2021年3月19日に東証マザーズ市場へ上場する「ココナラ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ココナラの上場日は!?期待度は?
同社は知識やスキルのマーケットプレイス「ココナラ」を運営する企業です。
働き方改革やコロナ禍によって、副業や自身の得意分野を生かしたビジネスを行いたいという方が増えており、クラウドソーシングの要素を取り入れたプラットフォームとして注目を集めています。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | ココナラ |
上場市場 | 東証マザーズ |
銘柄コード | 4176 |
事業内容 | 知識・スキル・経験を商品化して『ECのように売買できる』マッチングプラットフォーム |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 2012年 |
従業員 | 110名 |
会社HP | https://coconala.co.jp/ |
監査法人 | トーマツ |
上場日 | 2021年3月19日(金) |
主幹事 | 大和証券、みずほ証券、クレディ・スイス証券 |
BB期間 | 2021年3月4日(木)~ 2021年3月10日(水) |
価格決定日 | 2021年3月11日(木) |
購入申込期間 | 2021年3月12日(金)~ 2021年3月17日(水) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://coconala.co.jp/)
同社は、2011年に同社代表取締役会長である南章行氏の個人事業としてスタートし、翌年2012年に法人化によって設立された会社です。
同社は「サービスEC」であるプラットフォーム「ココナラ」を運営しており、「あなたの得意が、誰かの役に立つ」をコンセプトに各々のスキルを求められた方に提供することで対価を得る「スキルマーケットプレイス」のプラットフォームとして事業を伸ばしています。
ビジネスモデルは非常に簡単で、専門的な技術や時間のある個人の方が、自身のスキルに合わせてココナラ上にサービスとして「出品」し、サービスを求めている方に「購入」してもらいサービス対価を発生させるというものです。
サービスカテゴリーは、デザインから動画編集、プログラミングやビジネス相談といったものから、占いや相談といったものまで約40万件の出品があります。
年々流通量が増加しており、2020年度では62億円と右肩上がりに増加しています。今後は働き方改革の影響もあり、個人事業主としてスキルを生かしていく方も増えてくるため、サービスECプラットフォーマーである同社への注目は更に高まっていくことが予想されます。
2016年8月期 | 2017年8月期 | 2018年8月期 | 2019年8月期 | 2020年8月期 | |
売上高(百万円) | 215 | 386 | 767 | 1,138 | 1,776 |
経常利益(百万円) | △195 | △785 | 40 | △1,053 | △84 |
当期純利益(百万円) | △195 | △786 | 47 | △1,054 | △94 |
純資産額 (百万円) | 270 | 78 | 125 | 266 | 172 |
BPS(円) | △27,784 | △58,477 | △56,936 | 13 | 8 |
EPS(円) | △8,341 | △28,708 | 1,542 | △57 | △5 |
自己資本比率(%) | 68.9 | 21.40 | 19.9 | 24 | 8.8 |
ROE(%) | – | – | 37.4 | – | – |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績については、順調に成長を続けています。売上高は5期連続増収となっており、利益に関しては広告等先行投資によって赤字を続けているものの、一定の推移を続けているといえます。
尚、2021年8月期1Q(2020年11月)の売上高は613百万円、経常利益は66百万円となっており、売上ベースでは順調な進捗率となっています。
配当については創業来無配で、当面は内部留保の充実を優先するため無配を予定しています。
公募株数 | 総数12,092,900株 (内、公募1,000,000株 、売出11,092,900株) |
OA分 | 1,813,000株 |
発行済み株数 | 21,474,000株 |
想定価格 | 1,000円(100株単位:10万円) |
仮条件 | 1,000円 ~ 1,200円 |
初値予想 | 1,500円 ~ 3,000円 |
想定PER | 約-倍 |
想定PBR | 約19倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 214億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は139億円で、時価総額が214億円とマザーズ上場銘柄としては大型案件です。資金調達によって成長してきた同社としては今回がエグジットイベントとなっていることから、初値高騰はやや難しい模様です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 | 15.34% | 180日間 |
南 章行 | 13.13% | 180日間 |
新明 智 | 11.70% | 180日間 |
ニッセイ・キャピタル5号投資事業有限責任組合 | 7.65% | 180日間 |
Mistletoe Japan合同会社 | 7.02% | 180日間 |
Fidelity Funds | 6.48% | 180日間 |
ImproVistaⅠ投資事業有限責任組合 | 4.18% | |
鈴木 歩 | 3.82% | 180日間 |
ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合 | 3.74% | 180日間 |
Fidelity Japan Trust PLC | 3.24% | 180日間 |
同社の投資ファンドであるジャフコ系VCで、15%を有しています。2位に創業者である南会長で13%となっています。その他経営陣や従業員が名を連ねていますが、上位株主の大半はVCとなっています。
売出はVCを含め22者で、11,092,900株の売出と上場時時価総額の半数を売出す模様です。
今回は公募で9.8億円の資金調達を行い、調達資金は事業拡大のための広告宣伝費費用や人材採用費、借入金返済やシステム費用に充てる予定です。
大株主の大半には上場後180日のロックアップがかかっており、半年間はエグジットリスクは極めて低いです。発行株数の半数が売出の予定となっていますので、上場後はIPO購入株主によって変動するものと思われます。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、VCエグジットの印象が強いため、初値高騰は難しいでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ココナラ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 大和証券 | 73.91% | 10,278,500株 |
みずほ証券 | 18.70% | 2,599,900株 | |
クレディ・スイス証券 | 5.57% | 773,900株 | |
幹事 | いちよし証券 | 1.13% | 157,200株 |
SBI証券 | 0.26% | 36,200株 | |
楽天証券 | 0.26% | 36,200株 | |
マネックス証券 | 0.09% | 12,000株 | |
松井証券 | 0.09% | 12,000株 |
今回は大和証券・みずほ証券・クレディ・スイス証券が共同主幹事を務めます。その他いちよし証券を含め5社が幹事として名を連ねます。今回は海外売出も合わせて行われる予定です。
著者のまとめ
同日にT.S.Iが上場してきますが、同社への注目度の方が高いと言えます。一方売出規模が大きく初値高騰までは期待しにくいと言えます。ただし、事業としては順調に推移していることから、ある程度落ち着いたタイミングで投資ファンドを含め期待の投資が入っていくるものと思われます。期待していきたいところです。