミリーデータプラットフォーム事業を展開してきました。
カラダノートとしたアプリによって、利用ユーザーに有益な情報を提供しつつも広告等の配信や企業向けに見込み顧客の紹介を行うなど、各ユーザーの情報を活用したダイレクトコミュニケーションに強みを持っています。
同様のアプリ開発会社はあるものの、ライフステージに合わせたアプリを提供することで、データベース拡張とその情報を元にした企業向け収益ビジネスを構築できています。
これまで情報活用が十分に出来ていなかった家族情報を、妊娠という川上よりカバーすることで、他社と差別化を図る情報プラットフォームになっています。特に妊娠中や1歳未満の子供を有した女性を中心に同社アプリの累計ダウンロード数は700万件を数え、今後の展開に注目が集まっています。
|
2015年7月期 |
2016年7月期 |
2017年7月期 |
2018年7月期 |
2019年7月期 |
売上高(百万円) |
82 |
86 |
306 |
479 |
638 |
経常利益(百万円) |
6 |
△3 |
86 |
90 |
91 |
当期純利益(百万円) |
5 |
△3 |
60 |
64 |
63 |
純資産額 (百万円) |
49 |
46 |
107 |
172 |
235 |
BPS(円) |
197,156 |
185,625 |
427,262 |
34 |
47 |
EPS(円) |
21,855 |
△11,530 |
241,637 |
13 |
13 |
自己資本比率(%) |
54.4 |
57.90 |
55.4 |
73.3 |
76.6 |
ROE(%) |
11.7 |
– |
78.9 |
46.1 |
31 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は成長過程にあります。売上高は5期間連続増収となっており、特に同社の筆頭アプリである「陣痛きたかも」が2017年以降のダウンロード数が増えており、ユーザー数の増加が図れています。また利益も増益基調で黒字で推移しています。引き続き業績を伸ばしていく模様です。
尚、2020年7月期3Q(2020年4月末)の売上高は561百万円、経常利益は96百万円と前期を上回るペースで推移しています。
配当はこれまでも無配でしたが、上場後は内部留保の確保を優先しつつも株主還元を行っていく方針です。
公募株数 |
総数1,499,000株 (内、公募1,000,000株、売出499,000株) |
OA分 |
224,800株 |
発行済み株数 |
5,996,000株 |
想定価格 |
430円(100株単位:4万円) |
仮条件 |
430円 ~450円 |
初値予想 |
800円 ~1,500円 |
想定PER |
約41倍 |
想定PBR |
約4倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
26億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は7億円で、時価総額が26億円と東証マザーズ上場銘柄としては小規模案件です。規模やサイズ感から初値高騰が想定されます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
佐藤 竜也 |
73.15% |
180日間 |
穐田 誉輝 |
19.01% |
|
田中 祐介 |
2.66% |
90日間or1.5倍 |
平岡 晃 |
0.74% |
180日間 |
長澤 香 |
0.46% |
継続保有 |
嶋田 寛 |
0.40% |
継続保有 |
矢動丸 祐子 |
0.40% |
継続保有 |
松枝 愛子 |
0.36% |
継続保有 |
山本 和正 |
0.33% |
継続保有 |
田中 美絵 |
0.25% |
継続保有 |
同社の株主構成ですが、創業者の佐藤社長が筆頭株主で、73%を保有するオーナーです。その他は、役員・従業員を中心とした株主構成となっており、VCや事業会社の名前は一切ありません。その中で注目されるのが株主2位の穐田誉輝氏である。
穐田氏はこれまでカカクコムやクックパッドの社長を歴任し、現在はくふうカンパニーの会長を務める実業家で、エンジェル投資家としても有名な方です。創業期に出資を受けているなど期待を受けた会社ともいえます。
今回の売出は佐藤社長のみで、499,000株の売出です。
今回の公募によって調達する資金は3.9億円で、調達資金は人材採用費やプロモーション費用等に充てられる予定です。
大株主には180日や90日もしくは公募価格1.5倍のロックアップがかかっていますが、同社の経営陣が占めるため上場後のエグジットリスクは非常に少ない案件と言えます。ただし、穐田氏の保有分には制限がないため、約2割の株式の動向が気になるところです。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件となり、前向きなIPO案件として捉えることができます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「カラダノート」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
86.99% |
1,499,500株 |
幹事 |
SBI証券 |
5.22% |
89,900株 |
SMBC日興証券 |
2.60% |
44,900株 |
|
マネックス証券 |
1.73% |
29,900株 |
|
いちよし証券 |
0.86% |
14,900株 |
|
岡三証券 |
0.86% |
14,900株 |
|
東洋証券 |
0.86% |
14,900株 |
|
楽天証券 |
0.86% |
14,900株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他SBI証券を含む7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
著名投資家より出資を受けるなど、着実に成長させてきた同社の上場です。女性等をターゲットにした利便性の高いアプリ開発と提供を行い、評価を高めています。上場後の資金調達によってさらに利便性が上がることが期待できるため、今後の株価動向から目が離せません。