2020年12月18日に東証マザーズ市場へ上場する「ココペリ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ココペリの上場日は!?期待度は?
同社は中小企業向けの経営支援プラットフォームを提供する会社です。
主に、地方金融機関と連携し中小企業向けにサービスを展開しており、順調に顧客数を増加させている会社です。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
ココペリ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4167 |
事業内容 |
中小企業向け経営支援プラットフォーム『Big Advance』およびAIモジュール『FAI』の開発・提供など |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
2007年 |
従業員 |
37名 |
会社HP |
https://www.kokopelli-inc.com/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年12月18日(金) |
主幹事 |
大和証券 |
BB期間 |
2020年12月3日(木)~2020年12月9日(水) |
価格決定日 |
2020年12月10日(木) |
購入申込期間 |
2020年12月11日(金)~2020年12月16日(水) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.kokopelli-inc.com/bigadvance)
同社は2007年にみずほ銀行出身の近藤繁氏によって設立された会社です。慶應大学理工学部時代よりデータマイニングを研究してきた近藤氏の経験を生かし、中小企業向けのプラットフォームシステムの提供を目的に事業を展開しています。
同社は地方の中小企業や個人事業主向けの経営支援サービスを提供する事業モデルで、地方の金融機関と連携し、金融機関と融資先の中小企業に対して当社プラットフォーム「Big Advance」を提供しています。
DXの推進が叫ばれる中、地方の中小企業ではDXの専門家がおらず、導入できずにいる会社が多く、同社のプラットフォームを地方金融機関向けにアレンジし、その上で金融機関から中小企業に導入を提案し、契約に応じて報酬を得るサブスクリプションモデルをとっています。
Big Advanceはビジネスマッチングやホームページ作成フォーム、助成金の申請など中小企業にとって必要になる情報が掲載されているプラットフォームであり、弁護士や税理士等の士業相談が簡単に行うことができるなど利用の利便性が高いサービスとなっています。
サービスは提携の金融機関より中小企業に提供されており、同社は直接中小企業に営業を行うことなくサービスを提供することができるビジネスモデルです。
2020年9月時点で全国42金融機関と提携しており、27,914社がすでに導入しています。金融機関はサービスを契約すると、月額利用料を受けることができ、同社へ初期費用と月額料金を支払う形をとっており、双方にメリットのある形を構築しています。
また、金融機関が保有するデータを元にAI開発を行っており、既存サービスに付随して提供しています。
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
売上高(百万円) |
59 |
69 |
106 |
185 |
414 |
経常利益(百万円) |
△22 |
△53 |
△64 |
△99 |
△21 |
当期純利益(百万円) |
△22 |
△53 |
△64 |
△99 |
△22 |
純資産額 (百万円) |
9 |
57 |
196 |
127 |
245 |
BPS(円) |
15,387 |
△736 |
△1,706 |
△47 |
△52 |
EPS(円) |
△41,937 |
△889 |
△1,045 |
△23 |
△5 |
自己資本比率(%) |
28.3 |
65.40 |
83.5 |
71.9 |
69.4 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は右肩上がりの成長期にあります。売上高は5期連続増収となっている一方、利益は足元赤字を継続しています。投資が先行している格好です。
尚、2021年3月期2Q(2020年9月)の売上高は388百万円、経常利益は46百万円となっており、前期を大きく上回る業績を出す公算です。
配当は創業来無配で、財務面の健全化を図るためにも内部留保を優先し引き続き無配が予定されています。
公募株数 |
総数1,082,400株 |
OA分 |
162,300株 |
発行済み株数 |
7,243,380株 |
想定価格 |
1,300円(100株単位:13万円) |
仮条件 |
1,400円 ~ 1,600円 |
初値予想 |
2,200円 ~ 4,000円 |
想定PER |
約-倍 |
想定PBR |
約16倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
94億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は16億円で、時価総額が94億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。事業の成長性と継続性から初値高騰は大いに見込める案件でしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
近藤 繁 |
32.15% |
180日間 |
AT-Ⅱ投資事業有限責任組合 |
9.37% |
90日間or1.5倍 |
森垣 昭 |
7.17% |
180日間 |
(株)東広 |
6.25% |
180日間 |
SV-FINTECH1号投資事業有限責任組合 |
5.57% |
90日間or1.5倍 |
FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合 |
5.14% |
90日間or1.5倍 |
近藤 正武 |
3.67% |
180日間 |
近藤 淳 |
3.67% |
180日間 |
松尾 幸一郎 |
3.51% |
180日間 |
TIS(株) |
2.47% |
180日間 |
同社の株主構成ですが、創業者である近藤繁代表取締役CEOが筆頭株主で、同社株の32%を保有しています。その他役員・従業員が株式を保有する他、事業会社及びVCが株式を保有しています。
今回の売出は近藤社長を含めた11者で、806,400株の売出です。
今回は公募にて3.5億円の資金調達を行い、調達資金の優秀なエンジニア及び営業人員の採用費用に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっており、VCによるエグジットリスクが高いといえます。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件ですが、VCの売出が中心で、今後の事業拡大を踏まえると大いに期待できるため初値には期待が出来そうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ココペリ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
大和証券 |
90.45% |
1,125,800株 |
幹事 |
SBI証券 |
6.95% |
86,500株 |
丸三証券 |
0.87% |
10,800株 |
|
マネックス証券 |
0.87% |
10,800株 |
|
松井証券 |
0.87% |
10,800株 |
今回の主幹事は大和証券が主幹事を務めます。その他SBI証券を含めた4社が幹事を務めます。
著者のまとめ
12月18日には他インバウンドテックが上場してきますが、当社がAIやサブスクリプション事業といった投資家から好まれる事業を営んでいるため、初値に期待できる会社でしょう。