2020年10月28日に東証マザーズ市場へ上場する「プレミアアンチエイジング」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
プレミアアンチエイジングの上場日は!?期待度は?
同社は基礎化粧品の製造販売を行うDtoC企業です。
CM等でも露出が増えており、知名度が高まっている同社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
プレミアアンチエイジング |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4934 |
事業内容 |
基礎化粧品の製造および販売 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2009年 |
従業員 |
92名 |
会社HP |
https://www.p-antiaging.co.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年10月28日(水) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2020年10月13日(火)~ 2020年10月16日(金) |
価格決定日 |
2020年10月19日(月) |
購入申込期間 |
2020年10月20日(火)~ 2020年10月23日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.p-antiaging.co.jp/)
同社は2009年に現代表取締役社長の松浦清氏によって設立された会社です。元々アフラックにいた方ですが、退職後米国の大学でMBAを取得した後に企業経営をしていました。その後通販大手のQVCジャパンに入社し、退職後同社を設立しています。
同社は基礎化粧品の製品開発販売を手掛けています。メイン商品は創業時より手掛けている「ザ・クレンジングバーム・DUO」で、同社の売上の約9割を占める基幹商品です。シリーズ累計1,500万個の売上を誇り、クレンジングとスキンケアを兼ね備えた商品としてリピーターを増やしています。
TVCMではKinKi Kidsを採用するなど、利用者層に人気のある有名タレントを起用するなど知名度を向上させています。
また2019年からは大人の女性向け化粧品ブランド「CANADEL(カナデル)」をスタートし、化粧水、乳液、美容液等が全てひとつに集約された「オールインワン化粧品」を展開しています。
同社は松浦社長の経験に基づき、基本通販での販売を行っています。売上の約8割は通販によるもので、定期販売による継続購入で業績を伸ばしています。ただし、近年では卸売事業に力を入れており、化粧品卸売業者と契約を結び、店頭販売にも力を入れています。
競争力の高い商品に特化し販売を行っていくDtoC戦略で今後も拡大していく方針です。
|
2015年11月期 |
2016年11月期 |
2017年7月期 |
2018年7月期 |
2019年7月期 |
売上高(百万円) |
842 |
1,517 |
2,328 |
4,975 |
11,929 |
経常利益(百万円) |
12 |
11 |
5 |
141 |
236 |
当期純利益(百万円) |
4 |
8 |
△12 |
95 |
174 |
純資産額 (百万円) |
21 |
29 |
37 |
132 |
306 |
BPS(円) |
107,004 |
145,525 |
91,520 |
17 |
38 |
EPS(円) |
17,950 |
38,520 |
△60,979 |
12 |
22 |
自己資本比率(%) |
6.6 |
4.70 |
3.5 |
8.3 |
10.1 |
ROE(%) |
18.3 |
30.5 |
– |
113.2 |
79.5 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は急拡大の傾向にあります。2017年7月期より決算期を変更しているもの、売上高は5期間連続増収となっており、毎期倍増の様相で伸びています。また利益も急激な増益基調で業績の好調さが伺えます。
尚、2020年7月期3Q(2020年4月末)の売上高は14,575百万円、経常利益は820百万円と既に前期を大幅に上回る決算を見せています。
配当はこれまでも無配でしたが、上場後は内部留保の確保を優先しつつも株主還元を行っていく方針です。尚、当面は無配が予想されます。
公募株数 |
総数2,350,000株 (内、公募700,000株、売出1,650,000株) |
OA分 |
352,500株 |
発行済み株数 |
8,700,000株 |
想定価格 |
3,350円(100株単位:34万円) |
仮条件 |
3,700円 ~4,140円 |
初値予想 |
4,700円 ~6,000円 |
想定PER |
約167倍 |
想定PBR |
約12倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
291億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は91億円で、時価総額が291億円と東証マザーズ上場銘柄としては中規模案件です。初値高騰はあまり期待できないものの、一定の評価は受けるでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
プレミアマネジメント(株) |
49.51% |
90日間 |
松浦 清 |
46.05% |
90日間 |
松浦 和子 |
2.24% |
|
越智 恵美 |
1.49% |
|
プレミアアンチエイジング従業員持株会 |
0.22% |
|
外園 明美 |
0.15% |
継続保有 |
河端 孝治 |
0.07% |
90日間 |
戸谷 隆宏 |
0.07% |
90日間 |
石田 美佳穂 |
0.05% |
継続保有 |
小林 佑季 |
0.02% |
継続保有 |
同社の株主構成ですが、創業者の松浦社長の資産管理会社が筆頭株主で、約50%を保有しています。松浦社長個人と奥様の保有分を合わせると全体の約98%を保有するオーナー会社です。その他は、役員・従業員を中心とした株主構成となっており、VCや事業会社の名前は一切ありません。
今回の売出は松浦社長と奥様の2名で、165万株の売出です。
今回の公募によって調達する資金は21億円で、調達資金は自社ECサイトの開発費や人材採用費、プロモーション費用や借入金の返済等に充てられる予定です。
大株主には90日のロックアップがかかっており、基本的にエグジットリスクは少ない案件です。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件となりますが、全体の98%を有する松浦家による売出によってパブリックな会社になるという意味では評価される案件でしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「プレミアアンチエイジング」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
91.31% |
2,467,600株 |
幹事 |
SMBC日興証券 |
1.74% |
47,000株 |
みずほ証券 |
1.74% |
47,000株 |
|
SBI証券 |
1.30% |
35,200株 |
|
楽天証券 |
1.30% |
35,200株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.87% |
23,500株 |
|
岡三証券 |
0.87% |
23,500株 |
|
東洋証券 |
0.87% |
23,500株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他SMBC日興証券を含む7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
圧倒的な広告宣伝費が必要な化粧品業界ですが、一方で、一度使われると継続的に利用されるという側面もあるため、今回の同社の上場は知名度向上と商品力の使用度向上が目的であるとも言えます。VC等のエグジットリスクも少ないため、ある程度安心して投資ができる案件でしょう。
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