【2933】紀文食品新規上場の株価とPTS株価&ADR株価

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2021年4月13日に東証1部市場へ上場する「紀文食品」について概要と期待度を見ていきたいと思います。

紀文食品の上場日は!?期待度は?

同社は水産練り製品の製造販売を手がける会社です。

業界では老舗で、食卓でも知名度の高い会社の上場となるため注目を集めています。

今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。

企業名 紀文食品
上場市場 東証1部
銘柄コード 2933
事業内容 水産練り製品類、惣菜類、水産珍味類等の食品製造販売及び仕入販売
所在地 東京都中央区
設立 1947年
従業員 2,695名
会社HP https://www.kibun.co.jp/
監査法人 EY新日本
上場日 2021年4月13日(火)
主幹事 みずほ証券
BB期間 2021年3月24日(水)~ 2021年3月30日(火)
価格決定日 2021年3月31日(水)
購入申込期間 2021年4月2日(金)~ 2021年4月7日(水 )

どんなことをしている会社なの?

(参照:https://www.kibun.co.jp/)

同社は1947年に設立しましたが、元々は保芦邦人氏が1938年に東京・八丁堀に創業した「山形屋米店」が源流となっています。その後、築地場外にて「紀文商店」として海産物卸売業をスタートしました。

1947年に水産練り製品製造の「山久蒲鉾」を合併したことから、水産練り製品製造事業をスタートし、今日に至っています。

現在の当社は連結子会社14社、非連結子会社1社、持分法適用会社3社のグループ体制となっており、「国内食品事業」、「海外食品事業」、「食品関連事業」の3セグメントで事業運営を行っています。

売上の7割を占める「国内食品事業」では、水産練り製品や惣菜等加工品の製造販売を手掛けています。かまぼこやちくわをはじめ、糖質0g麺や冷蔵餃子など、水産物や卵・穀物等を使った製品製造を手掛けています。

売上の2割は「食品関連事業」で、チルド商品の国内物流を中心とした3PL事業や、グループ内の自動車リース、保険等の対応を行っています。

残り1割については「海外食品事業」であり、アジアを中心にアメリカ、ヨーロッパの現地法人にて同社製品の製造販売や原料の輸出入を手掛けています。

創業80年を超え、更なる事業拡大に向けたIPOとなります。

2016年3月期 2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期
売上高(百万円) 56,844 45,897 46,318 103,238 102,253
経常利益(百万円) 1,968 1,947 1,950 2,055 2,308
当期純利益(百万円) 122 △9,954 2,022 474 983
純資産額 (百万円) 13,238 3,179 5,067 5,532 3,604
BPS(円) 689 165 264 276 180
EPS(円) 6 △518 105 25 51
自己資本比率(%) 28.2 9.7 14 9.6 6.6
ROE(%) 0.9 49 8.9 22.5
配当性向(%) 78.5 6.7 20.9 13.4

業績は堅調に推移しています。2019年3月期から連結決算となっているため単純比較は出来ませんが、売上高は横ばいも、利益面では増益基調にあります。

なお、2021年3月期第3四半期(2020年12月)の売上高は76,452百万円で、経常利益は2,855百万円と、利益面では直前の決算の中でも高水準をつける見込みです。

配当はこれまでも出しており、上場後も引き続き配当を出していく方針です。尚、前期は13.4%の配当性向で、配当利回りは0.3%でした。上場後は利回りの向上が予想されています。

公募株数 総数4,144,000株
(内、公募3,000,000株、売出1,144,000株)
OA分 621,600株
発行済み株数 22,208,181株
想定価格 1,310円(100株単位:13万円)
仮条件 1,060円 ~ 1,160円
初値予想 1,050円 ~ 1,500円
想定PER 約29倍
想定PBR 約4倍
配当利回り 0.3%
想定時価総額 290億円

今回の上場にあたっての吸収金額は62億円で、時価総額が290億円と東証1部上場銘柄としては中型案件です。知名度の高い同社の上場ですが、業界的には地味であるため初値はそこまで見込めないでしょう。

株主名 保有割合 ロックアップ
保芦 將人 25.79% 180日間
㈱紀鳳産業 9.75% 180日間
㈱みずほ銀行 4.74% 180日間
㈱匠屋松兵衛 4.11%
紀文グループ社員持株会 3.84% 180日間
落合 正行 3.07% 180日間
キッコーマン㈱ 2.96% 180日間
野村ホールディングス㈱ 2.60% 180日間
㈱大和証券グループ本社 2.34% 180日間
みずほキャピタル㈱ 1.93% 90日間or1.5倍

同社の株主構成ですが、筆頭株主は創業家である保芦会長で、同社株の26%を有しています。また資産管理会社保有分を合わせると3分の1以上となる33%以上を有しています。その他は取引先や金融機関が株主に名を連ねています。

今回の売出は保芦会長の資産管理会社を含めた3者で1,144,000株の売出です。

今回は公募で36億円の資金調達を行い、調達資金は水産練り製品製造装置への投資や子会社向けの投融資に充てる予定です。

尚、大株主には180日のロックアップがかかっております。取引先を含めが半年間のロックアップがあるため、エグジットリスクは少ないでしょう。

今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、創業100周年に向けた生産設備の更新目的のIPOとなります。上場を機に更に海外展開を狙っていく模様です。

どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?

今回の「紀文食品」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。

割当率 株数
主幹事 みずほ証券 86.09% 4,102,800株
幹事 野村證券 5.22% 248,600株
大和証券 5.22% 248,600株
SMBC日興証券 0.87% 41,400株
SBI証券 0.87% 41,400株
極東証券 0.87% 41,400株
エース証券 0.87% 41,400株

今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含めた6社が幹事を務めます。

著者のまとめ

和食文化が世界的に受け入れられている中、かまぼこを始め練り物への需要が高まっています。東証1部に直接上場であり、企業としての知名度があることから一定の買いは集めるでしょう。

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