2021年4月27日に東証1部市場へ上場する「テスホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
テスホールディングスの上場日は!?期待度は?
同社は省エネルギー及び再生可能エネルギー向けビジネスを展開する会社です。
脱炭素等SDGsの流れがある今日において、省エネ設備等の提供によって成長してきた会社です。ESG投資の観点からも注目を集めそうな会社のIPOとなります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | テスホールディングス |
上場市場 | 東証1部 |
銘柄コード | 5074 |
事業内容 | 再生可能エネルギー発電所の開発・売電・小売電気事業、コージェネレーションシステムをはじめとした各種環境・省エネ対策システムなどの設計・調達・施工・オペレーション&メンテナンス他 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
設立 | 2009年 |
従業員 | 316名 |
会社HP | https://www.tess-hd.co.jp/ |
監査法人 | 仰星 |
上場日 | 2021年4月27日(火) |
主幹事 | 大和証券 |
BB期間 | 2021年4月12日(月)~ 2021年4月16日(金) |
価格決定日 | 2021年4月19日(月) |
購入申込期間 | 2021年4月20日(火)~ 2021年4月23日(金 ) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.tess-hd.co.jp/company/business.html)
同社は2009年に設立された会社ですが、元々は1979年に設立された阪和熱水工業株式会社が起源となっており、2018年より持株会社制になっています。
同社は子会社18社、持分法適用関連会社3社のグループ体制でビジネスをしています。主に「再生可能エネルギーの主力電源化」「省エネルギーの徹底」を軸に、エネルギープラントのユーティリティ設備の設計調達施工や、再生可能エネルギー発電所の所有運営売電を行っています。
同社セグメントは主に「エンジニアリング事業」と「エネルギーサプライ事業」の2セグメントで運営されており、売上構成もほぼ半分ずつを補っている体制です。
「エンジニアリング事業」はフロービジネスとして、クライアント向けにシステム設備の構築を行っています。特に省エネルギー系設備として、コージェネレーションシステムやLNGサテライトシステム、また再生可能エネルギー系設備として太陽光発電システム、バイオマス発電システムの設計・施工を手掛けています。
「エネルギーサプライ事業」はストックビジネスとして、再生可能エネルギーの発電事業の運営を行っています。自社で太陽光発電所を所有しており、管理から売電を手掛けています。その他発電した電気を小売するサービスも自社で手掛けており、再生可能エネルギーを全般的にカバーしています。
上場後は海外での事業展開を狙っている模様です。
2016年6月期 | 2017年6月期 | 2018年6月期 | 2019年6月期 | 2020年6月期 | |
売上高(百万円) | 183 | 209 | 272 | 29,638 | 28,415 |
経常利益(百万円) | 56 | 69 | 95 | 775 | 2,534 |
当期純利益(百万円) | 41 | 49 | 67 | 38 | 1,625 |
純資産額 (百万円) | 79 | 129 | 2,270 | 8,536 | 8,409 |
BPS(円) | 398,560 | 646,662 | 906 | 277 | 300 |
EPS(円) | 207,060 | 248,102 | 32 | 2 | 64 |
自己資本比率(%) | 7 | 12 | 67 | 11.7 | 9.6 |
ROE(%) | 70.2 | 47.5 | 5.7 | 0.6 | 22.1 |
配当性向(%) | – | – | 25.1 | 19.1 | 32.9 |
業績についてはやや横ばいとなっています。2019年6月期より連結決算となっており、単純比較は出来ませんが、売上高はやや低下基調にあります。一方で利益は増益となっており、収益性は高まっている様相です。
なお、2021年6月期第2四半期(2020年12月)の売上高は16,021百万円で、経常利益は2,141百万円となっています。
配当は直近期では配当を出しており、上場後も配当性向30%を目標に配当を出していく方針です。尚、前期末の配当利回りは0.1%でした。
公募株数 | 総数9,800,000株 (内、公募7,000,000株、売出2,800,000株) |
OA分 | 1,470,000株 |
発行済み株数 | 35,069,100株 |
想定価格 | 1,700円(100株単位:17万円) |
仮条件 | 1,470円 ~1,700円 |
初値予想 | 1,750円 ~ 2,200円 |
想定PER | 約37倍 |
想定PBR | 約3倍 |
配当利回り | 0.1% |
想定時価総額 | 569億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は191億円で、時価総額が596億円と東証1部上場銘柄としては大型案件です。再生可能エネルギーと今注目を集める銘柄となるため、一定の買いは集めそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
石脇 秀夫 | 25.13% | 180日間 |
合同会社ストーンサイド | 9.64% | 180日間 |
TESSグループ従業員持株会 | 8.87% | 180日間 |
合同会社たかおか屋 | 8.77% | 180日間 |
(株)K | 7.98% | 180日間 |
(株)瑛 | 7.42% | 180日間 |
髙崎 敏宏 | 5.11% | 180日間 |
山本 一樹 | 5.01% | 180日間 |
藤井 克重 | 5.00% | 180日間 |
石田 智也 | 3.70% | 180日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は代表取締役会長兼社長である石脇氏で、25%を有しています。資産管理会社保有分と合わせると35%を有する筆頭株主です。その他、取締役や従業員で保有されています。
今回の売出は石脇会長を含めた計7者で2,800,000株の売出となります。。
公募によって111.4億円の資金調達を行い、調達資金は木質バイオマス発電プロジェクトへの出資や、子会社の設備投資資金、その他プロジェクト資金において借り入れた資金の返済に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは180日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっております。外部株主がほぼいないため、上場後のエグジットリスクは低いでしょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件です。再生可能エネルギー発電に向けた資金調達ということで、事業拡大を狙ったIPOであると言えます。一定の評価は受けそうでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「テスホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 大和証券 | 83.48% | 9,408,000株 |
幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 4.35% | 490,000株 |
野村證券 | 4.35% | 490,000株 | |
SMBC日興証券 | 1.74% | 196,000株 | |
みずほ証券 | 1.74% | 196,000株 | |
岡三証券 | 0.87% | 98,000株 | |
いちよし証券 | 0.87% | 98,000株 | |
丸三証券 | 0.87% | 98,000株 | |
岩井コスモ証券 | 0.87% | 98,000株 | |
SBI証券 | 0.65% | 73,500株 | |
松井証券 | 0.22% | 24,500株 |
今回の主幹事は大和証券が主幹事を務めます。その他三菱UFJモルガン・スタンレー証券を含めた10社が幹事を務めます。
著者のまとめ
4月最後のIPOとなりますが、1部直接上場の案件となります。再生可能エネルギーとSDGsの流れやESG投資の観点で資金が集まってきそうな事業領域であるため、公募価格を下回る可能性は低いでしょう。